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営業とは常にアゲインストだ!

【ツメが甘い】市村洋文著

新興国の人たちを見てほしい。彼らは死ぬほど働いている。世界的なベンチャー企業を立ち上げた人たちもめちゃくちゃ働いている。
会社に9時、10時に出社して、18時や19時には家路に着く。
そんな甘ったるい働き方で世界に伍していけると思っているのか?
日本は沈みかかっている。危機感を持って、がむしゃらに働かなければいけない。
若い人たちよ、死ぬほど働け。管理職と経営者よ、寝ずに働け。
自分の体と精神で困難にぶつかっていけ。


日本はこの20年間、ゆっくりと時間をかけて地盤沈下していった。
財政赤字も、少子高齢化も、社会保険制度の問題も、もう随分前から言われ続けてきたことなのに、この間、我々は一体何をしてきたのか。

「そんなに頑張らなくていいんじゃないか」「自分らしく生きられればそれでいい」「1番になる必要はあるんですか」「働くことだけが人生じゃない」そうやって、目の前の課題や困難から逃げてきたツケが、今の日本の
を作り出してしまったのだ。

この本は、野村証券伝説の営業マン市村洋文さんが、ツメの甘い日本人に向けて書かれた本である。


要約

営業で大切な事
①営業マンはとにかく動け。行動量と成績は比例する
②事前準備は怠るな。徹底的に。
③耳7割、口3割。自慢話を引き出せたら一人前
④『死力達成』死んでも達成する。達成するまでやり続ける。



できないのではない。やらないだけだ。

市村さんは、野村証券で最年少の支店長になり、全国でビリから2番目立った大森支店を一年後にはトップにのし上げている。

「営業に天才はいない。やったか、やらなかったか。それだけの違いである。」

野村証券時代、毎日600通のDMを出した。地図には、飛び込み営業でをするところ全てに印をつけ、1箇所も落とさずに回った。社長に会えたら赤い印、会えなかったらピンクの印をつけ、赤い印で全てが埋まるまで、アポイントを取る手紙を書き続けた。その結果、二万人いる野村証券の営業でトップセールスマンになった。

営業成績が上がらないのは、やっていないからだ。努力と成績は比例する。


今やらずに、いつやれる?

社員の中には、大したことをやっていないのに、「まあ、今はダメですけど、半年後を見ていてください」という言い方をする人間がいる。
今やらなくて、どうして明日できるようになるのだろう?

やらずにトップを取った奴はいない。まずはやれることから一生懸命やれ。
そこがスタートだ。

営業マンなら、とにかく動く。アポイントをとって、お客様に会う。アポイントが取れなければ一件一件飛び込みをして、あるいはテレアポをしてお客様を探す。スケジュールが空いているのは、ツメが甘い。


営業=アゲインスト

君はものが売れないと嘆く。だが売れる商品なら、営業マンはいらない。どんどん売れるなら、君は必要ないのだ。売れないから営業マンがいる。
向かい風の中で営業するのが君の仕事である。


君の準備は穴だらけだ

できる営業マンが事前準備が完璧だ。事前の準備をおろそかにする人間は、いくら口八丁手八丁でその場凌いでも、長続きしないものだ。

営業ウーマンとして成功した女性の例をあげる。

14年間専業主婦をしていたが、子供の手が離れたので、社会に出て働きたいということで、ファーストヴィレッジに入社した。
その彼女の事前準備がすごかった。入社する1週間も前から、自宅から会社までの通勤のシミュレーションをやっていたのだ。電車はどれくらい混み具合か、時間はどれくらいかかるのか、何番目の車両に乗れば乗り換えが一番スムーズか、など。
そして入社当日、市村さんが5時50分にオフィスに着く頃には、彼女はすでに出社していた。案の定彼女は、営業ウーマンとして成功した。

これは、通勤に限った話ではない。

ビジネスでは、客先までの経路選定から始まって、相手の会社の詳細なデータ、事業計画や将来の展望、さらにそれらに基づく自分なりの仮説、そこまでツメてやっと事前準備は完成する。

デキる営業マンは事前準備が徹底しているのだ。


君の市場価値などたかが知れている。

人は皆自分に甘い。
自分を努力以上の評価で見積もっている。大体人は自分の評価を20%ぐらいに見積もっている場合が多い。でも上司は七掛けで見るのが普通だ。
つまり120%で評価している自分と、70%で評価する上司との間にはギャップがある。

君の価値は周りが決めるものだ。君の取引先から「うちの会社に来てくれ」と言われるくらいの人間になれ。


朝は何時に出社すべきか

市村社長は毎朝6時出社。
これを8時に出社する人と比べてみる。週にいつか働くとすると、1日2時間、1週間で10時間。これですでに1日分違う。1ヶ月だと4か。一年だと48日。ゆうに1ヶ月半以上、労働時間に差が生まれている。

もし仮に神様が自分にだけ一年を1ヶ月半余計に与えてくれたらどうなるだろう。人より絶対にいい成績を上げられるのは間違いない。


遅刻する人間とは仕事をするな!

ビジネスにとって時間は貴重だ。一分一秒も無駄にできない。

時間を守らないのは、他の約束も守らないということだ。ビジネスの「いろは」の「い」を守れないようでは、危なくて仕事ができない。
そういうところで人は皆相手の信用度を測っているのだ。


なぜそこでやめる?次は成功するかも知れないのだ。

市村社長は入社一年目、お客様と契約してもらうまで、同じお客様に21回も電話をしている。仙台一の資産家を新規顧客として獲得したときには、50回訪問したそうだ。毎週1、2回、6ヶ月近く欠かさず通った。
何が言いたいかというと、仕事は中途半端で諦めてはいけない。
もう一回、あと一回押してみろ!その一回が成功につながる運命の扉をこじ開けるかも知れないのだ。

成功する人は成功するまでやり続けたから、成功したのだ。


心に響く言葉は箸袋に筆記してでも必ず残せ

市村社長はメモ魔だ。
例えば、何年か前の日経新聞の、「私の履歴書」には加山雄三がこんなことを書いていた。
人間的な魅力は、いつまでも物事に感動するみずみずしい感受性を失わず、目的に向かって生命を燃やし続けることで備わるものだと思う
すぐさま、メモし、記事を切り抜いて保管した。
このように、何か使えそうなフレーズには付箋やメモを貼っておく。
メモをする。メモを取り、記録に残す。そして整理しておくというのは、物事をやりっぱなしにしないための基本中の基本である。


話を聞くのは70%、自分が話すのは30%

お客様と初対面で会ったとき、どんな話題を切り出すだろうか。
市村さんはまず相手が属している業界について聞くことが多い。
お客様が建設会社なら、「建設業界は今どんな感じですか?」「御社で今収益の柱になっている事業は何になりますか?」

営業はいきなり自分の商品の話をするから失敗する。  

相手の課題を解決すれば、相手も喜ぶし、自分も商品も売れて、双方に追って利益になる。そのためは相手からじっくり話を聞かなければならない。相手の課題はなんなのか。それを解決できる自分の商品は何なのか。

とにかく基本は相手に話させることだ。相手の話を聞かないうちから、自分の話をしてはいけない。まずは相手の話を聞く。会話のうち70%は相手の話を聞いているというのが理想だ。自分の話は30%にとどめて、なるべく相手に話してもらう。


自慢話を引き出せたら一人前だ

数字を出せる営業マンは「人たらし」だ。
ネットワークが広い。それも自分のために人肌脱いでくれる、付き合いの深い人脈をたくさん持っている。
人たらしになる基本は相手の自慢話を引き出せるようになることだ。
相手の自慢話を引き出せれば、心理的にかなり距離は縮まる。
「こいつといると、なぜかいい気分にさせてくれる。」
そう思わせれば、一人前の営業マンだ。


接待は目配り、気配り、心配り

接待の目的は、相手とより親しくなることだ。そのためには、相手がして欲しいことを徹底的に追求しなければいけない。

この人は、和食か洋食どちらが好きか、カラオケでは何を歌うか、焼酎は森伊蔵が好みなのか、などとにかく相手を観察する。そして先回りして用意する。

お客様を喜ばせるのが接待なのだから、周囲360度、目配り、気配り、心配り。それくらい気が利かなくては、ツメが甘い。


一流の人に共通する「ナニクソ精神」

いわゆる本物の一流の人たちの共通点は、「ナニクソの精神」である。
これを「死力達成」と呼ぶ。

市村社長は、新人時代、1日二百件飛び込んで40枚の名刺を集めてくる場で帰らなかった。それが「死力達成」だ。

ユニバーサルエンターテイメントを作った岡田和夫さん。
岡田さんは専門学校を卒業した後、業務用のゲーム機器を作る会社を立ち上げた。お金のない時代がずいぶん続いたという。あるとき宇都宮まで機械を届けに行ったが、そこでお金がつき、お客様に電車賃を借りたという。
東京まで、帰る何百円のお金にも困っている悔しさから、絶対こんな生活抜け出してやると心に誓い、歯を食いしばって生きてきたから、資産300億円の資産家になれたのである。

「負けてたまるか」「ナニクソ」。その精神がプラスのエネルギーに転化されると大きな力になる。


この本は営業志望の私にとって非常に勉強になる話ばかりでした。
本書には、根性論、マインドの話だけでなく、
実際に市村さんの実体験に基づき、どのように行動すれば良いか。いかに効率的にアポイントを取るか。事前準備はどのように行うかなどの、
ノウハウもたくさん書かれています。

ぜひ一度読んでみてください。ご静聴有難うございました。


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