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『 社長!お疲れ様でした(;_;)/~~~ 』

今しかないからね!今日できることは今日。みんなで手分けして、社長の目標達成しよう! …ターミナルだからね…時間がないから…ね。


朝の申し送りでスタッフに激を飛ばし、一日が始まろうとしていたその時、慌ててスタッフが事務所に掛け込んできた。

『社長の呼吸が停止しています!』

 眠るように静かに、社長は逝かれた。突然の出来事に気持ちがついていかない私たちをよそ眼に、ナントも穏やかな表情で、社長は眠っている。

手を握れば、まだ温かい。朝いちばんにお部屋に会いに行った時は、ベッドに腰かけて、私を待っていたとお道化た表情をみせていた。なのに、なんでこんなに急に‼


会社の社員のみなさんに会いに行きたいと希望され、楽しみにしていた… のに…なんで、なんで逝ってしまったの…。


 ご入居から8日目の昨日の晩は、初めて車椅子に乗り、はるかの中を散歩できた。カウンターキッチンで陣取り、奥様が用意してくれた栗のプリンを美味しそうに召し上がり、最高の笑顔を見せてくれた。大好きな奥様に電話をし、ほとんど出ない声を振り絞るように、会話されていた。


その後は、どうして自分はここにいるのか?なぜ、こんなに管がついているのか?自由になりたい、と筆談で意思表示をされている。入院中の記憶は曖昧で、今の状況に納得できていないところもあるようだ。自由になりたいとの言葉には、どうしようもないこととはいえ、申し訳なさで心が痛んだ。


会社設立から36年間、仕事一筋に頑張ってこられた社長。誰の言うことも聴かず、やりたいようにやってきた社長。デスクの上は、自分にしかわからない物の配置。ベッドの枕周りも、手帳や財布や孫の手や… 大変な有様になっているが、本人にとっては、その環境が一番しっくりとくる。社長の世界観なのかもしれない。


 そんな強気な社長も、奥様がお帰りになると言うと、絶対に首を縦には振らず… NO!(=_=) … どんなに勇ましく戦ってきた戦士でも… いや!戦士だからこそ、愛する妻には傍にいてほしいのでしょうね。というか、どんな時も甘えさせてくれる妻がいないと、こころが休まらないのでしょうね (*´▽`*)!


享年73才。36年間の社長人生に終止符が打たれた。次に旅する世界では、どんな人生が待っているのだろう?


私が思うに… また、社長⁉ それもまた、宜しい


ご入居から9日目。社長は、新たな世界に旅立たれた。とても穏やかに。
短い間でしたが、大変お世話になりました。良い旅を… 🌙🌈


最後の筆談にて


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