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こんな北朝鮮に注目! エッチで危険な浴場の秘密

咸鏡北(ハムキョンプク)道・清津(チョンジン)。新興資本家である金主(トンジュ)が運営する個人浴場は、客のニーズに合わせたサービスを提供することで、住民の人気を得ている。そのうちの一つが、人民武力部傘下のガンソン貿易会社に所属している「清津商店」である。ここには金主が運営する個人浴場および飲料などの売店などが入っているが、国営浴場に比べて、お湯もよく出るほか、サウナの設備も備えていて、利用客が多いという。

一方、咸鏡北道の当局が運営する大型の国営浴場「水南・恩徳園(スナム・ウンドクウォン)」は、浴場はもちろん、理髪店や美容院、各種食事の設備まであり、派手な外観を誇っているが、実際には温水すら出てこなくて、客はすっかり離れてしまったそうだ。ある報告では2017年4月、「国営浴場でお湯が出なくて、冷たい水をバケツに入れて小型石炭ストーブで暖めなければならない。出てくる石炭の煙と焦げた臭いは、何とも言えないほどひどくて、国営浴場に行かないという住民は多い」とし、「一方、個人運営の浴場には、暖かい壁用ヒーターも設置されていて、お湯がいつも勢いよく出ていて人気」と伝えられた。

国営浴場にはない、垢すりサービスも、個人浴場が人気を得るのに一役買っている。個人浴場では夜間になると、垢すり女性が現れ、垢すりサービスを提供する。北朝鮮の金主はもちろん党の幹部たちまで、このサービスを好んで利用するため夕方に浴場を訪れている。個人浴場の利用料は、北朝鮮のお金で約2000ウォン、個室の風呂は5000ウォン〜1万ウォンとされる。これは国営浴場である恩徳園の利用料より1000〜1500ウォンほど高いが、きれいな浴場を求める住民が増えるのに従って大盛況となっている。

また同じ報告では、「清津は他の地域に比べて、商売でお金を稼いだ人が多く住んでいるので、個人浴場はもうかっている」とし、「党幹部や金主も、国営浴場とは違って、個人浴場では公民証(住民登録証)を提示する必要がなくて便利だと感じている」と伝えている。

しかし、そうした中、北朝鮮の主な都市にある浴場が、売春や薬物など闇ビジネスの場として悪用されているという話も広がっている。特に深刻な社会問題になっているのは、薬物取引である。浴場の管理員が前もって薬物を所持していて、客が来ると「ヒロポン約1g」などを手渡すという。値段は外の1.5〜2倍で割高といわれているが、人気なのは、取り締まりがあっても、捕まらないという噂が広がっているからだ。

管理員は、浴場の前を見張りながら、取り締まりが来たら、素早く個室風呂のドアを鍵で締めて、使用していない風呂だと取り締まりの担当者をだます。浴場側が担当者に賄賂を渡すことも多い。薬物取引をすると、もうけが多く上がるため、取り締まりの担当者との関係をうまくつくっておくことが重要なのだそうだ。

不衛生さも問題となっている。浴場で薬物や売春などが横行しているので、様々な性病が発生しているという。そのため、北朝鮮の一部の地域では、個室風呂の壁の一部を壊し、中が見えるように造り変える動きが出てきている。点検しやすくすることで、当局の取り締まり強化に呼応しようという動きだ。

北朝鮮の浴場は、娯楽の場であると同時に、薬物や売春など闇ビジネスの場でもある。北朝鮮で浴場が流行している理由は、つらい生活の中で日常を抜け出せる所、逃げ場が浴場であるからなのであろう。

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