見出し画像

続 富美緒のこと

富美緒はオスの子育て上手な猫。
一年ほど前にお迎えしたココと同じ、山奥のログハウスのような保護施設に居た。

当時生後2〜3ヶ月の10匹程の保護子猫のうちの一匹だ。

他のみんなが猫じゃらしで無邪気に遊ぶのを、輪に入れずそれでも一生懸命に目で追い、真剣な眼差しで見つめていた。

自分も遊びたいという必死な思いが伝わってきて、この子なら迎えられる、と思った。

だってうちには、預かって2年経っても物凄く臆病で、玄関のチャイムが鳴っただけでもサササッと物陰に隠れてしまう純白の日本猫、ゆきが居たのだもの。

ゆきは妹猫のココを猫可愛がりしていて、野良時代のゴミ箱を漁った経験から、クリームパンのビニール袋の開け方などを伝授していた。

猫との相性については…大丈夫かな。
しかしそれはそれでも合わせてみないとわからない。

実際は猫との相性以前に、人間の伴侶の思いがけない反対にドギマギし今でも申し訳ないのだが、現時点で富美緒はゆきとともに彼が面倒を見てくれている。(とても整えられた環境で艶々な毛並みなのがありがたい。

里子に出したトラちゃんと富美緒

富美緒はあの山奥の保護施設での安心できる逃げ場所として、やはりオスの、お世辞でもか〜わゆいっ(ハートマーク)とは言えない焦茶色のおじさん猫のお腹のモフモフを選んでいた。
おじさん猫は見た目とは違いとても優しく暖かく、子猫が自分の出ないオッパイをフミフミして貪るのをじっと我慢強く耐えていたそうだ。

その経験があってか、富美緒は「子育て」という特技を身につけることとなった。手に職だな。

実は富美緒の子育て上手は猫に限らず、人間の幼い子供にも実力を発揮している。

息子が結婚し、可愛いお嫁さんとの間に孫ができた。

富美緒はこの幼過ぎる強引な撫で撫で攻撃にもおっかなびっくり、耐えている。

5月にはもう1人、小さな人間が増える予定。

頼むぞ富美緒。君は我が家の希望の星だ。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?