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絶望おじさんの話

2回目の自転車旅をしている時、
(当時はバブル崩壊直後くらいだった。)
人生に絶望したおじさんと一日旅を共にした。
以下、絶望おじさんとします。

絶望おじさんは、
道すがら自分の事を
話してくれました。

バブル崩壊後リストラ、
奥さんと娘さんから捨てられ、
絶望し人生を終わらせるために、
バスで富士の樹海に向かっている時、
乗り込んできた、
もう一人の絶望さんに遭遇。
その絶望さんの姿を見て、
死ぬ事を諦めたそうです。
理由は圧倒的な死のオーラに、
自分は死んではいけないと思ったそうです。

その後、やる事もないので
ママチャリ日本一周旅を始め、
ほぼほぼ日本一周を終え、
その帰りに自分と出会ったとのこと。

まさにドラマのような転落人生を、
本当に失礼なのですが、
当時はエンタメ的に、
聞いていた気がします。
世の中の不条理みたいなものは、
なんとなくは実感した出来事でした。

絶望おじさんも、
自分と会った時には、
色々な旅、出会いを経てきていて
目には、
絶望は宿してはいませんでした。

その後、
絶望おじさんとは会った事はありません。
一期一会の出会いの中で、
会うべくしてあい、
これも渡された襷の、
一つかなと思いました。

絶望おじさんの話は、
また何記事か書いていこうかと思います。

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