進化する物質 生命らしい進化が実験してわかった
初めに
生命らしい進化とは何でしょう。
今までの、多くの、宗教的な、哲学的な、生命理解ではありません。
なるほどと誰もが納得できる、実験結果を知りたいのです。
その実験をしたのが、市橋先生です。
「進化が続かない」の課題を解決し、「生命らしい進化」を実現しました。
その研究結果は2022年のNatureで発表されました。
何をしたら物質が生命らしくなったかを発表した論文です。
論文通りにやれば再現可能な、生命らしい進化の方法が発表されたのです。
生命への理解が一歩近づいた、ノーベル賞の価値のある論文と思います。
生命らしい進化
前回の実験(進化が続かない)では、複製速度が1000倍に進化しました。
しかし、生命らしい進化ではありませんでした。
ウィルスは自分で増えることができず、生命ではないと言われています。
にも関わらず、コロナウィルスは生命らしく進化すると思いませんか?
抗体ができた人たちに対し、進化して新型コロナで対抗してきました。
最終的には毒性を弱めて共存することになりました。
宿主を殺しては自分も生き続けることができませんね。
今までの進化実験はコロナウィルスの進化と何が違うのでしょう?
何が足りなくて生命らしくないのでしょう?
何が足りない?
複製し、進化していますが、進化が次第にスローダウンし、約600世代後には複製機能の向上も変異の蓄積もほとんど止まってしまいました。
生物のような進化には、何が足りないのでしょう?
際限のない進化
多種多様な系統へ多様化する豊かな進化
どうすれば生命らしく進化する?
敵がいて軍拡競争に耐え抜くのが生命
敵とはウィルスのような寄生体(パラサイト)です。
寄生体はRNA複製の失敗作です。
自身で複製酵素を作らず、他のRNAが作った複製酵素に依存して増えます。
複製酵素の遺伝子の配列をもたず全体の長さが短縮化しています。
短時間で効率的に増えることができ、飛躍的にコピー数を増していきます。
この寄生体との進化的軍拡競争が必要だったのです。
寄生体を共存させながら進化実験を行ってみた
終わりに
先生の論文は生命らしさの秘密を実験で証明したものだと思います。
「進化競争に勝ち抜くような進化」で生命らしい進化ができました。
勝ち抜けなかった生命はどれも絶滅してきたのです。
これは生命の進化に一般的な条件なのでしょうか?
この進化実験はまだ継続中で、まだ進化が続いているそうです。
このまま続けていくと、そのうち何かが起きるのではないでしょうか?
研究を追いかけていくと、生命の謎の解明の瞬間に立ち会えそうです。
何かが起きたら、先生から発表されるのを待ちます。
先生の研究の追っかけをやります。
市橋先生は「生きものはみなエリート」だと次のような文を寄せています。
ここまでわかってもまだ生命の起源が解ったとは言えません。
進化が少しわかっただけです。
ここまでのプロセス、ここからのプロセスにもわかっていないことが多い。
20ヌクレオチドの自己複製RNAを特定したのRNAとも関連できてません。
これからも生命の進化の研究が進めば、多くを学ぶことになると思います。
【進化する物質】新マガジン
それがいつか生命になった
進化が止まってしまう
生命らしい進化とは何か(本記事)
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