2024/07/24の日経新聞を読んで
日本はオーストラリアと防衛装備など安全保障協力の幅を広げる。月内に豪州で開く防衛装備の国際展示会で新型護衛艦を売り込むほか、自衛隊と豪軍の共同訓練も充実させる。「準同盟国」と位置づける豪州と、海洋進出する中国を念頭に部隊と装備の両面で協力を深める。記事を要約すると共に所感を述べたい。
防衛装備庁は24~26日に豪西部のパースで開く国際装備展示会「Indian Ocean Defence & Security 2024(IODS2024)」へ出展する。
日本の11の企業・団体が加わり、豪州やアジア諸国などの軍や国防当局、防衛大手との取引につなげることをめざす。
三菱重工業は海自の最新鋭護衛艦「もがみ型」を展示する。
もがみ型は従来の護衛艦のおよそ半数の人数で運用できる「省人化」が特徴だ。
船体をコンパクトにし、各種機器の自動化を進め、多機能でありながら少ない人数で運用できるようにした。
豪州はこのもがみ型に関心を寄せる。
豪政府は2月、同国海軍の新型艦艇11隻の導入計画を公表した。
その際に日本についてはもがみ型を名指しした。
今回受注に至れば日本にとって初の護衛艦の輸出となる。
日本は過去に豪州への「そうりゅう型」潜水艦の輸出を目指したものの、フランスとの競争に敗れて失敗に終わった。
日本と豪州は23年8月に自衛隊と豪軍の往来手続きを簡素にする「円滑化協定(RAA)」が発効し、双方での共同訓練がやりやすくなった。
【所感】
純同盟国である豪州は日本の安全保障にとってかけがえのないパートナーである。QUADでもその存在感は著しい。今回のIODS2024では日本の防衛産業の売込みに期待がかかる。特に三菱重工は数年前、豪州への潜水艦の売り込みで仏国に敗退したという苦い思い出がある。今回は護衛艦で、しかももがみ型については豪州が名指し指名するほど興味を持っている。豪州へのビジネスチャンスの拡大はまさに三菱重工にとって悲願だろう。また、昨年の8月に豪州とは円滑化協定を締結しており、自衛隊と豪軍の訓練が円滑に実施しやすくなり、当時と比較すると豪州との距離も関係性も近い。三菱重工の悲願を達成してほしい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?