難しい定期テストを受け続けた生徒たちが、「やっても無駄だ」と諦めて勉強しなくなってしまった話
定期テスト(社会)の平均点が30~40点の中学校がありました。
5~6年前の話です。
ある学年の定期テスト(社会)の平均点が、30~40点の中学校がありました。
テストが難しかった理由は、
授業のスピードがとても速かったこと。
社会だけ、学校配布の教科書準拠問題集が無く、先生がオリジナル問題を採用しやすかった。
(2. に関連して)教科書に載っていないマニアックな内容(学校の授業では扱っている)が出題されていたこと。
この3つです。
当時私が見ていたある優秀な生徒(Aさん)も、国語・数学・理科・英語は90点台、社会だけ60点台という有様でした。
Aさんは社会が大嫌いになっていました。
社会の平均だけあまりに低かったため、保護者会で話題になったこともあったようです。
担当の先生は、「ちゃんと勉強すればできると思うのですが…」と答えていたそうです。
これを聞いた私は、同僚たちと「じゃあ、教え方が悪いってことなんじゃないの?」と話をしていました。
私たちはその授業を受けたことが無いので、本当のところはわかりません。
しかし、保護者会に出席した人たちの中で、同じように感じていた人はきっといたと思います。
模試の平均点も社会だけ悪い
その平均点の低い社会の定期テストを受けていた生徒たち。
県内の生徒たちを対象とした模擬試験ではどうだったか。
定期テストよりも模試のほうが簡単で、高得点を取ることができた…なんてことはなく、模試でも点数が悪かったのです。
少し考えてみればわかることですよね。
スポーツか何かで、自分よりちょっと強い相手と戦うのであれば、対策を考え、がんばって練習して勝とうと努力できるでしょう。
明らかに格上の相手の場合、例えば、普通の中学生が全国レベルの相手と戦ったり、高校生と戦うのであれば、やる前から勝つことを諦めるでしょう。
これがずっと続けば、どちらのほうが力をつけることができるかは明白です。
普段、平均点の低い社会の定期テストを受けていた生徒たちは、「勉強しても無駄だ」と、もう社会を勉強しないようになっていて、他校の生徒たちに劣るようになっていたのです。
「〇〇中学の社会のテストは難しいから、これができていなくても大丈夫だよ。」と、我々塾講師が言ったくらいでは、モチベーションの低下を防ぐことはできなくなっていました。
基礎基本の習得が一番大切
入試対策として何が効果的なのか。
知り合いの塾長さんたちと話をしていると、たいていは「基礎基本の習得が一番大切」という話になります。
入試直前の冬期講習などで、1問1答のような簡単な問題集をとにかく反復練習させ、基本的なことを覚えさせて偏差値を上げている塾が多いです。
1問1答のような簡単な問題集の場合、「やればできる」ので、生徒たちも前向きに取り組んでくれます。
人間は機械ではありません。
ましてや私たちが相手にしているのは中学生です。
指導していくうえで、モチベーションのような、気持ちの作用を無視してはいけないのだと思います。
低すぎる平均点の件から、強く感じました。
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