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一首感想

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一首評というのもおこがましく、ただただ好きな短歌について話したいと思っています。
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#心がめあて

一首感想『ライターのどこかに炎は隠されて君は何回でも見つけ出す』

この本の前後の文脈からおそらく恋愛の歌なんだろうと思う。それも少し冷められているのか、都合良く扱われてしまっているのか。タバコを吸う彼がライターをつけるような情景が思い浮かぶ。彼がライターの火をつける仕草は手慣れていて、普段からライターを使っていることが伺える。

ライターが何の比喩なのかを考えつつ妄想する。
私の心であるならば、君は、君のどこが好きなんだろうと思うような私の冷めた心の奥に眠る君を

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一首感想『ブランコの鎖に春の体温が残されていて、繋いでもいい?』

ブランコが好きなこともあり、なんとなく雰囲気が好きだと思った。
鈴木晴香さんの短歌は、なんとなく肌感覚で好きで、そこから意味考え始めて、理解すると共感がすごいなと思うことが多い。芸術は肌馴染みが大事だと思っていて、歌は解釈ができればできるほど好きになるタイプなので、鈴木晴香の短歌がすごく好き。

『繋いでもいい?』は「」で括られた会話文じゃなくて地の文で書かれているので、おそらく主体の言葉だろうと

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