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2024/01/12の日経を読んで

英国の郵便局で起きた大規模な冤罪事件が、テレビドラマの放映を機に再び関心を集めている。事件の引き金となった会計システムを納入した富士通への批判も高まり、英下院は同社幹部らに証言を求めた。
事件の発端は1999年。各地の郵便局に富士通の会計システム「ホライゾン」が導入された後、窓口の現金が会計システム上の残高よりも少なくなる問題が頻発するようになった。記事を要約すると共に所感を述べたい。

富士通のホライゾンの欠陥が根本原因なのだろうか
  • 当時、郵便局を束ねる英国有のポストオフィスは、横領や不正経理をしたとみて、郵便局長らに補填を要求し、局長らは借金などで差額を埋めることを余儀なくされた。

  • この結果、破産や自殺に追い込まれるケースもあったという。2015年までに700人以上の局長らが罪に問われた。

  • その後、富士通の会計システムの欠陥が原因だと判明した。

  • 有罪判決が取り消されたのは90人あまりにとどまる。現在まで全面救済には至っていない。

  • この問題が再燃するきっかけとなったのが、英放送局ITVが今月初め、事件を題材にしたドラマを放映したことにある。

  • スナク首相は10日、議会下院で英国史上最大となる誤った判断の一つだと述べ、被害に遭った人を救済する新法を導入するとも表明した。

  • 議会では富士通側の責任を求める声が高まっており、富士通にも賠償を求める声が上がっている。

  • 議会が富士通批判を強めるのは、局長らの救済が不十分だったとして、国民の非難の矛先が自らに向かうのを回避しているとの見方もある。

富士通が思わぬ形で、英国で批判を浴びている。この事件は確かに、富士通の会計システムホライゾンの欠陥が原因ではあるが、それが根本原因かなのだろうか?
確かに、富士通のホライゾンが正常であれば、この事件はそもそも起きなかったと見る。私はこの事件後の英国議会の対応にも問題があるとみる。
そもそも窓口の現金が口座残高より少ないのは、ホライゾンの不具合であり、郵便局員が横領や不正経理をしたこと自体が、冤罪と言われているので、有罪判決を取り消すべき人員はもっと多いはずだ。とはいえ、この動乱に乗じて、横領をした輩もいるかもしれないが、英国議会の対応にも問題はある。スナク首相の批判が富士通批判から、日本企業への批判に繋がらなければいいと願いたい。富士通は当時の会計システムに不具合について、もう一度真摯に向き合い、回答すべきだろう。

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