４ヶ月に１度のペースで、初恋の人が夢にやってくる

なぜ、彼はいつも忘れた頃に現れるのだろうか。
中学のときに恋焦がれていた一つ上の先輩が、定期的に夢に現れる。ペースとしては４ヶ月に１度。定期購入している、我が家の浄水器のカートリッジの配達ペースとほぼ同じである。
かつて、超恋愛体質だった私は人並み以上に恋をしてきたつもりだ。ただ、定期的に夢にでてくるのはその先輩だけ。内容は、なぜか一緒に住んでいたり、見事にフラれていたり、逆にこちらが弄んでいたり、クソしょーもないものばかり。

『あのね。わたし、もうあと何年かで４０になるんですわ。ぎっくり腰と腎結石という爆弾を抱えながら生きてるんですわ。中学の頃の記憶なんざ、もはや ”忘れた” 通り越して ”知らない” んですわ。それなのになぜ？？』
と、毎度こんな不思議な夢をつくりだす己の脳幹部分に問いたい。

そして、もう一つ不思議なことがある。
彼の夢を見た数日間は、彼との思い出の曲（GLAYのWay of Difference）をたまたま耳にしたり、グループデートをした河川敷がたまたまテレビに映ったりが多々ある。令和にGLAYが流れたらただでさえ上がるのに、まさかのWay of Difference。
そうなると『やっぱり運命…？』という錯覚に陥り、恋煩いっぽい症状まで現れて食欲がなくなるような気がする。（あくまで気がするだけ）

一度、知恵袋で検索してみたことがあった。
そこで『何度も同じ人が夢にでてくるのは、相手も自分を思っているから 』と答えている人がいた。
もしそれが本当なら、わたしの中学のころのジャージ姿が忘れられないということだろうか。もしくは、わたしの剣道着から放たれる劇薬のような香りが忘れられないのだろうか。どちらにしてもキツイ。

が、その心配はいらないだろう。だってあちらさんが私を思い出すなんて、神に誓ってない。彼をSNSで徹底的に調べ上げた限り（やめろ）人の命を救う職に就いているらしかった。大成功の中の大成功の男になっていたのだ。

はたして、わたしは一体何歳まで彼の夢を見続けるのだろうか。運良くはいれた老人ホームのベッドの上で彼の夢をみて、天井をみつめながらセンチメンタルな気持ちになるのだろうか。
また、もし彼とどこかのタイミングでばったり再会して、心底軽蔑するようなことがあったら、もう二度と夢にはでてこないのだろうか。てゆーか、そもそも彼の夢に、わたしは出演したことがあるのだろうか。

こんなこと書いてたら、また今夜も夢にでてきてしまうかもしれない。初恋おそるべし。