日本を取り戻すチャンスだ

日本を取り戻すチャンスだ
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」236/通算667 2023(令和5)年10/25/水】22日の午前3時に尿意を催して夢から覚めた。何やらとてもユニークな夢だったのでメモしておいた。こんな内容。

<歴史が「過去の出来事になる」のは長い年月を経てからだ。「真実」は永遠にやぶの中になることもある。「実はあの事件は・・・」と何十年後には体験者が話し出すこともあるが、それが真実でも概ね無視されるのが普通だ。国家は国史には「不都合な真実」は書かない。それは健康と言えば健康だが、結果的に「過ちから学ぶ」ことが少なく、同じ過ちを繰り返すことになるのではないか。

1971年11月14日、中核派は三里塚空港(今の成田空港)建設反対闘争と沖縄(米軍基地付き)返還交渉反対闘争を「一か八かの共産革命のチャンス」ととらえて乾坤一擲の「渋谷暴動」を起こした。同年9月の三里塚闘争(天浪団結小屋攻防戦)で捕縛されていた小生は独房の中で革命の成功を祈っていたが、渋谷で暴れた同年輩のメンバーの大坂正明は機動隊員を殺した容疑で50年近く逃げ回った末に2017年に逮捕され、2023年10月19日、検察側は「民主主義を暴力で破壊しようとした犯行で、反社会的で極めて悪質。他に類を見ない残虐で非道なリンチ殺人だ」として無期懲役を求刑した。俺も現場にいたら大坂と同じ人生を歩んだかもしれない・・・>(以上)

なぜ、こういう夢を見たのか? ユダヤ教イスラエル vs イスラム教過激派ハマスの激突が睡眠中も気になっていたのだろう。上記の「渋谷暴動」は数日もしないうちにマスコミから総スカンを食った。都会のど真ん中で警備の機動隊員を惨殺すれば「左巻きの愛読紙」である朝日新聞だって非難する。独房の小生もやがてレーニン&トロツキーによるウクライナ独立阻止の蛮行を記した「知られざる革命―クロンシュタット反乱とマフノ運動」などを読むうちに「共産主義=強権独裁」と思うようになった。いわゆる「転向」。中核派幹部から「腐敗分子」と罵倒され絶縁された時は悲しかった。

それにしてもロシアは100年経ってもレーニンからスターリン、プーチンに代わっただけで相変わらずウクライナ侵略に余念がない。プーチンの夢は「偉大なるソ連邦の復活」だ。アカは国民・国家、世界の利益よりも利己、自己保身を最優先するから、国民や近隣国はたまったものではない。暴力団に国家を乗っ取られたようなもので、国民はYESと言うか沈黙するしかない。内政も外交も言行不一致は日常茶飯事、まともに受け取るとひどい目に遭う。ロシアや中国はそういう国柄だとようやく国際社会は気付き始めたようだが・・・危機になってからでは遅過ぎだ! 

イスラエルのユダヤ人の多くは「二度と亡国の民にはならない、絶対負けない、大きな犠牲があっても国を死守する!」という気概がある。今回の衝突で銃を買う人が急増しているという。
一方で強権独裁のハマスはずっと以前からガザの民を盾、人質のように扱っており、自分たちハマス以外はまるで家畜か敵という認識のよう。共産主義=強権独裁とそっくりだ。そもそもハマスとは何者か。

<ハマスは1980年代の第1次インティファーダ(パレスチナ vs イスラエルの非暴力的衝突)時代に、アラファト議長が指揮するパレスチナ解放機構 (PLO) の影響力を排除した「民衆レベルでの対イスラエル抵抗組織」として設立された。
ハマスとPLOの対立関係を見たイスラエル政府は、ハマスがPLOに対抗する勢力となることを期待して秘密裏に援助を行っていた。ハマスは教育、医療、福祉などの分野で一般民衆への地道な活動を続けたため、パレスチナ人の間で支持が拡大していった。

1990年代にPLOがイスラエルとの和平交渉を開始すると、ハマスはこれに強く反対し、対イスラエル強硬派の支持を得た。2000年9月の第2次インティファーダが開始されると、ハマスは自爆攻撃やロケット弾を用いてイスラエル国防軍へ攻撃を開始した・・・

2023年パレスチナ・イスラエル戦争は10月7日、パレスチナのガザ地区を支配するハマスによるイスラエルへの攻撃によって勃発したが、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治政府は関与をしていない。この戦争で第四次中東戦争以来の死者数を出したイスラエルは8日、正式にハマスに対し宣戦布告をし、戦時内閣を発足させている>(WIKI)

当初の報道では、世界最強の諜報能力を持つイスラエルでさえハマスの大規模な電撃攻撃は「想定外だった」とされていたが、かなり怪しい感じがする。「日本を挑発して最初の攻撃をさせ、第2次大戦に挙国一致で参戦する」・・・米国民主党は1941年の「真珠湾の罠」という“前科”がある。同党のみならず共和党も現在、ユダヤ系米国人=イスラエル支持の影響力を受けている。読売2023/10/22 「米大統領選、共和党候補は親イスラエル…ユダヤ系・福音派票を狙う」によると――

<大統領選の有力候補たちが親イスラエルの姿勢を懸命にアピールするのは票の獲得に直結するからだ。ユダヤ系(米国人)は民主党支持者が多く、米民間調査機関ピューリサーチセンターによると支持者は7割に上るとの調査がある。

資金の獲得にも影響する。ユダヤ系は大口献金者が多く、親イスラエル・ロビー団体の活動も活発だ。有力ユダヤ系団体「米イスラエル広報委員会(AIPAC)」は、イスラエルに対するハマスの攻撃を受け、ホームページで「今停戦すれば、イスラエルが侵略者として描かれ、ハマスが(パレスチナ自治区)ガザを支配し続けることを許すことになる」と訴える。

同団体の広報は、米紙ワシントンポストの取材に対し、「ハマスの攻撃からわずか2日間で、民主、共和両党議員の95%がイスラエルに連帯する声明を出した」と説明し、米政界に対して及ぼす影響力を誇示した>(以上抜粋)

ハマスは2023年版「真珠湾の罠」にはまったような・・・そのうち色々な報道がされるだろうが、自国にとって不都合な機密文書は永遠に封印されるから真実は分からないだろう。重大事に際しては「悪魔のように細心に準備して一気呵成に事を進め、その後は沈黙する」・・・国政を担う政治家や官僚はそれが常識のようだ。

千葉県三里塚に話を戻す。三里塚に巨大空港を造るという計画は地元農家の反発を恐れてこっそりと進められた。1960年頃から「羽田空港は満杯だから首都圏に新空港を造らなければならない」という論が出始めたのは理解できるが、大規模プロジェクトは政治家、官僚、関係業界にとってカネ儲けや利権の絶好のチャンスである。すったもんだの末に千葉県の北総台地の農業地帯「富里・八街の地区」が最有力候補になったが、地元に打診すると猛烈な反対運動が起きて撤回せざるを得なくなった。

それに懲りた政府や政治家、官僚は、ある日突然「三里塚の地区は広大な御料牧場、国有地、県有地と複数のゴルフ場があり、戦後に農地が開拓された所が多く、農地への執着が薄いだろうから買収は上手くいくのではないか」となった。大坪景章・東京新聞千葉支局編「ドキュメント 成田空港」(1978年)によると、「三里塚案の主役は運輸事務次官の若狭得治(後に全日空会長)と友納武人千葉県知事。二人は同年齢で共に東大出だった」。「反対運動が起きるとコトだから内密に進めるべし」と箝口令が敷かれたという。

三里塚と隣接する芝山は、知らぬ間に新空港の最有力候補地になり、ある日突然、計画が示された。つんぼ桟敷だった成田市長は1966年7月、住民への説明会を開いたが、市長自身も友納知事から簡単なレクチャーを受けただけで何も知らないのだから説明にならず、要は住民の不信感、不安、怒りをつのらせただけで、それ以降には説明会もなかった。

当時、民間空港というのは「地元が国にお願いして造ってもらうもの」だったらしい。政治家や若狭、友納も根底には「大空港ができれば地元も雇用が増えるし、立ち退き保障でカネも入るのだから、歓迎されて然るべきで、文句を言われる筋合いはない」という思いがあったのだろう。今から見れば「上から目線の尊大、傲慢、とんでもない輩」と大反発をくらうが、当時はそれがまかり通っていたようだ。

ところが三里塚の農民は、農地への愛着がすこぶる強かった。彼らの多くは、日本が清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀を担いで中国東北地方に建国した「満洲国」で暮らしていたが、1945年の敗戦でロシア軍に追われ命からがら日本に逃げ帰った人々多いという。(小生の伯母さん夫婦はハルビンで写真館を営んでいたが、帰国後は目黒でカメラ店を再開した。避難の苦労話を聞いておけば良かった)

どうにか日本に帰国しても働く場所はない。政府や千葉県、市町村は三里塚や芝山の森林を提供して「ここを切り開いて農地を作れ」と指示したようで、艱難辛苦の末に1960年頃には開拓が終わって日本有数の農村にまでなった。そこに「日本の表玄関を造るから出て行ってくれ、代替地など補償はする」と・・・まるで誠実な説明もなく「民は由らしむべし、知らしむべからず」、説明したって分かりはしないのだから「お前らは従えばいいのだ」という傲慢不遜な対応だったろう。

いわゆる「ボタンの掛け違い」・・・開拓農民中心の住民は「断固反対」となり、ガチンコの紛争になってしまった。未だにくすぶっているが、それ以降の大型空港建設は海上になったこと、また羽田空港の拡張も東京湾の埋め立てが検討されているとか。東京湾の埋め立てで需要拡大に備えるという論は1960年頃にもあったのだが、いつの間にか消えてしまった。「埋め立てでは儲からない、北総台地にドーンとでっかい空港を造りましょう」・・・この手の人は今は「でっかい競技場、カジノ付きリゾート、見本市会場を造りましょう」などと唱えているのだろう。カネ儲けはほどほどが良いと思うが、銭ゲバは死なず、か?

「我にも正義、彼にも正義、この世は正義と正義のぶつかり合い」で、紛争に宗教が絡むと「妥協」が難しいからろくなことにならない。戦乱期に国家が生き延びる肝は軍事力強化は当然だが、「国民の結束、秩序」だとマキャベリは言う。自由民主はあった方がマシだが、だからと言って戦争に勝てるわけではない、何よりも団結が大事だと。

ハマスが乗っ取ったガザ地区の先住民はまるで人質だ。ユダヤ系米国人の戦略家、エドワード・ルトワック氏は産経10/18でこう分析している。
<イスラエルが地上作戦を含む大規模な報復を決断したのは、ハマスが二度とこうした常軌を逸した行動をできないよう、武器貯蔵庫やロケット弾なのどの製造施設、通信機能を徹底的に破壊するのが目的だ。地上作戦が実施されれば少なくとも数週間は続くだろう。

ただ、ガザ地区に潜伏するハマス幹部を全て拘束または殺害するのは非常に難しいし、ハマスの完全殲滅を目指すのは現実的ではない。作戦の長期化を避けるためにも、幹部の追跡は二次的な作戦になると思われる。

イランが今回の攻撃でハマスを直接支援していたてゃ思わない。仮にそうだったとしても、イスラエルが直ちにイランと戦端を開くことはない。ハマスと決着をつけることが先決だからだ。

イランは核開発を加速化させ、核兵器製造に必要な高濃縮ウランを獲得する一歩手前まで来ている。イスラエルはその阻止に向け将来、軍事行動に踏み切るのは必至とみられる。中東で戦いの火種が尽きることはない>(以上)

開戦→勝者による新秩序→敗者による不満→開戦→勝者による新秩序・・・永遠の平和も永遠の戦争もない。歴史はその繰り返しだ。第3次世界大戦は日本が日本を取り戻す好機でもある。敗者復活、普通の国なろう!
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