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『光る君へ』第十八話『岐路』のネタバレを含む感想

序文


今回の見出し画像も#かなふみで作成をしました
道長が虚無感を隠さず直衣姿のままで脱力し、自邸の廊下に寝転がっている 小麻呂が寄り添ってくれればいいのに、誰も来ない
妻倫子も、道長を次期関白に推挙する姉も、道長と心を同じくしてくれる者は誰もいない、辛いシーンです

例によって、ドラマ内のエピソードを箇条書きにした上に、このドラマの絵巻画家どのの記事のご紹介をし、話の長い感想と文句のパートとなっております


ドラマ内エピソード箇条書きコーナー

一、筑前守ちくぜんのかみであり太宰少弐だざいのしょうに(太宰の代官)でもあった藤原宣孝のぶたかは4年の任期を終えて京に帰ってきた
まひろに酒をすすめたり、求めに応じて宋の国の話をしたり、紅を贈ったり、科挙の話をしてやったりと、わりと露骨にアプローチをしている印象
しかしまひろは、身分が低い者でも官僚への道が開ける可能性のある科挙の仕組みに興味津々🌟

二、公卿たち、道隆亡き後に関白に就く者がなかなか決まらないことについて、中宮である定子が兄の伊周を関白にせよとごねているに違いない、「出すぎ者の中宮だ!」と実資さねすけははっきり怒りをあらわにする

帝と定子が並んでいる場で、伊周は道兼が関白になると告げられる
帝は最大限に気を遣って「すまぬ、伊周」と謝って退出する
しかし伊周はすぐに「これでは父上も納得されぬ!」と不満で騒ぎだす
定子は「兄上が関白になるのが帝は不安なのです、もっと人望を得られませ」とたしなめる
伊周はまったく納得してない顔つきで去ってしまい、帝と伊周の板挟みで苦しむ(が、顔には出さない)定子をききょうは気遣う

三、道兼を関白とするみこのとりが正式に発布され、道長と道兼は穏やかに話し合う
道長に礼を述べ、政を支えて欲しいと素直に頼みにする道兼
道兼ならよい政ができると信じて慕う道長
しかし、道兼はその晩からじわじわと体調を崩しつつあり、皮肉なことに関白就任の儀の際に倒れてしまう
疫病を発症した道兼のもとに、薬師を連れて看病にやってくる道長だが、あくまで道兼は道長に感染させるわけにはいかないと、そばに寄ることを拒む
なすすべなく立ち去ろうとする道長の耳に、道兼の読経の声が聞こえる🌟
どうしても一人で逝かせたくないと想う道長は、道兼を抱きしめてその腕の中で看取るのだった

四、伊周、隆家、貴子、★
「七日関白とは情けない」「よくぞ死んでくれたものだ」「父上がお守り下さったのですよ」
道兼が死んでしまったことで大喜びする面々、伊周が次の関白だと信じきっている

五、道長、自邸で仰向けに寝転がっている
道兼が死んでしまったこと、兄の政を支えることがもはや叶わないことに大きな痛手を受けている

嫡妻の倫子ともこはそんな道長をひそかに心配する
一方、まひろの家でも道兼を悼む話をしている
為時「仇とは言え、これで良かったとは思えぬのう」🌟
まひろ「あのお方の罪も無念も、すべて天に登って消えていきますように」🌟
まひろは以前、道兼に聞かせた時とは違う、手厚い追悼の気持ちを込めた琵琶を奏でるのだった

詮子あきこに道長と倫子ともこは呼び出され、土御門邸内の局を訪れる
次の関白に準ずる昇進をするのは道長だと詮子あきこは言うが、道長は、関白になりたいとは思わない、伊周でも構わない、自分たちが政治的に干されてもそれは世の流れ、とすっかり腑抜けて無気力になっている
「このうつけもの!」と詮子あきこはぶちキレる

伊周は公卿たちを集めて宴席を催している
(実資どんは参加していない)
父からは皆の意見をよく聞くようにとの薫陶をうけた、自分の妹は中宮として寵愛が深い、自分も帝とは親しくしている、皆さまと帝との架け橋になれたらと思っているとのたまう

六、寝所で帝は定子を抱きしめ「これで堂々と、そなたの兄を関白にできる」と囁く
実資は「いよいよ伊周どのか……良くない流れであるな」とぶつぶつ言う
伊周の宴会に参加していた公任は、斉信と行成に、伊周は多少はマシになっていたと感想を述べ、斉信は「(伊周が)皆の承認を取り付けたと言うことか…」と少し面白がってる
しかし行成はあくまでも道長を推す

七、家事に精を出すまひろのもとへ、ふたたびききょうが現れる
定子に貰ったという唐の揚げ菓子をお土産に持ってきており、美味しそうに食べるふたり(以前、道綱が食べていたのと似てる?)
ききょうは、関白が誰になるのかと紛糾している宮中にうんざりして、まひろと話したくて来たという
ききょうは伊周に関白になって欲しいと言うものの、彼の定子への暴言を聞いているためか、あまり良い印象を持っていない様子で、道長という説もあると話す
道長の名にやや動揺するまひろの顔を見て、
「道長さま、ご存知? あぁ昔、漢詩の会でご一緒したわね」
と、7年前のことをめちゃくちゃ良く覚えてるききょう さすが才女だ
道長は細かいことにうるさく、定子がねだった螺鈿の鏡台の予算を出すことは却下してきた! とききょうはプリプリ怒っているが、まひろはそれにうっかり笑ってしまって不審がられる

ききょうが帰宅してから、まひろは一人で、
「あの人、人気ないんだ…」🌟と物思いにふけっている
…と、そこへ惟規が帰宅して夕食会に
惟規は、白氏文集の新楽府が大学で話題になっている
「民に代わって時の為政者を正している内容らしい」と話し、それにまひろはめちゃくちゃ興味を持つ🌟
どうにかして写しを手に入れられないかと、弟にも父にも熱心にねだりだす
まひろが物を欲しがるのって、このドラマの中ではじめてかも知れない なんとか叶えてやりたくなる

八、伊周を関白に据えようとしている帝に、詮子は直訴をすべく強引に寝所に押し掛ける
関白は伊周に決めている、と毅然と自分の意志を母に訴える帝だが、伊周の父の道隆は中関白家の事しか考えず政を行い、公卿らの信頼を失ったことを指摘する
それでも帝は伊周を信じていると言うが、定子に騙されているのだと詮子も譲らない
そして、道長であれば帝を支える良き臣下になると涙ながらに訴える「関白に言いなりの帝で良いのですか!?」
翌日、道長は関白に準ずる役職である内覧となった

九、父の存命中に就いていた内覧には戻れず、官位も内大臣のままとされた伊周は、定子を激しく罵倒する
その上、まるで死に瀕した父の道隆がそうしたように「皇子を産め」と繰り返す
「“素腹の中宮”と言われているのを知っているのか」
などと、聞くに絶えない暴言も吐く

その夜に、帝と定子は寝所にて
「嫌いにならないでくれ」
「嫌いになどなれませぬ」 と言葉を交わすが、どこか空々しい雰囲気もある

十、「おわかれです…」と、急にまひろに打ち明けるさわさん
さわさんの父が肥後守(現在の熊本県あたり)に任じられた為に、それに従って西国に行かなければならないとめそめそしつつ話す
国司の任期は四年だから、ずっと会えなくなる訳ではない、とまひろは慰めるが、さわさんはそれでも寂しいです~と、わんわん泣く
そこへちょうど現れた惟規が自分とも離れて寂しいのかと軽口を叩く
しかしさわさんは急にけろりとし「以前はお慕いしていた気もしますが、もう止めました!」とハキハキ言う
「人のこころはうつろうものなのよ」とまひろは謎フォローをする

十一、道長は右大臣と内覧を兼ねる、公卿の頂点の座に就いた
正妻の倫子とその母の穆子むつこはとても楽しげに嬉しそうに話している
「女院さまをこの屋敷で引き受けたのはあたりだったわね」
「わたしも最初は、えー、と思いましたけど」

十二、道長が政権の頂点に就いたので、露骨に道長を誉め出す源俊賢に、妹の明子女王は冷ややかに応対している
「道長さまに俺のことを誉めておいてくれよ」
「ほめるところがございませんけど」🌟

その道長は、七年前のまひろの言葉を思い出している
いつかの廃院に向かうと、そこには昔のようにまひろが立っている
七年前はお互いに駆け寄って抱き合ったが、現在はもう、道が別れてしまった、あくまでもよそよそしく、言葉も交わさないまま別れる
(モノローグ)「昔の自分に会いに来たのね」

予告 
伊周、めそめそ泣いていて隆家に慰められる
ききょう「中宮さまの後宮においでになりたいの!?」
道長「できませぬ」詮子「はい」
伊周「よせ!」
花山院「うわー!」
ききょう「なにか踏みました?」
実資どん「そんな面白いことがあったのか」
定子「(帝に)政に考えがあるそうでございますよ」
まひろ「わたしは、夢がございます」

箇条書きコーナーは以上です


麗しい横顔の、ひろうすさんの絵巻のご紹介

ひろうすさんの光る君へ絵巻は、引用させて頂くのが恒例となっております
いつもありがとうございます!
エピソード箇条書きコーナーに🌟と★でマークをしている箇所が、ひろうすさんが描いて下さってるシーンとなっております
今週もたくさん描いてくださいました…✨☀️✨
ラフ画の中関白家生き残り面子のさらりとした描写のリアルさがたまりません ほんと嫌な奴らだけどひろうすさんが描いて下さるのはめちゃくちゃ嬉しい
科挙システムに食いつくまひろの目が開いてるのもかわいいですね! 以前のまひろ絵の「こういうのはどうかしら」の時の、絶妙に人の話を聞かなそうな雰囲気もあって凄く好きです 丸顔とつぶらな瞳のデザインもかわいいですね~
道兼の乱れた髪と、苦悶の横顔の描写も素晴らしいです
ひろうすさんのこだわりの横顔集で、まひろの横顔も見せて頂けましたし、コミカルもシリアスもその筆致からがらりと違う、真に絵が堪能で引き出しが多くて研鑽をされてる方でないと描けませんよね!
ほんとすごい
(父親似のまひろと母親似ののぶのり)という、ひろうすさんちの設定が確固たるものとして構築されてるのも惹かれます 設定そのもののリアルさも、それを反映したまひろと為時の表情もほっこりします
「あの人…人気ないのね」のまひろんの回想する道長が小麻呂を抱っこしているのがまた良いんですよね~
そしてこれまで、様々な表情で描かれていた人物と言えば明子女王です! 今週の明子さまも麗しいです
登場人物したばかりの頃の恐ろしさ、道長に惹かれ始めた頃の愛らしさ、そして今春は兄の調子のいい発言に白けつつ相手してやってるヤレヤレ感! お美しいです
そして、相変わらずテキストの面白さもたくさんの記事なんです ひろうすさんの鋭いキレのあるつツッコミも毎週の楽しみです…(゜゜;)\(--;)


感想というか難癖というか

ついに一話からの因縁の相手である道兼が、亡くなってしまいました あっさりと
以前にも書いた話ですいませんが、やっぱりまひろと道兼は悲田院で接触があって欲しかったです
彼を許したり見直したりなんてしなくてもいいんですよ、でも、まひろにとって理想の政治を道兼はできる人だと感じつつ、でも母の仇でもあるってすごくドラマチックでいいシーンが作れそうなのに、もったいない
しかも、道長にとっては慕い支えるべき兄で、まひろにとっては仇、っていう面白みも出せる
そしてこの回で道長は、道兼の死で受けた悲しみを誰とも分かち合うことが出来ませんでした
でも、まひろとそれが出来たなら、特別なふたりっていう演出をより強められるじゃないですか、最近疎遠だしちょうどいいじゃん
道長の、兄が死んでしまって悲しい、治世を支えたかった、一緒に居たかったっていう気持ちを、まひろとだけは分かち合えたらいいのに
まひろだって、なぜ貴方は死んでしまったの! 憎いと思っていた、決して許さないと誓っていた、でも、
あの人と一緒に、この世を正す政治を成すところを私は見たかった…
そんな風に、道兼の事を感じて悼んで欲しかったなあと思ってしまうんです
この回、道兼が亡くなった後にはすぐに権力闘争の話にシフトしてしまったので、もちろんそれで道長の孤独が際立つ演出にもなるけど、道兼の死の使い方が勿体無いです
あと、まひろは道長に疫病の看病の礼くらい一言かけるべきですね 言葉を交わさないですれ違うふたり、というシーンは美しいけど仁義としてどうなんだ

伊周の宴席での発言は『次の関白は自分に決まっているのだから、願い事があったらどんどん言うがいい、中宮と共に寵愛が深い自分の元であれば、よい地位を与えてやろう、しかし逆らうのであれば容赦はせん』と、平たく言うとそういう意味でした
そのすぐ後のシーンで、帝も「これで堂々とそなたの兄を関白にできる」と言ってるし、実資どんも「良くない流れであるな…良くない流れ…」とぶつぶつ言っており、もう伊周に決まったかのような雰囲気になってたのは、どうしてなんだろう
道隆の後に、息子の伊周か次兄の道兼のどちらに継承させるかと割れるのはまだ分かるんですが、道兼の後に伊周になるのって流れがおかしいと思われないのだろうか
それとも、道兼死亡時点で最も官位が高いのは伊周だから、順当な扱いなんだろうか
伊周については他にも疑問があります
先週に輪をかけて、権力欲に取り憑かれて、それが叶わないと妹に八つ当たりして暴言を吐き、傷つけた
父なき後なのだから、むしろ中宮の後ろ楯となって皇子が産まれたら東宮として立てて支えないといけないのに、嫌がらせまがいのことをしてしまう伊周には心底驚きました
ここまで人物造形を悪くするなんて
ききょうこと清少納言も、伊周のことをだいぶ嫌いになってるシーンもありましたし、これでどんな拍子で『枕草子』が執筆されるのだろうと疑問です
とてもではないですが、『枕草子』で描かれていた伊周、定子、隆家の仲の良いきょうだいの温かい場面が今後起きるとは到底思えないほどの、伊周の悪辣さでした
今後、ききょうが『枕草子』を執筆し始めるエピソードって出てくるのかなと心配でなりません
清少納言が出てるからにはやらないわけはないと思うのですが、現状の様子を観ていると…
『枕草子』内での中関白家の様子は、定子を励まし、宮中での彼らのイメージを払拭するために、ききょうが捏造した展開にでもしないと無理があるのでは?
ききょうが圧倒的筆力で捏造して、伊周や定子への宮中でのヘイトを忘れさせる展開が、もし出てきたとしたら、それはわくわくしてしまいますが

あとですね、今回の予告で中宮定子と一条帝に謁見しているまひろが出てきて、なにやら訴えるようなのですが、心配でたまりません
以前も無鉄砲に、摂政の兼家に会って父の官職のとりなしを願う場面がありましたが、まさかそれを越えるとんでもねえ無鉄砲が出るとは
いえ、自分は自分で、まひろが男装して中国に渡って科挙に挑めばいいのに~なんて妄想してましたが、このドラマ内のまひろんの無鉄砲って、どうも応援したい気持ちにならない、やらかしにアワアワしてしまう内容ばかりのように感じるのです 
平たくいうと、思慮の足りない軽率な振る舞い!
そして、史実の壁があるものだから、これまでまひろの無鉄砲ってなにも成せてないんですよね
それが歯がゆいし、観ちゃおれん、という気分にすらなってしまうんです 観るけど

最後にこちらは、今回の記事メモ下書きです

らくがき付

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