家がなくなるまで-2
こんにちは、こんばんは。
小学生の男の子とふたりで暮らすシングルマザーのわがぶたです。
前回に引き続き、私たち親子が家を失うまでのお話を綴っていきたいと思います。
ここから『まさか』の連続パンチをくらい続けることになります。
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8.2
やってきました。運命の出会いです。
平日の真ん中の深夜のことでした。
目を覚ました私は、子どもと寝ていた布団から起き上がりました。
少し話が脱線しますが、私は極度の心配性です。
私と子どもの生活に少しでも波風や揺れが起きてしまえば、きっと倒れる。
必死で家を支える気持ちで、実家を出ました。
私と子どもが苦手なものは統一していて、『怖いもの』です。それは物理的に把握のできないものではなくて、ちゃんと実在する『人』や『虫』です。
引越し業者が来る前に害虫対処をしました。毎晩ハッカによる床拭き。水場には水滴が残らないように拭き上げていました。
寝る前は玄関の扉が外から開かないようダイニングテーブルとイスで扉を固定。窓もシャッターを家財と紐で繋ぎ侵入防止。
ここまでしているんだから、出会うはずがない。そう思っていました。
しかし、奴は無情にも私の前に現れました。
そう『G』です。
小指の爪よりも小さな赤ん坊が、深夜のトイレを走り回っていたのです。
家中にトラップを仕掛けていたはずの私は大混乱!ハッカの匂いがすごい床に降り立ってしまった赤ん坊Gも大混乱!!
猛スピードで走り回っているとはいえ赤ん坊サイズ、退治はできます。
トイレの隅に食器用洗剤をまきなおし、布団に戻った私はすぐに『害虫 駆除 業者』と検索しました。
指どころか、膝までガタガタ震えていました。
赤ん坊がいるとなれば、いる。絶対に、大きい奴が。
外が明るくなるまで害虫駆除業者のクチコミとにらめっこし、1番早く来てくれそうな業者に依頼をしました。
1番早くといいますが、やはりシーズンだったので予約できたのが8/6でした。
それから3日3晚、私はカビキラー片手に布団の中で些細な物音も聞き逃さないように神経を尖らせていたのです。
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8.6
ようやく業者の方に来ていただき、業者の方の見解としては
『引越しのダンボールについてきてしまった』
でした。
いわゆる糞や卵など、部屋に住みつかれている様子はない、と聞けた私も子どもも一安心。
3時間程、部屋を探索して隙間も埋めてもらい、これでようやくちゃんとした睡眠が取れると、業者様に深い深いお辞儀をしてお別れをしました。
余談ですが、業者の方からは「こんな完璧な対処されている家はなかなかないですよ」と太鼓判をいただきました。
大学生の頃住んでいたアパートがG屋敷だったのもあり、対策は万全だったわけです。
だからこそ、出会ってしまったことがショックであり、驚きでもあったわけです。
さて、段ボールもすぐに処分し二度と会うわけがない。ビギナーズラックのような、引越しのアクシデントのひとつだと片付けよう。
そう思っていたのも束の間。1週間も経っていない8/12の夜のことでした。
奴はまた、私たちの前に現れました。
しかも明かりの点いたリビングに、堂々と。
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8.12
2日ほど前に子どもがお皿を洗っているときに「なんか小さい虫が死んでる」と言っていました。
ただその日残業をしていた私は「蚊かな〜」くらいで返事をしてしまいました。
後から特徴を聞けば、それは明らかにGの赤子でした。しかもトイレで出会ったのとは別の種類の。
そして8/12の夜。私と子どもが寝る前のゲームを嗜んでいたときのことです。布団の下から、小さい何かが飛び出して行ったのを私も息子も見逃しませんでした。
「ジーだ!!!」
子どもの叫びに応えるようかな、小さいなにかがUターンしてきました。
そいつは正しくGの赤ん坊。これはトイレで出会ったのと同じ種類でした。
背中に白い線のある、あいつです。
すぐに捕まえ、先日来ていただいた業者様からもらっていた名刺を掴みました。
そして、即座に電話。
「出ました!!奴です!!!」
アフターサービスがしっかりとしていた業者様が、すぐに飛んできてくれました。
「おかしいなぁ、隙間は埋めたんですけど」
我が家に来ていただいた時点でかなり遅い時間だったにも関わらず、業者様は家中をくまなく捜査してくださりました。
そして、見つけてくれました。
穴です。
キッチンの吊り戸棚と天井のあいだに、拳大の穴があいていたのです……。
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お読みいただき、貴重なお時間をくださり、ありがとうございます!
多くの『スキ』もいただき、感無量でございます……!ありがとうございます!
心より感謝申し上げます。
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