読者の声が励ましになる
先日、西多摩新聞社から一本のメールをいただいた。
オールカラーガイド本を、千人同心を先祖に持つ方が購入に訪れたという。
「小説の上巻は持っているので、下巻がでるのを楽しみにしている」
ということで、なんともコアな読者だと感激しました。
どことは申しませんが、学校の先生が
「千人同心は武家奉公人」
と教えていることを知って、たいへん残念なご様子だったそうです。
そういう読者に、やはり物書きはペテン師だなと怒られないようにしなければと、内心強張りました。事実と結果を結び付ける部分は創意創作だから、ペテン師に片足突っ込んでいるようなものですから……ああ、因果なこと。
井上源三郎資料館には、もうオールカラーガイド本がないんです。上巻も残りわずか。
下巻、急がねば……。
ところで、以前に触れましたが、オムニバス作品「千人同心がゆく」は、エピソードてんこ盛り過ぎて、作者選から半数以上洩れるんですよね。
洩れたエピソードも、泣く泣く落としたものが多い。
勿体ないお化けに魘されています。。。
とまれ、書き物の人の背中を押して、胸を熱くしてくれるのは、お会いしたことのない読者の、忖度のない素直な言葉だけだと思います。