見出し画像

シニア層の警備員のお話

数ある職業の中で、警備員は働ける年齢が長いことで有名です。

70代でも健康状態に問題がなければ、若い人達と一緒に働く事が可能です。

ただし、60歳以上になると正社員で雇用されるケースは殆どなく、準社員、契約社員、アルバイトになる為、就業できる業務に制限はありますが。

シニア層が活躍できる業務は
・施設警備業務
・交通誘導警備業務
が主になります。

正社員である必要があったり、体力的に高齢者の就業の制限がある業務…輸送警備、身辺警護業務、空港保安警備、新幹線警乗(JRの規則で正社員でないとだめと聞いた事があります)、機械警備、一部の企業などの施設警備、などはシニア層の就業は厳しいとされています。

となると、必然的に健康でさえあれば就業制限のない交通誘導警備の仕事が圧倒的に多くなります。

現にいつでも絶賛大募集というのは、交通誘導警備ばかりです。

ただ、交通誘導警備は
・一日中立ちっぱなし
・天候や気温の影響をダイレクトに身体に受ける
・とにかくクレームが多くて精神的にやられる
・トイレに行きたい時に行けない
・ボンヤリしていると大事故に繋がるリスクが大きい
・給料は他の警備業務と比べて絶望的に低い

とまあ、肉体的にも精神的にも非常にハードな仕事になるので(その上で賃金も安い)
とにかく人材が定着せず、深刻な人手不足です。

実を言うと僕も今の会社に入る前に交通誘導系の警備会社で働いた事がありますが、正直言って交通誘導は辛くて苦しいです。

楽しいと思った事がほとんどないです。

まぁ、仕事の向き不向きは人それぞれなので、施設警備よりも交通誘導警備の方が向いているし楽しいと思う人もいますから、交通誘導警備は絶対にお勧めしません!とは言いませんが、完全に肉体労働なので、座ってできる仕事はほぼゼロですからその覚悟だけはと思います。

肉体労働よりも事務作業の方が向いているなら施設警備の方がお勧めです。

シニア層でも施設警備の仕事はあるにはあるのですが、施設警備業務でも商業施設や大企業のオフィスなど、多くの現場は若い警備員〜ミドル層(40〜50代)までを望む依頼主も多く、60歳未満までという現場も多々あります。

特に大手企業のオフィスビルの警備や商業施設、高級分譲マンションの警備などで防災センター要員として働く場合は、Word、 Excel、PowerPointなどの最低限のPCスキルを求められる現場も多いので、パソコンが全く使えない!という人は敬遠されることもあります。

逆に言うとシニア層でもPCスキルのある人ならば、それが大きな強みになると思います。

60代でも歓迎している現場となると、学校の警備、病院の警備、工場の警備、一部のオフィスビル(雑居ビルみたいな所)の警備と、物件がかなり絞られてしまいます。
しかもそれらの現場は基本的にポスト数も少なくて(1人現場〜多くても4、5人の小規模の現場)
しかもシニア層の多くが苦手とするPC作業が少なくて、基本的には一日中守衛小屋か警備室の中でずっと座りっぱなしで、来館者が来た時だけ簡単な受付をして、あとは決められた時間に巡回をするだけ、という

ぶっちゃけいうと、やる事さえやっていればあとはほぼ一日中守衛小屋でおやつを食べながらTVを見るのが仕事みたいな、ドチャクソ楽な仕事なので、おじいちゃん達はなかなか辞めていきません(笑)
むしろ仕事内容はかなり高齢者向きと言えます。巡回ものんびりでいいし、立哨警備をしなくてもいい現場も多いので。

なのでなんらかの理由で退職者が出た場合はポツンと求人が出る事もありますが、シニア層に非常に人気の職場なので、競争率もかなり高いです。

コレ系の「ドチャクソ楽な施設警備」は、場合によっては一般公募で求人が出る事すら殆どない、レアな現場もあります。

その現場はまさに、シニア層にとってパラダイスだったり、という…


うちの会社も60歳定年でその後は65歳までの再雇用制度になります。
60代でも嘱託社員として働いている人もいます。
ただ、うちの会社でも60代の警備員が働いている、というのは、もともとうちで正社員として長年働いてきた方々が定年後も嘱託社員として雇用を継続しているというケースのみになりますので、60歳以降の人を新たに契約社員や準社員で雇用をする、ということはないと思います。

で、僕は今の会社に就職してしばらく経った後にふとある事に気づいたんです。

「うちは一応、60歳定年でその後は65歳まで再雇用制度があるらしいけど……60代の警備員を現場で見たことがない…ぞ?
そーいやこの間、うちの部隊にいた人が60歳で定年を迎えた時に
『まだまだ隠居するような歳じゃないからねぇ〜嫁さんにも嫌がられるし、まだ働くよぉ〜』って笑ってたし
でも、うちはもちろん、他の現場でもあの人の姿は見かけないなぁ。内勤をしている様子もないし。
…あの人はどこで働いているんだろうか?」

ここから先は僕の憶測に過ぎないことを予めお断りしておきます。

恐らく、大手警備会社で働いていた警備員は定年退職後も本人の希望があれば、シニアと言われる年代になってから新たに警備員を目指す人達よりも遥かに働きやすい環境で警備員を続けて行けると思います。

とまでしか言えません。
それ以上詳しくはちょっと…
あくまでも僕の憶測に過ぎないので。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?