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2024/06/26の日経新聞を読んで

税金や福祉など住民に身近なサービスを巡り、自治体ごとに異なるシステムの仕様を統一する作業が遅れている。国主導で2025年度末までに完了する予定だったが、東京23区のうち10区は期限に間に合わない。行政のDXに不可欠な改革だが、対応が遅れる自治体がさらに増える可能性がある。記事を要約すると共に所感を述べたい。

  • 自治体はシステムのベンダーと個別に契約し、開発や管理を委託している。

  • システム毎の細かなルールの違いが、国や自治体の連携を阻んできた。

  • 実際に、新型コロナウイルス禍ではワクチン接種や給付金の手続きで混乱が生じる原因になった。

  • 仕様が独特だと途中で別の事業者へ委託を変えるのは難しいので、特定のベンダーに依存する「ベンダーロックイン」が生じ、経費がかさむ一因になっているとの指摘もある。

  • コロナの教訓などを踏まえ、国は20~21年、税金や福祉など20の基幹業務について政府・自治体システムの共通基盤を整備すると決めた。

  • しかし、全国の自治体が同時に取り組むことになったため、移行の担い手となるSEが十分に確保できなくなった。

  • 東京都台東区は一部の機能を手がける事業者が撤退し、23年に代わりのベンダーを公募したが応募はゼロ。

  • 国は23年、25年度末の期限を堅持しつつ、個別事情を示せば遅れを認めることにした。

  • 対応の遅れの原因はエンジニア不足以外にも、標準化の仕様書が何度も改訂されている点もある。

  • NECは、グループ会社を含めて1500人体制で受注した標準化業務に取り組む。

  • 担当者は「定額減税や子ども支援金など突発的で大規模な法改正による改修作業もあり、一部で期限内の移行が困難になっている」と説明する。

【所感】
システムの標準化は地方自治体や国にとっての悲願である。それこそベンダーは自社の利益のためにベンダーロック状態にシステムを複雑化させて、他社が参入できない状態を作り出す。NECや富士通や日立製作所等の大手企業がそれぞれの自治体やシステムで牙城を作り出すのはよくある話である。しかしそれでは本当に地方自治体や国にとって満足のいくものでは無い。複雑なシステムは他社の参入障壁を拒む一方で、その企業にしか出来ないため、費用が増加する可能性もある。システムの標準化は簡単に出来る様な並大抵のものでは無い。しかしながら、やり遂げた時にはきっと自治体や国の職員から感謝されるに違いない。

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