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『光る君へ』第五話のネタバレ含む感想

すっかり日曜日の定番の楽しみになっている大河ドラマ『光る君へ』の第五話目『告白』の感想を、わりとそのまんま書いている記事です
ネタバレなども考慮していない書き方をしている上、前話までの説明もあまりしてませんが、それは今回の内容があれもこれも面白くて、コメントつけたくてたまらないからなのです、ご了承ください


まひろが床に伏したまま、目を覚まさない…というシーンから始まりましたが、まひろの寝床が藁を編んだものだったのが気になりました…まだまだ、まひろのうちは貧乏のままなんだな…
平安時代の文学にはわりと良く出てくる、祈祷をする僧侶と、人に取り憑いたもののけを下ろすとされる(よりまし)が出てきて、それらしい念仏を唱えるシーンがここで見れるとは思わなんだ
こんなのは迷信で詐術なんですよ! という直接的な文言は用いず
「念仏を唱え、水ごりをしなされ」
「冬だよ!寒くて死んじゃうよ!」
というやり取りで見せてくれるのがいいです
「ああいう人たち二度と呼ばないで」って言って、まひろが起きるのも良いリアルさを感じます

倫子さまが、まひろのことを心配したり擁護したりするところは嬉しかった
上流階級の若き女君たちの文学の集いの中で、この二人は互いに特別に感じていることが伝わるし、史実を思うと、これからも関係が繋がり深まるのだと分かります
一方、藤原道兼が母を殺したことを「胸にしまって生きろ」と言い「弟の出世のためだ」とまで言ってしまう父は(本人もそりゃあ辛いだろうけど)まひろとしては憤懣やる方無いだろう、弟のためと言うのは、ずるいと感じてしまう
それを言われたら反論が出来ないじゃないか
そして母の事を思い、琵琶をかき鳴らす情景の美しさと悲しさがしみじみします
このドラマの第一回でこの母の殺害シーンを観たときは、なんじゃこのトンデモ展開は! と驚いたものですが、第五回まで丹念に、この件について触れてきたので、視聴サイドの気持ちも慣れてきました

若き花山天皇が強引な(実の無い)親政を行おうとするのに意を唱える藤原実資(ロバート秋山さん)が今回も良かったです
初登場の時は、回りの線の細く白い顔立ちの貴族たちから浮きまくってる癖の強いお姿に驚きましたが、その強い個性と凄く真っ当で実直な政治家としての矜持が格好いい! 登場すると嬉しくなります
大河ドラマは以前から、一定の芸人さん枠の起用がありましたが、『光る君へ』はその枠が多いんですよね
でも、みなさんそれぞれ良い役柄とご本人の個性がにじみ出る演技をされてて、とても楽しいです

道長が父に「帝が誰であろうと変わらないと思います 大事なのは、誰が帝をお支えするかではないかと」と言ってしまうのは、驚いた
それは後の世の道長が正にやることを、示している!
確かに彼は道長なんだな、と感じ入りました
そして悪い顔で心から嬉しそうに、道長の発言を喜ぶ父もよろしいです
というか段田安則さんの藤原兼家が良すぎる
その長男の藤原道隆は、まだまだだなーと思わせるシーンが続いたのも良いです
妹の詮子に対して、父と和解するよう求める道隆さんだったんですが、夫たる円融帝を害し、退位に追い込んだ父や男きょうだいたちに対して静かに怒りを燃やす詮子に圧倒されてしまってて、詮子女御ひいきとしては、いいぞ…!! ってなりました
2017年の大河ドラマの『真田丸』が大好きで、吉田羊さんが演じた稲姫(本多忠勝の娘)がめちゃくちゃ強い姫君だったから、詮子女御が違う方向の強さ、したたかさを見せてくれたのが、嬉しいんです

関白と左大臣と右大臣のほのぼのご飯会が、何だこのほっこりシーン…? って思ってたら、猫を追いかけて姿を見せてしまう倫子さま(『源氏物語』でいうところの“若菜”のシーンのような!)に驚いたし
その後の、晴明への命令で結託していたのにもっと驚いた もう花山天皇は風前の灯だ

藤原道綱とその母が、この物語に登場してくれたのも、良かった!
『蜻蛉日記』の作者“藤原道綱の母”が、このドラマでは藤原寧子と名があることが嬉しいです
そして朗らかに楽しそうに、父と母の前で吟いながら舞を披露する藤原道綱が、ほんとに可愛い
父にけっこう酷いことを言われても、天真爛漫に素直に返事をする彼…天然なのか、それとも、明るく素直でいないと、やってられないからなんだろうか

“六条の廃屋”で、逢い引きではなく、会うまひろと道長のシーンは、本当に、本当に、素晴らしかった
まひろが何度も「三郎に会いたかったから」ってちゃんと本音を告げたところ
「道兼を許さない、一生、呪う…!!」って嗚咽交じりで言うまひろに「怨めばいい、呪えばいい」って肯定する道長
怨むこと、呪うことを肯定するのは、この平安の時代において、とてつもなく重いことのはずです
一心同体、一蓮托生の宣言をしたのだと観ていて感じました
道長とまひろは、互いにかけがえのない相手である以上に、逃れられない宿縁で結ばれたのだと思えました
それなのに、まひろを謎の男直秀に託して兄を殴りに帰る道長は、ちょっとどうかと思う 

「帰るのかよ…」ってそりゃ言われるわ!

ところで、そのシーンのちょっと前に、道長が(あまり上手くない字で)まひろに手紙を書いて呼び出したのですが、手紙が届いたことで、まひろの家の人たちがわいわい言うところもめっちゃ面白いですね!

ひろうすさんがなんと、絵にされてました!

素晴らしいです…ひろうすさんの源氏絵ならぬ、光る君へ絵…
ところで、この手紙を見たがる、まひろの弟の乳母のいとさんですが、まひろ父の為時の召人だと思われるんですよね
召人は家庭内の使用人の中で主人の手の付いている女性、という存在ですが『源氏物語』の中でも重要な役割を演じる事が多くあります
召人がまひろの母代わりのつもりで余計な世話をして、ちょっと疎ましがられているのかな、と思えましたね!
あと、予告で後の清少納言とまひろが邂逅してるシーンがあったので、あわわってなりました
来週も目が離せませんね!

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