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どこにでもあるショピングモール


 「ショピングモール出来るんだって~」と香が話し、「便利なるし、いいね。」
 郊外型のショピングモールで、地方都市ではよく有りがちな大駐車に自動車に乗って、買い物もワンストップで全て揃う様な場所で雇用と消費を産み出し、人口すらも増加させる経済拠点。
 こういった場所は地価が安く、開発し易い場所が選ばれ建設され出来上がる。 
 暮らす上で自動車か必要な地方都市は大多数がこの“アメリカンスタイル”で、今暮らしている。


 香が楽しみにしていたショピングモールは完成してから、17年経過して当時はまだ小さかった息子の優太も今は社会人として働き、孫と帰省するたびに、ショピングモールへ出かける。
 香はショピングモールが出来てからは、そこでパートとして働いていたが数年前に足を患ってからは、自動車の運転をやめた。
 僕は数年前に免許更新が出来ずに、運転免許を返納してしまった。
 免許証返納してから良くわかった事は、“自動車に乗らないと暮らせない場所”だ言う事、街の商店街が閉まったと言う事、肉や野菜すら手に入らないと言う事、交通手段が乏しいと言う事を想像すら出来ない程に、ショッピングモールは快適だった。
 

 ショピングモールが出来た頃は、引っ越してくる若い人達もいて賑やかだったが、その人達の子供が巣立って行き、年々人口が減少は国勢調査でなくても目に見えてわかった。

 
 ショッピングモールの中の出店数は減少する、商売だから売れない場所に意味はなく撤退する。
残されたのは買い物難民と空っぽのショピングモール。

 今日も何処のショピングモールが光り輝き、自動車で買物…………!!

  豊かな街への変貌と翳り。


  ……………………END……………………

 

 

 

 


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