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距離感と自己認識

関係ってとても難しい。
だって相手は他人だから何を考えてるか分からないし、自分のことが好きかどうかもよく分からない。でも互いに気を遣い、時には喧嘩をして関係は構築されていくもので、あなたを通して自分を知り自分を通してあなたを知る、信頼関係にはこれを繰り返すことが大切なんだろうと思う。

Xで興味深いツイートがあった。
下の内容に「とんでもないモンスター」とあり、引用もコメントも見方や意見が分かれている。
彼女の何がモンスターと言われるのか、
A相談者、B指摘した人、C送迎している人
それぞれの立場になって私なりに真実を検証してみた。

私は色んな人の立場や視点を行き来した分析や検証が大好きです。




相談内容とそれぞれの解釈


A相談者(送迎を頼んでいる人)
B指摘した人
C送迎している人

AとBの認識のズレ
B「どうせ車を出すんだからうちの子どもを乗せたって同じとか思ってない?」

A「どうせうちの子も行くんだから、いいわよ~」て(Cが)言ってくれてるんです。別にいいですよね?」

BはCの負担について問題視しているが、おそらくAは他者の事情や背景を想像できず、なぜ問題視されるのかを認識できない。
A「関係ない人に口出してきて」と憤慨している。ここから、Aは人間関係を利害(損得)で考えていることが分かってしまう。そのためBの話にAが開き直っているように見え「モンスター」と印象づけられるが、A擁護側の人には、Bが「モンスター」になる。

Aは(Bは別に損をしてないのに)なぜ口を出すのか分からない。余計なお世話ではない?と相談している。



AとBそれぞれの主張を整理してみる
Aの前提
▶︎Cが良いと言ってくれているから良い
Aの目的:誰が(Bが)間違えているかを知りたい(私は間違えていない「ですよね?!」で強調)
主張
・どうせ同じ場所だし問題はない
・ペーパードライバーで運転できない
・送迎をBに頼んでないのに言われる筋合いはないしBにはなにも迷惑をかけていない

Bの前提
▶︎他人の子どもを乗せるのは気苦労(責任)がある
Bの目的:AがCの負担に気が付いて改めて欲しい
「あなたのために言うけれど、少し考えた方が良い」とAの姿勢を諭している。
主張
・乗せてもらう前提でAは習い事を決めている
・できる範囲で習い事を検討した方が良い(バスや電車、タクシーの利用など代替え案)
・図々しいと言われてるまわりの評判がある(Bが世間体や常識的な態度を大事にする人だと伺える)

2人の主張の平行線
A「私は間違えていません」
B「子どもを同乗させることのCの負担についてAの「送迎当たり前」の姿勢を問題視している」

Aの姿勢から考えられる願望は
「Bが間違えている。私はこのままでいい、自分は間違えていないと安心したい▶︎ネットで聞いてみよう」なので、Bが話す問題を認識できない。

Aが1番気にしているのは、
間違ってるか、合ってるかで、何が問題になっているかではない。


こういう人は、根本的に「自分が安心できるか、できないか」「良いか悪いか」快・不快で物事を認識し多数で群れてホッとする羊みたいな人達だ。だからネットで「私何もおかしくないよねぇ?」と声を上げて仲間を募りたいのだ。
自分は何も悪くないのである。



細かく検証していく


それぞれの人物像を詳細に検証



リスクと費用面について

一般的に「他人の子どもを同乗させるリスク」は、安全への配慮、万が一の事故(自動車保険)の時の損害賠償など運転者の責任も重いが、それも含めてCの負担をAが理解しているかはこの相談姿勢からは疑問に思う。

Cには運転の負担に加えてガソリン費も発生している。AとCの自宅の距離は不明だが送迎による手間もあり、Aは「たまにお菓子でお礼」で対応している。
もしBの提案にAが添い、電車やバス、タクシーでの送迎に切り替える場合、明らかに「たまにお菓子でお礼する」より費用がかかる事は想像に容易い。車を維持するには、税金や定期的なメンテナンスもあり、送迎が日常的かつ当たり前の姿勢であれば「Aは非常識だ」とBが考えてもおかしくはないだろう。
(習い事の種類や月回数は不明)


Cが本人に苦情を入れずBが指摘したのはなぜか考えてみよう。


BがCより先に動いた理由

仮説1
「Cはお人好しだが内心不満が溜まっており、「図々しいって有名」の評判をまいた張本人である。Cは臆病で言いたい事が言えず、Cに変わってBがAに忠告した。」

検証:BはAが習い事を「送迎前提で選んでいる事」を知っており、Cが不満をBに伝えたことを示唆する。もしCがAに不満がない場合「送迎前提である」を他人に言う必要はなく、Bはそれを知る余地もないだろう。Bに不満を漏らしているならCはAの圧力に怯えている段階ではないが、Aの要求「当たり前の依存状態」に我慢はしている状態だろう。しかしAはそれに関してスルーし、既にBの問題視する部分を「自分の当然の権利だ」と認識している様子さえある。
だからAの「納得いかない」は、部外者Bが私達AとCの関係にとやかく言うことに腹を立てている。
この場合、Cは自分では直接言えないが誰かに不満や愚痴を訴える事で遠回しにAからの被害を伝えようとする人物で、Bの正義感がそれを汲んだのではと推測される。


仮説2
「BはCと友達であり、Cの負担の多さを見かねてBが勝手に解釈しAに抗議した」

検証:この場合「図々しくて有名」評判も「習い事を送迎前提にしている」もBの思い込みによる決めつけで、Bには別の思惑があった、もしくはCを思うあまりBの正義感が先走りすぎたと考える事もできる。
しかし、Bは具体的に解決策を提示し他者に依存しない別の方法をAに提案しており「文句や感想」ではなくAの行動や姿勢を問題視している。
Bは具体的に話を進めようとしており、他人の背景を考えられるので一方的に決めつけるような狭い解釈はしない人だろうというのは想像できる。
そして他者背景を想像する人は他人を蹴落としたりする必要もなく(もっと他の方法があるとわかる)Bは指摘内容からダメな事はダメだと率直に言う人物である事も分かるため「Bに腹黒い別の思惑がある」とも考えにくい。
とは言っても、B「あなたのために言うけれど」とAに念押ししており、正義感と自己主張の強さも垣間見える。ここからBがCのためにと行動を先走った可能性は否定できない。
この場合先ほどのCの人物像が変わり、Cは不平不満も特になくのんびり屋で自分の損得など考えない人で、BはCの無欲な様子を見兼ねて一方的に心配してしまうBとCの関係性も想像できる。




相談内容からわかるAの人物像

Aが本当に図々しい人物であるか。
Aの人物像を検証する。 

A「送迎はお願いしてるわけではないので関係ないと思う」

検証:AとCの話になぜBが口を出すのかを納得できない。Aの中では「Cは良いと言った」善意を額面通り受け取っている人物だと分かる。
たまにお菓子を返しているから自分はCに気を遣っている事を主張する。

A「この注意するママ友こそ、関係ない人に口出してきて間違っていますよね!?」

検証:Aは「Bが関係がないのに口を出す事」に不満がある。それを誰かに賛同してもらいたくネットで賛同を求める形で、Bに対してどう対応すれば良いのか分からないとか、Cへの自分の対応を振り返り改善策を募るような姿勢はない。
相談は指摘内容についてというよりも、Bに対する不満で「自分が悪いのではないか」という振り返り(内省)ができず、何が悪いのか分かっていない様子からAの性格がある程度わかるだろう。
これは、まわりとの認識のズレが分からない証拠で、自他境界が曖昧、自分と他者の視点の食い違いを和互調整によって解決するプロセス(アイデンティティの形成)が上手くいかずAの自己認識度(下図)も低い事が伺える。


Aの良い悪い(善悪)認識について

AとBはそれぞれ認識が違うため、Bの主張する(常識範囲)がAには理解できない。
ではAの常識を見てみよう。

Aの良い悪いは
「Cが良いと言ってくれた」=良い
「良いと言ってくれた人に文句を言われた」=悪い(酷い)
「別の人に問題点を指摘された」=なぜあなたがダメって言うの︎?▶︎不満😡

つまり人によってAの良い悪いが変わり、客観的に見た善悪がよく分からない。
「何が」良いか悪いかではなく
Cには良いけど、Bにはダメ(って言われた)
解釈
▶︎Cは優しいけど、Bは私が嫌い。
相手を利用価値があるかではかっている利害関係。

そういう善悪認識だから、なぜそこに問題があるのか「内容」を理解できず自分の認識に気付き改める事がAにはとても困難になる。

(Aの理屈)
A「他人が良いと言ったら良い」
理由▶︎「私なら損は嫌だから主張する」自分の損得勘定が成り立っている
不満になる=「私は間違えていない」を変えられず、自分を振り返らず他人がおかしいと決めつけている。
理由▶︎本人が良いと言ってくれてるんだから、関係ない他人が文句を言うのは間違えているし「Cに文句を言われたわけではない」から私は悪くないと解釈している。
自分が図々しいわけではなくお菓子を渡してお礼もしている、Bは関係ないのに文句を言ってこないで。という主張になる。




このAとCの関係は子ども同士にも見える。
()内はやり取りから推測できる本心

A「Cさん、そのおもちゃ🧸いいね。私買ってもらえなくて‥」
C「良いよあげるよ、一緒に遊ぶんだし」
A「ほんと?じゃあそれも欲しい」
C「良いよ」
A「いつもありがとう、お菓子🍪どうぞ」
A「じゃあこれももらって良い?いつも一緒に遊ぶんだから」
C「そうだね😓」

A本音:(Cさん優しいな〜何でも良いよって言ってくれる)
Aの要求がエスカレート

A「私このおもちゃが欲しいな、これで一緒に遊ばない?」
A「Cさんこのおもちゃで遊んでるの?私も一緒に遊びたいな」
A本音:(Cさんは優しいから私の分も用意してくれるよね?(圧力))

C本音:まさかこれもくれってことなのかな🥲
C「‥いいよ‥一緒に遊ぼう」
A「嬉しい!いつもありがとう」

C本音:(我慢ばかりしてるな‥)

疑問に思ったBがAに指摘した。

A「なんで関係ないBさんがそんな事を言うの?私がどのおもちゃが欲しいかあなたに関係ないでしょ?Cさんが良いって言ってくれるんだから。あなたは損してないのに私に文句言うのはおかしくない?」
A本心:(もしかしてBさんも欲しいからって私にやきもち焼いてるの?)

A「Cさんは私の特別の人なんだから」
A本心(Cさんはなんでも話せる友達、ずっと一緒にいたい)

おそらくAはCとの関係は離したくはないだろう。Cは自分の要求に答えてくれる都合の良い友達だ。



まとめ


AはCを“友達“という鎖で囲っており利害関係で結ばれている可能性がある。
Aは反省が難しく、指摘する方が悪い(自分を不快にしたから)と決めつけてしまいがちで、何が問題なのかについて考えられない。
「人の好意は当たり前」なので、気付かないうちに嫌がられたり避けられたり逆に自分の欲望を押し付けたり、他人との距離感をはかりにくい性格傾向がある。

友達ってなんだろう、と考えさせられる。

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