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妊娠と制限②

妊娠すると制限が多くなることが不安
そんな漠然とした不安を解決するのはやっぱり
知ること

しかしながら
ただ本を読んでも
ただ雑誌を読んでも
妊娠する前にはなかなか、届かない。
自分事にならないと、心には届かない。

だから、不安に思ったら少しだけ覗いてほしい。
そんな場所を作りたい。
そして、その不安の原因と、解消するお手伝いをする。そんな産婦人科医を目指しています。

さて、本日は妊娠と制限
よく聞かれることのなかから旅行についてのお話です。


妊娠と旅行

いわゆるマタタビ

賛否?なの?
よく雑誌に、旅行に行く前に主治医に確認しましょう、などと書いてある。

私の印象としてはほとんどの人は大丈夫なんです。
でも必ず『自己責任』といいます。

正直、旅行に限りません!日常生活全て自己責任ですよね。
旅行だけ、医者がいいと言ったから行ったら大変なことになった!と言われても困るなぁと思ったりしたこともありました。
でも自分で判断するのは難しい、という気持ち、わかります。お腹に命が宿ってからというもの、これって大丈夫!?と疑問に思うこと、産婦人科医のわたしでもありました。

気をつけて欲しい方

中には遠くには行ってほしくないと思う人もいます。
切迫早産の人。
上の子のときに早産・切迫早産だった人。
合併症のある人。
心配症な人。

安心な時期はあるのか?

医学的に安定期というのはありません。
初期は流産が多く、12週を過ぎると一般的に流産が減ります。また16週には胎盤が完成し、その頃を安定期と呼ぶことが多いです。

ただ、初期の流産は、私たち医師は助けてあげることができません。初期の流産の多くが胎児側の要因であるといわれています。そして妊娠22週までは、流産との扱いになり、赤ちゃんの救命をすることができない時期なのです。

だからそれまでの時期は正直、何が起こったとしても、助けてあげられないのですよね。

しかし、それ以降、早産の時期に入ると、児の救命できる可能性がでてきます。週数が進めば進むほどほど、後遺症なき生存、の可能性が上がってくるのです。

ただ、長期の入院や処置が必要になる場合があったりして、例えばすごい自宅から遠いところで事件が起こって入院

なんてことが起こった時に非常に困るわけなんです。本人は帰ることすらできない。医療側も情報収集などの労力を要します。

最悪の事態になったとき

それでも無事ならまだよくて
非常に残念な事態に陥ってしまった場合に
きっとその判断をした自分を相当責めることになってしまう。
きっと旅行が妊娠に及ぼす影響は小さいでしょうが、最悪の結果になってしまったとき

なんで旅行なんて行ったんだろう

と、考えてしまうと思うのです。

なので、少なくとも多くの可能性があることを熟慮した上で、決めていただきたいと思います。

リフレッシュは必要だと思います
妊娠したから何もかもダメなわけじゃない
ただ、いつもと違う体
違うことが起こる可能性
その時の対処

そのあたりを十分に考えて検討してください。
お正月、帰省されている方も多いかもしれません。何かあったら受診できる先があると安心ですがなかなか難しいことも多いです。

以上、妊娠中の旅行、遠出についてわたしの考えを述べさせていただきました。

お読みいただきどうもありがとうございました。
どうか、良いお年をお迎えください!
本年はどうもありがとうございました!

来年も、引き続きどうぞよろしくお願いします。

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