うずまき

ぼうと向こうをながめて
風にさわる

膝をついて
乾いた土に爪を立て
探す

見つけたのは未熟なかたつむりの殻
そう
去年も私は生きていた

このかたつむりも
わたしも
同時に存在していたのだろう

透明ないのちを顧みなかった
しらなかったから

なんて贅沢な
悲しみなんて
まるで本当のことを知っているような
そんな勘違い

風をさわる
もう 探さない


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