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プロレスがもっと好きになる『味のプロレス』の話

馬場元子さんが逝去されました、享年78歳でした。まず初めに元子さんのご冥福をお祈り申し上げます。


元子さんは言わずと知れた、“世界の巨人”ジャイアント馬場さんの奥様で、1966年に馬場さんと婚約しました。
1999年に馬場さんが亡くなった後は、NOAHと分裂をした後の全日本プロレスを、社長として切り盛りしていた女性でもあります。


そんな馬場元子さんが登場するマンガがあります。それがこの作品です。

増補DX完全版 劇画 プロレス地獄変
増補DX完全版 劇画 プロレス地獄変
著者:原田 久仁信
出版社:宝島社
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原田久仁信センセイはオールディーズなプロレスファンなら誰もが知っている、『プロレススーパースター列伝』や梶原一騎の自伝的マンガ『男の星座』の作者でもあります。

プロレススーパースター列伝【デジタルリマスター】 7
プロレススーパースター列伝【デジタルリマスター】 7
著者:原田 久仁信
出版社:グループ・ゼロ
販売日:2016-07-06
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男の星座1
男の星座1
著者:梶原 一騎
出版社:グループ・ゼロ
販売日:2014-05-27
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さてそんな『プロレス地獄変』の中に元子さんは何度か登場していますが、この作品は宝島社が刊行している、プロレスゴシップ誌を元にした作品なので、はっきり言ってこの中では元子さんも少し冷たい感じのビジネスライクな女史のように描かれています。

この当時はK-1やいわゆる総合格闘技が台頭してきた“プロレス冬の時代”真っ只中。全日本プロレスは特に、所属選手の離脱や引き抜きなどリング内外共に厳しい時代でした。

作品の中では新日本プロレス(当時)の永島勝司を梯子に上げておいて梯子を外したり、若手のころの渕正信を叱責したりして、厳しく冷徹なイメージに描かれていますが、根っこは15歳の時に憧れた馬場さんを生涯愛し続けた乙女心を持った女性のままでした。

東急キャピタルの中の喫茶店オリガミ、後楽園ホールのグッズ売り場に大きな体を椅子に沈めている馬場さんの隣には、いつも元子さんがニコニコしながら立っていて、馬場さんはファンにサインをしたりプロレス雑誌の取材を受けている。

それらは僕たちプロレスファンにとっては、いつまでも変わらないワンショットの一つでした。

馬場さんと元子さんの間にはとうとう子どもができなかったけれど、馬場さんも元子さんもプロレス界に沢山の遺伝子を残してきました。

全日本プロレス“流”は秋山準が守り、残していくのだろうし、今ではどこのリングの上にも馬場イズムを継承した馬場チルドレンが現役で活躍しています。

プロレスは“起承転結”の“結”の無いずっと続いていく大河ドラマだから、ジャイアント馬場という名前も、その隣でニコニコ佇んでいる元子さんの姿も記憶に残っていく。

これからも天国から見守っていってください。

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元気ですかーーーっ!?

「元気があれば何でもできる」はアントニオ猪木が近年リングに上がった時の第一声だ。

僕はかれこれ20年以上プロレスを見続けている。少しだけ距離を置いたりした時期もあったけど、人生の傍らには常にマンガとプロレスがあった。プロレスもマンガも人生の教科書の一つだ。

現在でもプロレスはずっと世の中にあって、厳しい時代も乗り越えてまた新しい盛り上がりを見せている。

もうあんまり使われなくなったけれど『プ女子』なんて言葉も生まれた。

平成のプロレスは華麗でカッコイイし、ものすごい変化と進化を遂げた。

盛り上がりもかつての“黄金時代”に負けないくらいの勢いだ。今のプロレスは少年マンガ以上に少年マンガ感があったりする。

でも、あなたは知っているだろうか?昭和のプロレスを。

確かに現代プロレスとは違う。荒々しく血も流れ興奮した客同士が殴り合い、まさかの結末に暴動が起こり、国技館や、武道館から使用禁止を言い渡された。そんななんでもありだった時代を。

今回紹介するのは、そんな昭和のプロレスエピソードがふんだんに盛り込まれたこの一冊。

味のプロレス 闘魂編
味のプロレス 闘魂編
著者:アカツキ
出版社:新紀元社
販売日:2018-06-30
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本作は80年代~90年代のプロレス逸話を4コマ形式で綴る作品で、アカツキセンセイが5年前からTwitter上などで発表していた作品を一冊にまとめたものだ。

“今の”プロレスファンが知らないレジェンドレスラーや、名前だけは知っているあのレスラーこのレスラーの過激でほっこりするエピソードが満載の一冊になっている。

登場するのはアントニオ猪木、ジャイアント馬場、ハルクホーガン、スタンハンセン、アンドレザジャイアント、長州力、藤波辰巳、ジャンボ鶴田に、天龍源一郎。

さらにその下の世代の闘魂三銃士の武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋や、四天王と呼ばれた三沢光晴、川田利明、小橋建太、田上明。

時代を駆け抜けたUWFの前田日明に高田延彦など、他にも様々な名(迷)レスラー達ばかりだ。

昭和のプロレスというと、少しだけとっつきにくかったり怖そうなイメージがあるけれど、本作の中に出てくるレスラー達のエピソードは中級者以上のマニア層から、平成しか知らないようなビギナー層までみんなが楽しめるような作品になっている。

特に故橋本真也さんの数々のエピソードにはハズレなし!

合宿所の後輩の部屋にセミ200匹を放したというお話を筆頭に、一万円かけて作った豆腐がまずかったお話、夏場にスーツを着たくないからという理由だけで選手たちに夏場の結婚を禁止するなど、わんぱく小僧がそのまま大人になったようなエピソードが満載で爆笑間違いなし。

プロレスは一度足を踏み入れると抜け出せなくなる底なし沼。

そう言われる理由はこうやってずっとずっと続いていく、壮大すぎる終わらない大河ドラマだから。

昭和から平成、そしてさらにその先へ、“プロレス”というドラマはいつまでも続いていく物語。

新しきを知るためには過去のドラマも大切な1ページ。おもしろおかしく、時にちょっとだけ真面目に昔のプロレスにも触れよう!

今も昔もその先の未来もプロレスはずーーーっとずっとおもしろい!


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オリンピアが聴こえる。

みなさんこんにちは。プロレス大好きレビュアーの森本です。

先日レビューした『味のプロレス闘魂編』の続編が発売されました!

タイトルはズバリ『味のプロレス 王道編』

味のプロレス 王道編
味のプロレス 王道編
著者:アカツキ
出版社:新紀元社
販売日:2018-09-27
amazon.co.jp kindle 本


『闘魂編』の闘魂は言うまでもなく、新日本プロレス・アントニオ猪木のキャッチフレーズ「燃える闘魂」から取られていました。

そして今回の『王道編』の王道は、ジャイアン馬場さんが提唱し、全日本プロレスが掲げたスタイルの「王道プロレス」からです。

というわけで今回の『王道編』では、全日本プロレスの選手達のエピソードが中心の内容となっています。

前回の『王道編』の実質的な主役が橋本真也なら、今作での主役はもう間違いなくこの人でしょう。

三沢光晴(みさわみつはる)

武藤敬司と並び称された、90年代プロレスの二大天才プロレスラーの一人です。

この人のプロレスは優雅でカッコイイプロレスでした。

前作の橋本さんが“ガキ大将”なら、三沢さんは“エロガキ”がそのまま大人になったような人物です。

中級者以上のプロレスファンなら三沢さんの“下ネタ”好きは、わりと常識レベルのトリビアなんですけど、この度アカツキセンセイに漫画で描かれたことによって白日の下にさらされることとなりました。

みなさんもぜひごらんになって、三沢さんのイメージを壊してあげてください。

でも一応言っておきますが、リング上の三沢さんはそれはそれは凄かったんです。正に天才でした。

そしてもう一人心にグッとくるレスラーのエピソードが収録されています。

その人の名前は、

天龍源一郎(てんりゅうげんいちろう)

今ではTVのバラエティ番組なんかですっかりお馴染みになっていますが、この天龍源一郎という男、いや漢はですね、漢気溢れる豪傑なんです。

いつでもどこでも全力投球の“痛みの伝わるプロレス”を繰り広げ、試合が終われば自分たちだけでなく店の人全員のお会計をごっちゃんしてあげるなど、“昭和の”プロレスラーらしいエピソードがこれでもかと収録されています。

その他にも、もちろん全日本プロレスの創設者・ジャイアント馬場や、四天王と呼ばれた川田利明、田上明、小橋建太、“不沈艦”スタン・ハンセン、“超獣”ブルーザー・ブロディなど、伝説のレスラーたちの知られざる一面が描かれています。

時にシリアスに、そして時にお茶目な本作品は、プロレスにハマっているあなたにも、そしてこれからハマろうとしているあなたにもオススメの一冊です!

追伸:あとがきまで泣かせてくれます



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