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日本人営業マンの奮闘 in ヨーロッパ Part5 (final)

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スタートライン

ドイツ赴任以来、2年半の下積みを経て、ようやくスタートラインにたった。ドイツ企業を中心とした、欧州地元企業とのビジネス開拓活動を担当することになった。

欧州企業といっても、多種多様であり、私はまず、どこから手をつけるべきか、選択と集中が必要だと考えた。
その選択基準は以下とした。

  • 当社が得意とする市場にいる企業

  • 市場シェアの高い企業

  • グローバルに展開する企業

当社は、自動車業界に強く、日本のほぼ全ての自動車メーカーに採用されている素材を生産している。
欧州にもフォルクスワーゲンを初めとする自動車メーカー、および部品メーカーが数多く存在しており、まずは彼らをターゲットとすることにした。

また、ビジネスのポテンシャルを考えると、市場の中でもトップクラスのシェアを持った企業から攻めるべきと考えた。
さらに、欧州にとどまらず、他の地域にも展開している企業が望ましい。理由は、中国やアジアに展開している企業であれば、すでに当社のことを認知している、もしくはアジア地域の工場で使用している可能性があるからだ。

ドイツ語以外お断り??

ドイツ企業への訪問やプレゼンを徐々に開始した私は、以前、上司に言われた言葉を思い返していた。

「ドイツ企業は、サプライヤーにはドイツ語でのコミュニケーションを求める。だから、担当はドイツ人に任せるべきだ」

そう彼は言っていた。私も、そういうもんか、とその場では聞き流していた。
実際に、自分がアプローチを始めてみた結果は、

基本的には、ビジネスは英語で問題なし ドイツ語を求められたことはない

であった。

まず、私が相対する企業はグローバル企業が多く、そもそも彼らの社内公用語は英語であり、サプライヤーとも当然のように英語でやりとりしている。
また、ドイツ人は英語がかなり堪能で(特にビジネスパーソン)、むしろ、我々日本人が自分の英語レベルを心配するべきレベルである。

*世界の英語能力ランキング*
ドイツは10位、日本は80位

もちろん、ドイツ人同士であれば、より込み入った議論やたわいのない話もしやすいのかもしれない。
ただ、英語であれば、お互い第二言語のため、相手を理解しよう、理解してもらおう、という気持ちが働き、率直でシンプルな表現を多用することになり、結果、相手が必要としているものや困っていることなどが、より明確になることがあると感じた。

そして、ビジネスの場では、

How you speak よりも、What you speak が何倍も重要

である。

結局、相手が求めているものを提供出来れば、どんなに稚拙な言葉遣いでも真剣に耳を傾けてくれる。
これは、現場で何度も体験したことで、これを常に念頭においてプレゼンや面談に臨んでいる。

この1年、自分がやりたいことにようやくチャレンジができるようになったことで、仕事の充実度、楽しさが駐在して以来最高の状態になっている。
ただ、今後は結果をしっかりと出していかなければならないので、一年の間に蒔いた種を確実に育て、大きな花を咲かせるべく日々頑張っていこうと思っている。

とても長い自己紹介、経歴振り返りとなったが、今後は私の海外での経験から得た教訓や普遍的に使えそうなヒント、また、英語を中心とした外国語でのビジネスコミュニケーションや非日系企業への営業活動、新規ビジネス開拓の方法について、などシェアしていきたいと思う。


おわり

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