フォローしませんか?
シェア
青山風游(あおやまふゆ)
2024年2月27日 09:25
はじかれた手を所在なさそうに持て余すと、りんは床に落ちた肉を拾って銀次郎の皿に戻し、また二人の中間に座った。 「俺は食わねぇからな。」銀次郎が言うと亜季は 「なんなの、大人げないわね。」と言う。 「りんが食べるの手伝ってあげる。」りんが銀次郎に言う。りんの食べ残しを、いつも銀次郎が「手伝って」食べてやるのだ。 「いいわよ、ママが食べるから。」 「いいじゃねぇか、ばっちり柔らかくな
2024年2月27日 08:55
「お前が馬鹿だからまともに学校にも通えない馬鹿ガキに育つんだ」 銀次郎は持っていた箸の一本を絶妙なコントロールで投げた。箸は亜季の顔の横を高速で飛んで、襖に当たって落ちた。亜季の背後にいたりんがそっとそれを拾う。 りんの入学祝に買ったランドセルが、ほとんど使われることなく半年が過ぎようとしていた。 「お絵かきだか何だか知らねえけど、だからお前や、お前のご実家連中みてえなお偉い文化人様はど