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英語は楽し! 第5弾「ダイヤモンド」


Ⅰ 妻と私とダイヤモンド


  最も愛される宝石ダイヤモンド。その美しさと気品の高さがそうさせているのでしょうね。結婚60周年を「ダイヤモンド婚」と言いますが、固くかたく結ばれた夫婦を称賛するためにダイヤモンドが登場するほどです。
 ところで日本には「婚約指輪は、男性はその時の月収の3倍のものを贈るべし」という「習わし(?)」が古くからあります。おそらく宝石会社が販売促進のために考え付いた根拠のない「習わし」だとは思いますが、私はこれに従い、妻に当時の月給の3倍のダイヤを贈りました。婚約指輪にありがちな、ダイヤが3、4本の留め爪に抱かれている形体のものです。購入前にダイヤモンドについてたくさん調べましたよ。妻に喜んでほしいがために頑張りましたね。お店の店員に、「お客さん、ダイヤモンドのことをよくご存じですね」と言われたことを今もよく覚えています。
但し、彼女がその指輪をしている姿はほとんど記憶にありません。今も自宅の雑多に積まれた雑誌や小物置き場のどこかで静かにスヤスヤ眠っているはずです。
  数年前、突然妻が「誕生日プレゼントに何か買ってよ!」いと言い出しました。それで宝石店へ行きました。するとそこの女性店員が次々にダイヤのネックレスを持ってくるのでした。実はこの年、私たち夫婦は結婚30周年目という大きな節目にあったのです。店員はそれを妻との会話から知り、この時とばかり高価な物ばかりを持ってきたのでした。「ええっ!」と私はおびえているばかりでした。そしてATMへ足を運ぶのでした。戻って来てみると、店員はさらに高価な商品を妻に勧めていました。それで私は再びATMへ行きました。店に戻りました。そして3度目のATM通いをしました。結局妻に買ってあげたのは21万円のダイヤのネックレスでした。完全に想定外の出費でした。どっと疲れと喪失感が私を襲いました。しかしそんな中でも私はある心強いことに気が付き、ほっとしたのでした。「この21万円のプレゼントであと20年、30年面倒見てもらえるなら、むちゃくちゃ安い買い物やないかい!」と。
但し、彼女がそのネックレスをしている姿はほとんど記憶にありません。今も自宅の雑多に積まれた雑誌や小物置き場のどこかで静かにスヤスヤ眠っているはずです。
  ところで北九州のあるダイヤモンド店に、「安値で勝負!」みたいな看板を掲げてると珍しくねだってきました。無視するつもりだったのですが、その誕生日がやってくると無視しておくことが怖くなって、つい「じゃ、何か買ってやるから出かけよう」と近くの大型スーパーに連れ出したところ、「ネックレス」が欲しところがあるのですが、私はそれを見るといつも首をかしげたくなります。ダイヤを安値で売ったりディスカウント風に売ってしまったら、それこそダイヤの価値を下げることになりはしないかと思うからです。ダイヤモンドの魅力のうちの一つは高価であることだと思います。ダイヤモンドは安売りしないからこそ初めてキラキラ輝きを放つのではないでしょうか。
 

Ⅱ 「5つ目の C」


 さて、本論に入ります。ダイヤモンドの価値を決めるのは「4つの C」と言われます。
 まず、「カラット」です。 carat(キャラット) と綴られます。これはダイヤモンドの重さを表す単位です。カラットは大きさを表す単位と思っている人も多いかと思われますが、これは「重さ」です。重いほどにダイヤの価値は上がります。
 2つ目は「クラリティ」です。 clarity(クラリティ) と書かれます。これはダイヤの「透明度」のことです。ダイヤは透明度が高いほど値が付きます。透明度が高いとは、ダイヤ内部がどれだけ気泡などによって濁っていないかです。すなわち、内部に気泡や不純物などが入っていては値が下がります。最高のダイヤモンドは「フローレスflawless」 と呼ばれます。意味は「全く文句のつけようがない」です。 市場にはほとんど出てこないほど貴重な品だそうです。 略して FLと表記されます。
 そして3つ目が「カラー 」colorです。もちろん「色」です。無色透明に近ければ近いほど価値が上がります。逆に黄色に近くなるほど値が下がるようになっています。
  4つ目は「カット」、 cut です。これは熟練の職人のみができる「研磨」術です。そしてダイヤの価値を高めるために唯一人間が関わる分野です。ダイヤの輝きを最高レベルで引き出すことができるかどうかは、この研磨、「カット」にかかっています。婚約指輪で活躍するカッティング方法はブリリアントカットと呼ばれます。ブリリアントとは brilliant(ブリリアント)、「ぴかぴか光り輝く」という意味です。優れた職人は57面、58面のカットをあのダイヤに削り入れるのだそうです。そしてこのカットは職人の腕前で決まりますので、仕上がったときに当然、等級が出てきます。優れたカット順に、Excellent(エクセレント 特優)、Very good(優)、 Good(良)、 Fair(フェア 可)、 Poor(プア 並)となっています。
 さて、次にあげるのはあまり話題にならない C です。私はこれを「5つ目の C」と呼んでいます。それは「certificateサーティフィキット」です。これは「鑑定書」のことです。どういうわけかこの5つ目の C はなかなか話題になりません。この C だけが他4つの C とは発音が異なるからでしょうか。しかしある意味で、最も大事な C なのです。
私は英検1級を持っていますが、家に今でもその合格証明書が飾られています。だから私は公式の書類にいつでも「英検1級取得」と書き込むことができます。合格証明書があるからです。もしこれがなければ私は公式には英検1級取得者として見なされません。ただ口でそう吹聴しているのと同じですから。嘘をついているのと同じです。その証明書は Certificate という大きな文字で始まっています。 
ダイヤモンドも同じです。プロの鑑定士が「これは間違いなく正真正銘の等級〇〇クラスのダイヤです」とお墨付きを付けるのがこの鑑定書です。だって、このお墨付きがなければ、その辺に落ちていた石ころを「これはダイヤです」と決めつけることができるではないですか。すなわちどんなダイヤも鑑定士の鑑定書がなければただの石ころと同じです。
以上、ダイヤモンドの価値を決める「5つの C」について述べてきました。男性も女性もダイヤモンドを買う際は、ぜひこの5つの C について慎重になってください。
 

Ⅲ ダイヤモンドに関連するフレーズ


最後にダイヤモンドに関わるフレーズを紹介します。
diamond in the rough(ダイアモンド・イン・ザ・ラフ)
 rough は「荒地」という意味で、直訳は「荒地の中にあるダイヤモンド」です。「粗削りだが、無限の可能性と素質を持つ人」「磨けば光る人」という意味です。なるほど、ですね。
diamond cut diamond 
 ダイヤモンドはもっとも硬い鉱物として知られています。この性質を指す表現です。直訳は「ダイヤでダイヤを切る」。つまり、「どちらも強敵で勝負がつかない」「互角の勝負」という意味で使われます。
diamond of the first water 
  water は「水」ではなく、「品質」という意味です。ダイヤモンドのクラリティ(透明度)は、「水」のように透明な品質のものが等級が高いという判定基準から、 water に「品質」という意味が生まれたのです。従って the first water で「第一級品質の」という意味になります。そして diamondには「ダイヤのように輝く美しい人・もの」という意味があります。それで diamond of the first water は「最高品質のダイヤモンド」という意味の他、「最高の美女」「最高に美しいもの」という意味にもなるのです。 She is a woman of the first water. で、「彼女はダイヤモンド並みの美しい女性だ」です。
 

Ⅳ 終わりに


  以上、今回はダイヤモンドを題材に書いてみました。皆さんもダイヤモンドの周辺をぜひ調べてみてください。英語の宝庫ですよ。ダイヤモンドの知識を深めることで英語力は必ず増します。請け負います。
  では、バッハッハーイ!
 


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