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無音で過ごす暮らし

毎日の暮らしで、テレビを流し見しながら家事をしたり、バックグラウンドに音楽を流しながら仕事をしたりしている。いつからだろう、無音で過ごすことはほぼない。音楽を聴きながら、何かをしながら〜など、2つ以上のタスクをこなしているようで満足感があがる気がする。
無音で何かしていると、時間を損した気がするのだ。
料理の時は楽しい音楽を聴きながら〜の方が気分が良いし、仕事中は集中力があがるようなヒーリング音楽をyoutubeで探したりする。

しかし、本当に集中したい時、仕事でレポートを書く時、原稿をまとめる時、気の利いたキャッチコピーやリード文を考える時、本を読む時など
こういう時は、バックグラウンドとはいえ、流れている音楽や映像などは必ず、消す。うるさくて邪悪な騒音にしか聞こえなくなるのだ。
本当に集中したい時、それにのめり込みたい時は無音がものすごく心地よい。

無音と言っても、長閑な田舎なので小鳥の鳴き声や、たまに走る軽トラの音、雨や風の音。さまざまな自然の音は聞こえてくる。しかしそれは全く邪魔にならない。

ながら見、ながら聴きでよい仕事や暮らしの行動と、そうではない無音でなければできない行動。集中力の違いかと思うが、どうだろう。
本当に集中していたらどんな雑音も本来気にならないはずだよなぁ。

深夜、ものすごく静かになると、昼間は気がつかなかったさまざまな不思議な音が気になる。
静かすぎて逆に小さな音にいちいちビビったりする。
想像力が膨らみすぎると寝られなくなるので、夜中一応家の周りを覗いてみたりするが、何もない。何の音だろう。

わかったことはいくつかある。

24時間換気の換気扇の回る音。第三種換気なので、機械音はしないが、小さな排気口の換気扇が回っている音。
もう一つは家全体の空気をかき混ぜるシーリングファンの音。どちらも昼間はほぼ気が付かないぐらいのささやかな羽の回転音。夜は意外に聞こえてくるのだ。

冷蔵庫から氷ができて落ちる音。www

屋根の軒下で「バキッ!」となる音。木材が乾燥したり膨張したりする音だろうか。天井のどこかでも「ミシッ!」「バンッ!」と鳴く音がする。

家が呼吸する音。
科学的な根拠や、木材の構造的知識があるわけではないが、そのように解釈している。
家を構成する様々な維持装置が懸命に働いている音。

全て物には思いが宿る。
やっぱり生きているのだなぁと実感する。

2階から差し込む光がリビングの天井を描く

こういう住環境では、テレビやYouTubeやCDの音楽なんかあまり似合わない。
小さな家のささやく音を気にしながら、風と鳥や虫たちの鳴き声ををバックグラウンドに静かに本を読むのが似合っている。

時々は無音で過ごす暮らしを楽しもう。
もうすぐ5月。つばめが巣作りにやってくる。

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