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「新宿泥棒日記」(1969年)古い映画パンフレットから匂いたつもの

今回とある場所で映画パンフレットでもないところでこれがぱらり出てきた時は本当に驚いた。

「新宿泥棒日記」(1969年)アートシアター・パンフレット

「新宿泥棒日記」監督・大島渚(1969年)は主演は、横尾忠則、横山リエ、唐十郎、他状況劇場の役者の方々が出演する。

横尾さんは、脇役でもなく、端役でもない。これは正真正銘の横尾忠則主演の映画なのだ。
この映画ポスターはアートディレクションをその横尾忠則が手掛けていて、今や、高価で取引されている。

「新宿泥棒日記」(1969年)アートシアター・パンフレット

ならば、この映画パンフレットも、横尾さんが手掛けたものではないか・・・、だが、このパンフレットにそうした表記はなかった。
しかし、この表紙はどうみても横尾調であるようにも感じられる。

私は、かってこの映画を観ている。作品のなかで横尾忠則扮する青年が新宿紀伊國屋書店で本を万引きするシーンがある。

「反美的生活のすすめ」池田満寿夫・横尾忠則対談集によると、横尾さんは紀伊國屋書店で実際に本を万引きしたそうである。

なぜ、書店の名前をおおやけにできるかというと、紀伊國屋書店社長・田辺茂一氏が社長・田辺茂一として出演しているからなのだが。

ちなみに、その万引きした書籍とは池田満寿夫氏によると「富岡多恵子の詩集」だったそうである。さらには、この映画を池田氏はニューヨークの近代美術館で観たのだそうだが、その時に財布をすられたことを告白している。まさに、泥棒日記。(笑)

シーンに出てくるバーなどは当時のそのままの店をつかっているとのこと。「ノア・ノア」「レストラン・モカ」「ハイチャミー」

「ノア・ノア」は東口の中村屋横にあったハモニカ横丁のバーだそうだ。「レストラン・モカ」「ハイチャミー」はネットで調べてみたが詳細は不明です。

しかし、この映画の横尾忠則さんのナイーブな青年の雰囲気、佇まい、庄司薫の薫くんシリーズの薫くん、それが昨今の青年像とぴったり重なるところあるような気がしてならないのはなぜか。

「新宿泥棒日記」(1969年)アートシアター・パンフレット

古書ベリッシマ (stores.jp)

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