変化
いつもと違う匂いがする。
それもそのはずである。
私は今朝、知らない土地にいた。
ジメジメとしていて
胸が苦しくなるような暑さだった昨晩。
打って変わった、カラッとした空気。
昨晩と体感温度はあまり変わらないけれど、湿気が少なく雲ひとつない青空。
久しぶりに早朝の匂いを感じたことで、ようやく夏がそこまで来ていることを知った。
友だちの家に2泊させてもらった後、私は朝から大学があるため7時半に玄関先で別れを告げた。
知らない土地でひとり、駅に向かう。
いつもならば玄関を出てすぐにイヤホンを耳に差し込むけれど、今日はなんとなく、音楽を聴く気分にはなれなかった。
気分になれなかったというより、この土地の音に興味が湧いたと言った方が正しいのかもしれない。
耳を澄まさなくても自然と胸に飛び込んでくる音。
雀のさえずりや車の排気音はいつもと変わらない筈だが、全く別物のように感じた。
風が運ぶ木々のにおいまでも、新鮮である。
思い返せば、「今」を感じた時間は久々だったように思う。
忙しない日々に「今」よりも「過去」の後悔を、「未来」の期待を考えていた。
あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ。
自分で自分の首を絞めていて、苦しくなり目頭が熱くなった日もあった。
辛い日々を過ごしている訳では無いけれど、色々なことがありとても濃い1ヶ月間だった。
大好きな友だちの涙を見て、笑顔を見た。
良くも悪くも、濃い1ヶ月。
この1ヶ月間を通して成長できたとは感じないが、少しの後悔と少しの感謝を持つことは出来た。
いつの間にか、静まり返っていた街がまた忙しない街に変わる。
また、色々な音が聞こえてくる。
それはどれもつまらない音ばかりで、改札をくぐる音や発車メロディーは胸にも耳にも飛び込んでこない。
業務的に直接脳に教えてくるような、そんな感覚がした。
これからの日々が、楽しいことばかりである必要はない。
ただ、自分にとって無駄になることのない、成長出来る日々が過ごせたらいいな。
もっともっとポジティブに、これからもたくさん笑っていきましょ
これは渋谷で買ったカヌレ。
ここ最近でいちばん美味しいカヌレだったなぁ。
期間限定のお店らしい。
もう終わっちゃったかな。
渋谷パルコの屋上。
綺麗な上弦の月、あまり綺麗に撮れなかったや。
凜
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