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ギャグ漫画風コント「サイコパスホイホイ」

とある高校の昼休み。


ヒロシ
「トオルー!見てくれよ」
「ついに念願のアイテムを手に入れたんだよ!」

トオル
「なんだよ、念願のアイテムって」

ヒロシ
「じゃじゃーん!サイコパスホイホイ!」

トオル
「サ、サイコパスホイホイ?」

ヒロシ
「早い話がゴキブリホイホイのサイコパス版!」

トオル
「怖っ!なんちゅーもんを念願のアイテムとして認識してんだよ」
「そんなのホイホイすんなよ」

ヒロシ
「いや、世の中に潜んでるサイコパスを一網打尽にしたいじゃん。そういうニーズに応えた素晴らしいアイテムなんだよこれは」

トオル
「その考え方も充分サイコパスだぞ」

ヒロシ
「とりあえず放課後教室に仕掛けるから、トオルも一緒に居てくれ!」

トオル
「えー。なんか気が重いなあ」



そして放課後。



ヒロシ
「どんな奴が来るかなあ」わくわく
「楽しみだなあ、なあトオル」

トオル
「いやいや。正直こんなんでサイコパスなんか集まってこないだろ」来ても困るけど
「どういう科学的根拠があんだよ、このアイテムにさ」

ヒロシ
「サイコパスが大好きな匂いがするらしいよ」
マングースのケツの穴みたいな

トオル
「マ、マングースのケツの穴?!どんな匂いだよ!!」
「なんか分からんがサイコパスだなー」


そんなやり取りをする中、誰かが教室にやって来た。


ヒロシ
「来た来た!さあ誰だ!」


教室に入って来たのは、美術部の顧問の田中先生だった。若くて美人で男子から人気の高い先生だった。


トオル
「田中先生、どうかしたんですか?」
「オレらの教室に何か用ですか?」

田中
「何かこの教室からマングースのケツの穴みたいな匂いがしたから」

トオル
「さっそくサイコパス来ちゃったよ!」

ヒロシ
「ほ、本物のサイコパスだー!」わーい

田中
「サイコパス?何のことかしら」


ヒロシは田中先生にサイコパスホイホイについて説明をした。


田中
「あまり気分の良いものじゃないわね」
「サイコパス扱いをされるっていうのは」

ヒロシ
「では、さっそくなんですが、なんか自分がサイコパスだなあっていうエピソードあります?」

トオル
「おいおい失礼だろ、先生あんま乗り気じゃないぞ」

田中
「3年くらい前に、近所の公園で迷子になってる子供が泣いていたんだけど」

「『もう泣かないで。大丈夫だから。あなたのお母さんがあっちの方で必死に探してたわよ』
って声掛けてあげたことがあったの」

そんなお母さんなんて居なかったのに

「あれは我ながらサイコパスだったわ」笑顔

トオル
「怖っ!よくそれで学校の先生目指したな!」

ヒロシ
「まあ美術部顧問で若くて美人で男子から人気の高い奴なんて大体サイコパスだろ!」

トオル
「すんごい失礼な暴論!」結果そうだったけど


そんな話をしていると担任の先生が来た。


担任
「何してるんだ。もう遅いから帰りなさい」

担任に教室から追い出される2人。

ヒロシ
「無事にサイコパス見つけたし今日は帰るか」

トオル
「もうサイコパスホイホイ仕掛けるのやめとけよ、碌なことないぞ」

学校から出ようとする2人。

ヒロシ
「あっやべえ!サイコパスホイホイ仕掛けたまま教室に忘れて来た」
「取ってくるわ、先に帰っててくれ」

トオル
「わかった。サイコパスに気を付けろよー」

ヒロシ
「いざとなったら、棒状の何かで複数回思いっきり頭部を叩くから大丈夫!」

トオル
「いやいや、やめとけ!何も悪いことしてないサイコパスを駆逐しようとするな!」

教室に戻るヒロシ。
何やら人影がある模様。

ヒロシ
「あれ?誰かいる?」
「やべーサイコパスが集まってるかも、怖い」

勇気を出して扉を開けて教室に入るヒロシ。

ヒロシ
「誰だ!棒状の何かで叩くぞ!」ガラガラッ

井上
「うわっ!ビックリした!」
「オレだよ、同じクラスの井上だよ」

ヒロシ
「井上?なんだよ、脅かすなよ」
「いやー実は教室に忘れ物しちゃってさ」

井上
「そうなんだ」

ヒロシ
「サイコパスホイホイ仕掛けたまま置いて帰っちゃってさ」

井上
「なんじゃそりゃ。変わった忘れ物してんな」

ヒロシ
「あれ?サイコパスホイホイ無いぞ」
「おかしいな、ここら辺に仕掛けたはずなのになあ」
「先生に持ってかれちまったのかな」

井上
「そういえば、さっき先生が何か回収してるの見掛けたぞ」
「マングースのケツの穴みたいな匂いしてたし、多分そうだろ」

ヒロシ
「そっか、じゃあ明日先生に返してもらいにいかなきゃな」
「ありがとな。それじゃあ、また明日な!」

井上
「おう、また明日な」


2人はそれぞれ帰って行った。

そして、翌日の朝。登校中。

ヒロシ
「おはよう!トオル」

トオル
「おう。昨日は忘れ物取りに行ってサイコパスに会わなかったか?」

ヒロシ
「サイコパスには会わなかっよ」
「同じクラスの井上には会ったけど」
「つーかサイコパスホイホイ、先生に回収されちゃってたみたいだよ」

トオル
「はっ?何言ってんだお前」

ヒロシ
「いや、サイコパスホイホイが仕掛けた場所になくてさ」

トオル
「いや、そうじゃなくて」

ウチのクラスに井上なんていないだろ?


おわり

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