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古書の未来からのひとすじのひかり

ここ最近、古書のあるところで外国の若い方をよくみかける。
いつぞやは、五千円ほどの値段のついたポパイをサッと買ってゆくティーンエイジャーらしい女の子を見かけた。

ターゲットは日本の1980年代~1990年代のダサ可愛いファッション。
我々が、かって1960年代の「パリスマッチ」に心をときめかせたように彼らには日本のこの時代が特別なものにうつるらしい。

さらには、先日、とある場所で私とバトルを繰り広げた二十代とおぼしき男性。
彼もそのあたりが狙い目かと思いきや、ファッション、建築、デザイン、アート写真とつぶさに見てゆく。
ときたま、アイフォンを表紙にあてて首をかしげたりしている。検索ソフトで値段を検討しているのだろうか。

狭い場所、お互いが身体をすり合わせなければならない。私が身体を狭めて彼を通すとサンキューと小声で挨拶する。

私が抜いたものが気になるのか、ちらり私の山を伺う。
こっちは、彼の抜いたものが気になる。
私が知らない若手日本人の写真家を二冊、それに安藤忠雄に関する本、スタジオ・ボイス・・・。

帰りぎわ、近くのカフェのテーブルにはその彼と彼女とおもしき女性の姿が。
テーブルに戦利品を並べ楽しそうに語りあっている。

家に帰って、その彼が抜いていた日本人写真家をネットで調べる。
ふんふん、なるほど、いいかもしれないな、これ・・・、

うん、外国の若い方に自国の写真家をおそわるワタシ。(笑)

なんか、古書の未来からの一筋のひかり。


古書ベリッシマ (stores.jp)

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