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進撃の巨人のゆかりの地、大分県日田市に行って


諫山創先生の故郷、日田市に到着

2023年5月25日、大分県の日田市に行ってきました。日田市は『進撃の巨人』の作者・諫山創先生の故郷で『進撃の巨人』にまつわるスポットがあり、プロジェクト「進撃の巨人 IN HITA~進撃の日田~」をやっています。
このプロジェクトは、「自分が『進撃の巨人』を作るに至ったこの町に、何か恩返しができないものか」という諫山先生の想いと共に、地元の人々が市民有志として集まり、市民団体「進撃の日田まちおこし協議会」が運営して動き出したものです。プロジェクトの中で『進撃の巨人』のキャラクターの銅像や「進撃の巨人 in HITA ミュージアム」(以下、ミュージアム)などを設立し、日田市を周遊しながら遊べる『進撃の巨人』のアプリゲームでスタンプラリーやARを実施して地元のまちおこし・活性化をしています。

中学1年の時から『進撃の巨人』のアニメを観て、そこから原作を熱中して読んだ僕は諫山先生の故郷にぜひ行きたいと以前から思っていたため、今回現地に来訪し、「進撃の日田まちおこし協議会」に不登校新聞として取材をしました。
日田駅に到着したら、駅前に『進撃の巨人』の人気キャラクターのリヴァイ兵長の銅像がありました。ブレードを持って威風堂々と立っているリヴァイ兵長を見てから僕は「ついに諫山先生の故郷に来たんだ!」と心が躍り、テンションが大きく上がりました。



「はじまりの場所」を再現した大山ダムへ

ホテルに1泊してから次の日、シャトルタクシーを使って日田駅から約20分ほど移動して大山ダムに行きました。大山ダムは日田市の南部に位置する大山町という所にあり、そこが諫山先生が住んでいた所で『進撃の巨人』の物語の着想の地でもあります。大山ダムの手前には、幼少期のエレン、ミカサ、アルミンの銅像があり、初めて巨人が襲ってきた「はじまりの場所」を再現しています。



銅像がある所まで来て見上げたら、まさに巨大な壁であるウォール・マリアを目の当たりにして今にも超大型巨人が出てくるのではないかと思い、エレンらと同じ目線になったような感じがしました。周りは緑の木が覆っている山々に囲まれていて、この地は大きな壁がそびえている『進撃の巨人』の世界の元になっている感じがして諫山先生の原点がここにある、ということを実感しました。
僕は、アメリカのシカゴに2歳から9歳までいて日本に帰国してからカルチャーショックを受け、同級生や先生からの暴行や言葉による暴力などもあり、小学4年生から高校1年の間まで断続的に不登校を経験しています。その間、まさに大きな壁に囲まれているような抑圧を感じ、トラウマになりました。シカゴは緑豊かな環境だったこともあり、自分自身の経験と重なって「ここ(大山町)は初めて来た気がしない……」という特別な気分に浸りました。


また、「第1話で幼なじみのエレン・ミカサ・アルミンが、超大型巨人を見上げるシーンを再現したこの銅像は物語と現実の一体化を目指したもので、この地を訪れた人たちに、未知への挑戦や、困難を乗り越える勇気を持って欲しいという願いを込め、大勢のファンの方によるクラウドファンディングによって建立された。」と銅像の横のプレートに書かれていました。特別な想いを持ってこの銅像が建てられたことが窺えます。そのプレートを見て過去のトラウマを振り切り、何か未知なることに挑戦する力を持ちたい、という気持ちになりました。

進撃の巨人 in HITA ミュージアム

大山ダムを見終わってからは、タクシーで10分ほど移動してミュージアムに着きました。ミュージアムは、コロナ禍が少し落ち着いた2年前からオープンして九州から来る人が多いですが、ここ1年は遠方から来る人や外国人の客も増えているみたいです。


ミュージアムの入口に入ってからすぐの所に超大型巨人の大きな模型があり、思わず釘付けになりました。奥へ進んだら、さらに数多くの諫山先生のネームと原画の展示、小学校~高校時代の落書きもあり、その質と量に圧倒されました。
「進撃の日田まちおこし協議会」の人から話を聞いたところ、諫山先生は独創的であり、独自の観点、世界観を持っていてそれを表現できる人と仰っていました。その話を聞いて諫山先生のすごさを改めて感じ、1つ1つの絵に懸ける力強さに心打たれる想いでした。


その中で「地鳴らし」を始めた時のエレンの怨念を表現しようとした見開きの試し書きがありました。原作でも特に力強い絵の1つでしたが、試し書きで見ていくと、エレンの内に抱えていた怒りや憎悪のようなものがより心に突き刺さって特に印象深いものでした。まさに、原作終盤の盛り上がりにかけてふさわしい1枚、と言えるでしょう。


また、諫山先生のデビュー前の頃から漫画家デビューを果たして『進撃の巨人』の連載を始めてしばらくの間、実際に使用していた執筆デスクがありました。デスクのそばには別冊少年マガジンや『進撃の巨人』の単行本、フィギュアなどが置いてある本棚があり、床材も含めて当時、池袋に構えていた事務所兼自宅に似せて作られていました。
デスクの椅子に座ることもでき、座ってみたら、このデスクから『進撃の巨人』という壮大な物語が生まれたということを体感し、感激して胸から何か込み上げてくるような気持ちになりました。
机の上の小物や年季が入った机の傷にも、きっと諫山先生が使っていたそれぞれの物語があるので、それを想像するだけで熱い気分になりました。

プロジェクトの今後の展望としては、地元だけではなく遠方から来る人を増やしてイベントを増加し、より日田市の活性化を広げていこうとしているみたいです。今回日田市を通して改めて『進撃の巨人』の魅力が伝わったので、この良さがもっと広がっていけたらいいなと思いました。プロジェクトの今後に乞うご期待!

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