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誰も傷つかない英語学習・教育を目指して

はじめまして!現役高校英語教員(教員歴5年)のねこさん先生です。
このnoteでは、これからの英語学習・教育についての研究や私の考えをまとめていきたいと思います。

私は大学院でTESOL(英語教授法)を専攻し、教員免許は「専修免許」となっております(知名度も実際の効力もほとんどないのだけれど。。。)。ですので、教員歴はまだまだ浅いのですが、「数年の教育経験+大学院で得た第二言語習得論(SLA)の知識」があるので、英語教育についてはそれなりに精通していると思います。詳しくはプロフィール欄を見ていただけると幸いです!(TwitterとInstagramのリンクもあります。よろしければフォローお願いします。)

このnoteで書きたいこと

このブログでは、これからの英語学習・教育に重要になってくるであろうことについて書いていきたいと思います。具体的には、identityとtranslanguaging(複数の言語を使って意味などを創出する言語行為。今後このブログで詳述します。)を中心に書いていきます。おそらくこの分野に関して(少なくともtranslanguagingについて)日本語でまとめられている本はあまりない、もしくは全くないと思います。ですからこのnoteを通じて多くの人に知っていただけると幸いです:)
そしてそして。ものすごく野心的なのですが。。このnoteでまとめたことを活かして、将来本の出版につなげていければなあと目論んでおります。(以下に本の「アウトライン」があります。よろしければご覧ください。)「ただの英語教員が何を言っているんだ」と思われるかもしれませんが、頑張って更新していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

https://docs.google.com/document/d/12dJKxwE2GmJtSnfhPu6xAv0qcJwNS4eBmZaKFfX5mpk/edit

なぜidentityやtranslanguagingが重要になるのか?

今回のentryでは、この問いについて3つの観点から考えていきたいと思います。

AIの時代

これからはAIの時代になります (新井, 2018)。すでに自動翻訳などがありますが、これからはその精度がますます上がり、「翻訳」する能力(=これまで英語教育で重視されてきたこと)は、それほど重要ではなくなっていくと考えられます。
しかし、だからといって英語学習・教育の価値がなくなるわけではありません (バトラー, 2021)。なぜならば、ことばというのはidentityと関わっており、第二言語を学ぶということは「あたらしい自分(=identity)」を創出する行為でもあるからです。この点については、いくらAIが発達しようと変わらないことだと思います。第二言語を学び、新たなるidentityを構築することの価値を存分に活かす英語学習・教育がこれからは必要になっていくでしょう。

VUCAワールド

VUCAワールドとは、今のそしてこれからの世界を表す言葉で、Volality(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとっています (末永, 2020)。グローバル化がますます進展するであろうこの時代では、様々な人種や文化を持つ人々が交流し、揺るがない「安定」というものは何においても難しくなっていくと思われます。
英語という言語も例外ではありません。グローバル化の中で英語も変化してきており、「アメリカ英語」や「イギリス英語」といった固定的なモデルを目標として学んだり教えたりするのは、以前ほど意味をなさないかもしれません。そんな中で重要になるであろう考え方は、translanguagingです。様々な文化や言語背景を持つ人々が、自分のバックグラウンドを活かしながら言葉を使って意味などを創出していくこのtranslanguagingは、これからの時代に必要な「スキル」になっていくと私は考えています。

人生100年時代

これは上記の2点に比べれば「プラスα」のようなものですが、「人生100年時代」と言われる長い人生を生きていくには、語学はとても役に立つと思います。

例えば、シンプルに語学には終わりがないので、いつまでも続けられる「趣味」としていいと思います。実際私の母も50代で英会話レッスンに通い、アメリカにいるさらに年配の方とメールのやり取りを楽しんでいました(この話、とてもロマンチックな背景があるので、いつかどこかで共有したいと思います)。

また、SLAの研究によると、語学に励むことは認知症予防にも役立つ可能性が示唆されています (白井, 2012)。「長い人生を楽しく生きたい」「子や孫の世話にはなりたくない」という人は、語学に励んでみるのもありだと思います。英語が苦手だった人は「英語コンプレックス克服」のために、得意だった人は「バイリンガル」になるべく英語学習に取り組んでみるのはいかがでしょうか?

おわりに

すっかり長くなってしまいました。。。
このnoteでは、「AIの時代」「VUCAワールド」「人生100年時代」を考慮に入れて、英語学習・教育でこれから重要になるであろうidentityとtranslanguagingを中心に色々と書いていきます。
ぜひ私のプロフィールをご覧いただき、TwitterやInstagramもフォローしていただけると幸いです!

これからどうぞよろしくお願いいたします:)

PS.
参考文献にある書籍は、どれも英語教師必読の本だと思います!ぜひお手に取ってみてください。

参考文献

新井紀子 (2018). 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社.
白井恭弘 (2012). 『英語教師のための第二言語習得論入門』大修館書店.
末永幸歩 (2020). 『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』ダイヤモンド社.
バトラー後藤裕子 (2021). 『デジタルで変わる子どもたちー学習・言語能力の現在と未来』ちくま新書.



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