着物にハマったきっかけ
あれは、忘れもしない。
2015/2/14
約9年前のバレンタインデー。
親友の結婚式でした。
場所は、名古屋でも老舗中の老舗。
料亭 河文。
そんな場所で、旧知の親友が結婚式を挙げる。
私は富山からお祝いに駆けつける為、名古屋に向かった。
当日は、富山から名古屋への移動もある。
洋装にしようと思っていたが、職場の同僚のひょんな一言で、着物を名古屋の式場まで前日に宅急便で送り、当日は、会場で着付けをお願いすることにした。
実母が、私にと誂えていた色留袖にした。
色留袖は着る機会が滅多にない。
一度も袖を通さず、ずっと実家のタンスの肥やしだった。
実家の母に、「親友の結婚式があるから色留袖を名古屋に送りたい」と言うと、凄く喜んでくれた。
当日、河文の着付け師さんに、淡い薄紫色の色留袖を着付けてもらった。
着付け師さんが、何度も何度も、溜め息を漏らしながら、「お綺麗です。これは、お客様、本当に良いお着物でございますよ。」と褒めて下さいました。
私は、当時、全く着物に興味がなく、むしろ、母が居なくなったら、実家にある誂えた着物達をどう管理して良いか分からず、着物のことは考えたくもないくらいだった。
着物って歩きにくいとか、食べにくいとか、そんなイメージもあり、式の間は辛いだろうな、なんて思ってた。
しかし、全くもって、苦しくない。
苦しくないどころか、何の不自由も感じなかった。
それどころか、
着物をまとってるだけで、まるで自分が特別になったような、品が備わったような、そんな感覚に陥った。
からだにも、馴染むというか、うまく表現出来ないが、あの衝撃は、忘れられない。
つづく
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