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女医のライフプランについて考える~妊娠・出産編~

こんにちは。精神科女医のyumeです。

女医のライフプランについて考えるシリーズ、前回は女医の結婚について書いてみました。
今回は妊娠・出産編について書いてみたいと思います。
とは言っても、私はまだ子どもを産んだことがないので実体験ではないのですが、現時点での女医の妊娠・出産について私が思うことを書いていきたいと思います。



女医はいつ妊娠したらいいの?

はい、これ、結婚した女医さんが一番悩む問題。
私も悩みに悩みました。というのも、女医さんにはどうしても計画的に妊娠・出産しなくてはいけない理由があるのです。

その理由として、
①妊娠適齢期に仕事が忙しすぎる問題
②専門医とれない問題
③同僚医師に気を遣う問題

の3つが挙げられると思います。

一つずつ書いていきたいと思います。


①妊娠適齢期に忙しすぎる問題

一般に妊娠適齢期は20代~30代前半ですが、20代後半が望ましいと言われています。
多くの大学は4年制であるため、社会に出て働き始めるのは22歳~23歳くらいだと思います。
最初の数年は慣れるまで大変だと思いますが、徐々に仕事を覚えて落ち着いてくると、いろんな出会いもあったりして、20代後半にそろそろ結婚、妊娠も考えないとな・・・となってくるのではないでしょうか。
少し仕事が落ち着いてきた頃に将来のライフプランを考える余裕があると思います。

一方、医学部は6年制であるため、現役で医学部合格したとしても、医師国家試験に合格するのが最短で24歳、働き始めるのが25歳です。
はい、社会人一年目、既にアラサースタートです。(笑)

ということで、すでにこの時点で他職種に比べてすでに遅れをとっております。
そして、ここから激動の2年間の研修医生活が始まります。
まともな人間の生活はできないと思ってください。
寝る、食べる、それだけが命綱の2年間です。
恋愛などしている余裕もありません。(笑)

もし研修医中で妊娠してしまった場合、いったん産休・育休で研修がストップします。育休から戻って、ただでさえ呼び出しで十分に寝れない研修医生活に育児が入ってくるということです。
実際にこれを経験された先生もおられるようです。本当にスーパーウーマンだと思います。
そして研修医の同期からの理解もなかなか得られづらいと思います。(みんなやってるのにその人だけ当番免除とか、周りからどう思われるのだろうか・・・など)

研修医生活の過酷さは以前の記事で書いたので、気になる方は読んでみてください。

医師になってから苦労したこと~研修医編①~|yume|note

そしてなんとか研修医を修了すると、各科の専門に進みます。この時27歳。
一般的に各科に進んでから専門医を取るための3~5年間は、馬車馬のように働かされます。

これは医者に限らずどこでもそうだとは思うのですが、若いうちはいろんな理不尽な要求もされますし、仕事もバンバン入れられます。当直は基本体に応えますし、当直明けは通常勤務、なんなら残業もあります。
そりゃあ生理も不順になります。
こうして不健康な20代後半を過ごすわけです。

そしてようやく落ち着き、専門医を取るころにはすでに30歳を超えているというわけであります。

30代以降、徐々に妊孕性は下がっていくと言われていますから、子供が欲しくても授かれない可能性もでてきます。


②専門医取れない問題

この話をすると、「じゃあ、入局してすぐ、20代後半に妊娠すればいいじゃん!」って思いますよね。
次に来るのが専門医の問題です。

各科によって違うかもしれないので詳細は各自で調べていただければと思うのですが、常勤でなければ専門医がとれないかもしれません。

専門医を取る前に妊娠してしまった場合、その後専門医を取りたいのであれば育児をしながら常勤として働く必要があるということです。

ほぼほぼフルタイムで働きながら、育児の合間にレポートや試験勉強をやるというのは、考えただけで壮絶です。

先日子育て中の女医さんの生活について聞く機会があったのですが、その先生は子どもが複数人いて、他の人の2~3倍の期間をかけて専門医取得を目指し頑張っていらっしゃるようです。本当に頭が下がります。

あとからでも専門医がとれないことはないけれど、とるまでには長期的なスパンと根気が要りそうです。

③同僚医師に気を遣う問題

3つ目、これも避けては通れない問題です。
当直、オンコール当番、どうするか問題。

基本的に、その病院の医師数、その病院のその科の医師数によって、当直、当番の負担の大きさは変わってきます。
都会の病院であればこのあたりの問題はそこまで深刻ではないかもしれません。
しかし地方は違います。常に医師不足です。
その科の医師が2人なら、月の半分が当番ということです。

それをやっていた女医が産休育休に入れば、全ての負担が残された医師にかかってくるということです。

これはきっと、そういう現場にいないと感じられないことだと思います。
働き方改革とか男性の育休取得とか政府は動いてますけど、地方の医者は今の現状じゃそんなの無理です。ましてや女医だって制度こそありますが実際は気を使いますし肩身が狭いです。

女性医師が働きやすくなるほど、男性医師に負担が来るわけですから、不満に思うのもわかります。そして同じように働いている独身の女医さんの不満もわかります。(私も以前、不満に思ってましたから)

だからこそ妊娠のタイミングは考えてしまうのです。
どのタイミングが一番、職場に迷惑がかからないのかを。


結論

ここまでいろいろと考えてきましたが、
女医が妊娠するのに一番いい時期はいつか?
これは、何を一番に優先するかだと思います。

専門医を優先するのか。子供を確実に持つことを優先するのか。
あるいは職場の中での関係性を優先するのか。

人によって優先順位は違います。
そして一番大事なことを優先した結果、できないことがでてきます。それを受け入れて許せるかどうかだと思います。

私も悩んで、何度も何度も考えました。
でも考えたからこそ、今やるべきことをできている気がします。

同じように悩む女医さんもいると思いますが、上記のことを考慮して、最終的に自分がいつ妊娠したいのかをはっきりさせておくと、今後のライフプランが立てやすくなるのではないかなと思います。



ということで、今回は女医のライフプランについて考える~妊娠・出産編~について書いてみました。なにか参考になれば幸いです。


読んでくれてありがとうございました。
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ではまた(^^)/


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