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塾で英単語や漢字を覚えさせるべきか。求められることを無視して、正論をかざしてもしょうがないという話

私は中学生メインの塾を経営しています。
ただ、私は中学生のとき、塾には通っていませんでした。
浪人時代に予備校に1年間だけ通っていました。
これが私の唯一の通塾経験です。

私の通っていた予備校では、1コマ90分の授業で、ずっと先生が解説をしていました。
授業中は先生の解説を聞いて理解するように努め、授業後は自習室に残って演習。
予備校に通う中で私は、「塾とはこういうものだ」と思っていました。

私が塾に勤め出して最初のころ、「問題を解くのこと1人でやれる。授業では、授業でしかできないことをやろう。」と、自分の経験をもとに考え、なるべく解説をするようにしていました。
でも、何やら様子が違います。

生徒たちは聞いているだけで満足し、全然問題演習をしない!

そりゃあそうですよね。
私の塾の基準は「浪人時代に通った予備校」だったのですが、普通の中学生が、大学受験を一度経験している浪人生と同じように勉強に取り組めるはずがありません。

徐々に私は、塾の授業の中に、演習時間を増やしていきました。
「お金がもったいないなあ」と思っていたのですが、どうやらこれも違うようでした。

「『問題を解くことは家でもやれる』ってところが間違っていたんだ。塾の授業中に問題を解かせることは、もったいないように思えて実は、家で1人ではできないことをやらせているんだ。」

私はこれを理解してから、いかにして生徒たちに勉強をさせるかということに力を入れるようにしていきました。
解説の時間とは別枠で演習の時間を設けたり、授業の無い日に呼び出して勉強させたり。
そして今は、生徒が全員一辺に塾に来ても勉強できるだけの座席を用意して塾を経営しています。

今では、漢字や英単語の暗記といった、単に丸暗記するだけのことも塾でやらせています。
丸暗記に関して、私が教えるようなことはありません。
ダラダラやることを防止するために、小テストをしたり、タイマーで時間を決めて覚えさせるようなことはしていますが、丸暗記に解説はいりません。
これこそ、1人で家でやってくれればいいことなんですが、そう思っていても全然やらない生徒が多いので、今は塾でやらせています。

学習塾は教育ではなく、サービスの一環です。
商売なわけですから、求められることをやっていかないといけないな。
そう考えてやっています。

「家でちっとも勉強しないから」という理由で我が子を入塾させる方、結構いますからね。
これでいいんじゃないかと思って塾をやっています。

※一部の優秀な生徒は、家でちゃんと演習しています。一方で、家で演習できない高校生もいます。塾でガンガン演習させるかどうかは結局、その生徒次第ですね。

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