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【ぺん's グレイト ジャーニー 番外編 ~大学】

大学、大学院でお世話になった恩師をとても尊敬していた。

海外の学会に招待されるほど、その分野の研究では日本で右に出る学者はいない。博識で聡明、芸術的センスも素晴らしく、英語力も隣りの研究室の英語コミュニケーションを教えるアメリカ人より長けていた。

でも、ある時から、恩師は私を「攻撃」するようになった。レポートの一言一句に赤が入り、私の言動や服装、家族について批判された。レポートを発表すると、他の教授と一緒に嘲り笑った。

私は辛くて泣いた。泣くと、「ここで泣くのか!」と叱責された。

私の首は後ろに傾き、亀のように首をすくめて生活するようになった。

今考えればよく分かる。
私は大学生にしては、発言も行動もあまりに幼すぎた。その割には、怖いもの知らずで、相手を傷つけることも平気だった。幼いがゆえのやりたい放題。

そんな私に、恩師はとうとう切れたのだ。

恩師は私を溺愛していた。
私も恩師を敬愛していた。

愛は憎悪になったのだ。
愛は怖れになったのだ。
愛はコントロールになったのだ。

それ以来、私は、人に自分のことを何か言われることを怖れるようになった。「自分は人に迷惑をかける存在なのだ」と、「私は私でいてはいけない」と、思い込んだ。

先日、その不要な思いと傷ついていた自分の残骸に気づいた。

よく頑張りました、私。
もうそんな思い込みはいらないね。

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