豪雪の山里から ~ いきものたち
こんにちは。ようこそ
この地に住んでいると、ちょくちょく動物たちを見かけたり、その行動の痕跡を見つけたりします
代表的な動物と言えば、タヌキ、ハクビシン
こいつらは隣人。近所に住んでて、夜中に畑の野菜を食べまくります
この辺では「むじな」と呼ぶアナグマも夜行性だけれど、真昼間からその辺をうろついたりもします
畑を荒らすといえばカラスも同じ
屋根の上から見てて美味しくなった頃合いを見計らって食べていきます
あとはジネズミやモグラも地中から畑の作物を狙います
田んぼの畦に穴を空けて水漏れを起こさせる厄介者でもあります
年によっては、ニホンザルも団体で訪れてきて、枝豆やらトウモロコシやら食い尽くしていったりします(ここ何年かは、群を出た若い雄ザルが来るくらいですが)
冬になるとみかけるのが、ホンドギツネやウサギの足跡
雪原に残る足跡の多さからすると、今年は個体数が多いようです
キツネは、集落の空き家に住みついて、子育てすることもあります
ラッキーなら、家の脇で、母ギツネが子ギツネ達を遊ばせている光景を目にすることもあります
ツキノワグマもいますが、痕跡だけで姿を見たことはありません
地元のじいちゃんでも数十年前に見たとかいうレベルです
よくニュースで町でクマ被害とか出たりしますが、基本的には臆病な動物なので人に会わないような時間帯に行動しているようです
あと、冬場にたま~にみるのが天然記念物の二ホンカモシカ
シカとは言え、実は牛と同じ仲間です
夏は山の奥に隠れているようで見かけませんが、餌が不足する冬には里の近くまで出てきたりします
かつては雪深くて生きられないとみられていた、ニホンジカやイノシシも、温暖化の影響か?、近年住みつき増えているようで、田畑を荒らすのが困りものです
鳥類で珍しいのが、サシバという鷹の仲間
冬は東南アジアへ渡る鳥で、純絶滅危惧種らしいです
他にもツバメ、アオサギやシロサギ、マガモ、ウグイス、トビ、モズ、キツツキなど、鳥類はあげだしたらキリがないです
夏の朝、日の出のころなどは目覚めた鳥たちの囀りがうるさいくらい
珍しいのは、鳥類ピラミッドの頂点といわれるフクロウ。一度しか姿を見たことがないけれど、夏の夜には、山の方からホウ、ホウ、という声が聞こえてきます
また山際には、自然にできた湿地や休耕田が水田たまりになったような場所が多くあるため、近年の開発で姿を消しつつある湿地に住む両生類や昆虫、植物などが多くみられます
両生類なら、クロサンショウウオ、モリアオガエル、シュレーゲルアオガエルといった在来の希少種
昆虫なら、水場に卵を落とすトンボ類。一円玉くらい小さいハッチョウトンボ(まだ見たことがない)、夏にはオニヤンマやギンヤンマ、秋には無数のアキアカネ、など、種類が多すぎて良く分かりません
湿地の植物なら、秋に可憐な花を咲かせるオオシラヒゲソウ。
ミズバショウは流れる水を伝って広がるので珍しくもないですが、ザゼンソウやモウセンゴケ、サギソウなど、あまりみかけなくなってきた植物もあります
あと、身近な存在なのはホタル。源氏と平家の両方がいるようです
繁殖期になると近所の沢沿いや川沿い、奥の田んぼなど、いたるところでホタルの乱舞する光景がみられます。昨年は我が家の目前、お向いさん家の池に何十匹と光っていて驚きました
湿地以外だと、全国的に保護活動が盛んに行われるヒメギフチョウがいます。この蝶は、同じく希少なカタクリの花の蜜を好んで集まり、コシノカンアオイというこれまた純絶滅危惧種の葉っぱの裏にだけ産卵します
ちなみにカタクリは芽が出てから花が咲くまでに7年もかかります
年数でいえば、ヤマユリ。白く立派な花をつけるユリですが「1輪1年」と言われ、年数がたつにつれて、花の数が多くなっていき、多いものでは1本に20ほどの花をつけるものもあります
集落の皆さん、毎年、立派にユリの花が咲くのを楽しみにしていて、山手の草刈りをする時にも、このヤマユリやオニユリだけは器用に刈り残していきます
だから、ユリの花の時期になると、集落中がユリの香りに包まれます
まだまだ書きつくせないけど
数多くの取るに足らない虫や植物も含め、すべてが山里を構成する大事な要素と思います
暮らすには厳しい豪雪でさえも、それがあるからこそ夏も清涼な水が絶えることなく流れ、そこに多種の昆虫が繁殖し、植物も繁栄するのです
この山里に住むことは、望むと望まないとにかかわらず、多くの生き物と当たり前に共生することになります
SDGsを唱えながら、人だけが居心地よく君臨して不要な他の生物を排除しようとするのではなく、多様な生き物をはぐくむ自然の中に生きることを、ポジティブに受けとめて欲しいものです
確かに、時として人にとって不都合なことも起きるけれど
(大量発生するカメムシや毛虫たち、農産物に被害を生じさせる虫や動物など)
それも含めての暮らしが、人という一生物にとって、真の豊かさへの入り口のような気がしています
誰かがプロデュースしたものではない、バーチャルでもない、自然のおりなす四季折々のあらゆる現象を、肌で感じて楽しみながら(時に痛い目にも遭いながら)、生き物らしく暮らしてみるのはいかがでしょうか?
まあ、おおよそ共感を得られないのは分かっていますが…(笑)
ではでは