嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~十七の歌~
《天命記 Ⅱ》 原作:在原業平朝臣
あんた、神さんのことを信じてる?
ウチは信じてる。昨日の夢かてそうや。
紅い糸が小指にカラんでた夢。
くぐり水の先、川向こうに立った人影、誰かが見えた。あんたやろか?
そう思たら目が覚めて……。
かんにんな、変な夢見て。
(注) 紅い糸の伝説=中国,唐の物語。くぐり水=伏流水。
定家 「綺麗な夢やね。紅い糸、くぐり水の色は青、黒い人影、それは神さんが運んできた恋の一コマやろ」
蓮生 「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは。天命に生きる人は何も怖ないな」
定家 「蓮生はんはどないや?」
蓮生 「怖いもんだらけや! ははは!!」
定家 「そらそうやろな」
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