ボカロ渋谷系のすすめ

どうも、半額(@HANGAKUnnbe)です。
昨今のニコニコ動画では「VOCAROCK」のタグや「vocajazz」のタグが一般化してきていますが、皆さんは「ボカロ渋谷系」というタグをご存知でしょうか。キラキラした雰囲気を纏ったポップ系の曲によくつけられています。
元となった「渋谷系」は東京都の渋谷を発祥として、90年代に絶大な人気を誇ったジャンルで、ネオ渋谷系やアキシブ系といった派生ジャンルも誕生しました。
それを合成音声にも合うように調整したのがボカロ渋谷系です。
そんなボカロ渋谷系なのですが

あまりにも再生数が少なすぎる!!!!!


90年代に流行った「時代遅れのジャンル」と呼ばれても仕方ないのですが、それにしても高いクオリティに対して再生数が圧倒的に足りていません。これは世の中のバグを直していかなければなりませんね。
ということで、少しでも再生数の足しになればと思い、何曲か紹介します。

※ボカロ渋谷系のタグが付けられた曲でも本来の渋谷系と少し違ったものもままあります。しかし、ハネてて楽器構成がそれっぽければ大体の投稿曲にvocajazzタグが付けれるように一種の新たな「ジャンル」としてお楽しみください。


1.JUST-ish

最初に紹介するのは秋は渋色さんの処女作『JUST-ish』です。秋は渋色さんを略すと「アキシブ」になるんですが、多分狙って「アキシブ系」とかけてて渋谷系を作り続けるという覚悟が伺えます(?)。この曲はフォロワーのツイートから知った曲なんですが、ボカロ渋谷系を好きになったきっかけにもなった曲です。めちゃくちゃ感謝してます。

小気味いいテンポを刻むドラム、伸びやかに歌うNo.7の調声、鮮やかな展開を描き出すコード進行、そしてなんといってもボカロ渋谷系の代名詞ともいえるキラキラ感、これらが初見のインパクトともに襲ってきたのです。もういちころですね。当時、忙しくてこの曲をリアルタイムで聴けていなかったのが非常に悔やまれます。そして、初見のインパクトもさながらめちゃくちゃ噛めば噛むほど味の出るスルメ曲でもあったんですよね。序盤で雰囲気作りに大いに貢献するため度々差し込まれる鉄琴やマリンバ、サビへの盛り上がりをより力強いものへと変えるウィンドチャイム、間奏からラスサビへの味を変えるスパイスとなるシンセ、全体の雰囲気が安定しながらも細かい部分にまで気を配られています。私は細部にメインには入らない楽器が差し色として機能している曲がすごい好きなんですよね。作者からの愛を感じるというか…そんなに細かいところまで気を配られた曲なのになんと再生数が


8222再生〜!?!?!?!?


世の中のバグ


世直しだと思って是非とも聞いてください………



2.フロマギア

VOCALOIDのみんなでカラオケに行くといった非常に愛らしい合成音声の動画を作るきさらさんの一曲です。最近ではリズム感重視の毒を吐くような曲によく使用されているv flowerですが、この曲のようにめちゃくちゃ可愛く歌わせることもできるのです。

ハナチャンカワイイヤッター!!


(可愛いflowerが気になった人は是非とも「かわいいハナうた」で調べてみましょう)

この曲では魔法少女になっている花ちゃんが見れます。そんな花ちゃんにぴったりなキラキラとした雰囲気と他では味わうことのできないv flowerの調声がこの曲の魅力です。この曲のイラストの衣装とぴったりの非常に可愛らしい声です。しかし、イントロやラスサビの展開と合わせた消えいってしまいそうな儚げな声も聴くことができます。このギャップがたまらなくてこの曲の花ちゃんの可愛らしさを倍増させています。そしてそこに乗っかってくるベースが奏でる進行がまた美しいんですよ。この曲のメインにもなっているコロコロしながらもキラキラした音たちとマッチしていて、そのパンチが花ちゃんをエスコートしているかのようです。是非とも愛らしい花ちゃんを聴いていただきたいです。



3.ストップ/モーション

ここまでボカロ渋谷系の曲調とも合ったサムネが続いてきましたが、ここで迫真の黒サムネ。ということで、黒サムネでも有名な西島尊大さんの一曲『ストップ/モーション』を紹介します。

西島尊大さんの曲としてこの曲をしばしば挙げるのですが、聴いてもらうと「西島さんってこんな曲調作れたの!?」と驚かれます。そうなんです。彼はこんなのも作れるんです。

この曲の魅力を一言で表すとすれば「怒涛の展開」と言えるでしょう。それほどにこの曲の展開は目を見張るものがあります。そして、驚くべきなのはその展開の仕方の多様さです。ピアノを主軸に展開していったり、シンセサイザーのピコピコ音を活かしてみたり、パーカッションよリズム感によって紡いでみたり、唐突にギターが出てきてギターソロを始めてみたりetc……
そして、その全てが曲の流れとして非常に鮮やかなものに仕上がっている。これは、西島さんのその手腕が如実に表れています。元々、ジャンルとして展開が多いもののよく使われる楽器構成的にワンパターンになりがちになってしまうのですが、そんな渋谷系の「弱点」と言える部分をこの曲のおもちゃ箱をひっくり返したかのような展開の数々は克服しています。絶対にあなたを飽きさせることがない、そう断言できるので是非とも聴いてみてください。



4.青色1号

次に紹介するのは、ヤマシロマシロさんの透明感が鼻の奥へと抜けていく『青色1号』です。「青色1号」とは青色の着色料の一つを指すらしいのですが、まるでその着色料で青色にしたかのような爽やかさがたまらない曲です。

特にこの曲で紹介したいのがイントロの引き込みです。この曲にグッと引き込まれるワクワク感はふわふわとしながらも演出される疾走感とボカロ渋谷系特有のキラキラとした音が組み合わさることによって作らられています。そこから一テンポ置いて解決することにより、曲全体にワクワク感を残しながらも次の展開を確固たるものに変えていくことができています。そこにスッと入る透明感の高いミクがこの曲のテーマにもなっている「青」を描き出していきます。

歌詞の言葉遊びとメロディラインの調和も美しくて、リズム感よくぽんぽんと繰り出されれる歌詞を毎度同じようなメロディラインで歌い上げることによってより印象に深く残っていきます。そのおかげである意味「テンプレからの脱却」になる間奏のソロやサビの盛り上がりが強調されて聴こえて来ます。イントロからワクワクが止まらないこの曲を是非とも聴いてみてください。



5.私のためのプレゲーラ

しっとりとしながらも盛り上がりが強く描かれるごーぶすさんの一曲です。あまり普段の曲調からはごーぶすさんが作るボカロ渋谷系は想像できませんが、しっかりとアイデンティティが残りながらもボカロ渋谷系の音作りがなされています。

ここで再生数を見てみましょう。



謎すぎる

5000再生行ってない…!?!?


ということで今回紹介する中で1番のバグです。


この曲はベースとドラムからなるリズム隊を主軸に展開されていきます。特にドラムの色とりどりの使い方によって常に曲に変化が生まれ続けるので、いつの間にか曲が終わっていたなんてことがしばしばあります。

また、このような曲調にあまり起用されないようなボーカルである歌愛ユキですが、か細いけれど強い意志があるかのような調声になっていて曲の歌詞にもぴったりです。ドラムに負けない主張になっているものの我が強すぎることもなくのひのびと歌っているので非常に心地よいです。世の中のデバッグだと思って聴いてみてください!!



ということで、ボカロ渋谷系の曲を5曲ほど紹介してきました。これで少しでも曲の知名度が上がればな…と思います。
また書きたくなったら続編ができるかもしれません。
それでは〜

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