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第五回WBC予選の概要と展望

来年の春、いよいよコロナでの延期を経て第五回WBCが開催されます。
組み合わせは以下のように発表されました。

予選突破国とあります

侍ジャパンは1次ラウンドにて韓国、オーストラリア、中国、予選突破国と対戦します。

ところでこの「予選突破国」とは、どこの国なのでしょうか。今回はその国を決めるWBCの「予選」について書いていきます。

◼️WBCの予選とは?

よく間違えられますが、侍ジャパンが来年の3/9〜3/13に東京ドームで韓国やオーストラリアと対戦するのは本大会の1次ラウンドであり予選ではありません
上の図の通りですが本大会の1次ラウンドにたどり着くために戦うのが「予選」です。

予選、1次ラウンド、決勝トーナメントの流れ

◼️侍ジャパンは予選を戦わないの?

第五回WBCは過去大会では「16」だった本大会の出場枠が「20」に増えることになっています。
その20か国の詳細は、
①前回出場16か国は自動で今大会も出場
②残りの4枠を巡り予選

という形式になりました。今回の予選は②をめぐる争いとなります。
なので前回大会にも出場していた侍ジャパンなどは今大会も予選を戦わず出場が決まっています。

■予選の出場国

予選は以下ように6か国×2グループによって行われ、各グループの上位2チームが本大会進出となります。

○パナマラウンド
パキスタン
ニュージーランド
パナマ
ブラジル
アルゼンチン
ニカラグア
○ドイツラウンド
スペイン
ドイツ
チェコ
イギリス
フランス
南アフリカ

※もちろん野球が行われいる国は他にも多くあり、東京五輪の予選であれば70か国ほど参加していたのですが、WBCでは野球の普及度や国際大会の結果から主催者(MLB)がこの12か国を選出しています。

■予選のフォーマットと日程

ドイツラウンド
ドイツラウンド日程
パナマラウンド
パナマラウンド日程

◼️展望

▼ドイツラウンド

欧州で2大会ぶりの本大会出場を狙うスペインが最有力と思われ、開催国のドイツに加えてチェコ、イギリスが追う形か。

スペインはキューバやベネズエラ等からの移民が多いこともあり、長らく欧州ではオランダとイタリアに次ぐ立ち位置。今回は元楽天のR.クルーズや元アストロズのR.アーメンテロス、MLBの有望株であるN.マルテ(レッズ1A+)などメンバー入り。

ドイツは地元開催、そしてレーゲンスブルクの欧州最大の球場にて声援を受け戦います。予選はメジャーリーガー不在のためケプラー(ツインズ)はいませんが、昨年に韓国で30本塁打のアルテール(FA)や元メジャーリーガーの捕手マクスウェル(モンクローバ/メキシコ)など強打者が今回メンバー入り。

チェコは欧州の大会ではオランダやイスラエルを倒したこともあります。他の欧州諸国と異なり帰化選手は少なく、飛び抜けた選手こそいませんが3Aでのプレー経験もある正捕手M.セルベンカ(プラハイーグルス/チェコ)を中心に安定感のあるチームです。

イギリスはアメリカ人やバハマ人の代表資格がある選手を多く招集しており、今回はバハマ人のT.トーマス(パイレーツ2A)や、両親がイギリス人のH.フォード(マリナーズ1A)とMLBの有望株もメンバー入り。来年はMLBの公式戦が再びロンドンで開催されることもあり、WBC本大会にも出場となればイギリス野球にとって大きな年となりそうです。

フランスはワールドシリーズ制覇の経験ある名監督ボウチー氏が指揮を取る予定。そしてメンバーでは母がフランス出身で元BCリーグ神奈川の杉浦健二郎投手もメンバー入り予定。今季メキシカンリーグで好投したY.カマチョ(プエブラ/メキシコ)も投手の中心となりそうです。

南アフリカは2009年以来のWBC本大会を目指しますが絶対的エースのD.アンスワース(メキシコシティ)が今季は怪我、元広島のT.スコット(パドレス)もメジャーリーグのシーズン中で出場が難しそうでやや苦しい情勢。

▼パナマラウンド

開催国であるパナマは戦力的にも頭一つ抜けており、それをニカラグアとブラジルが追う構図。

パナマは元ヤンキースのM.リベラなど排出した伝統国。ですが2013年と2017年は、どちらもWBC本大会は出場をあと一勝のところで逃しました。今回は現在マイナーリーグの中でもレベルの高い3Aや2Aから多く選手を呼ぶ予定で、悲願なるか。

ニカラグアは野球人気が非常に高く、本大会進出となれば盛り上がり必至なだけに、初出場を狙いたいところ。今回はマイナーリーグやベネズエラでプレーする選手が中心となりそうです。

ブラジルは2013年にWBC本大会へ進出した国。ビエイラ(巨人)やボータカハシ(西武)など日本球界にもブラジル人は多くいますね。今回の予選はNPBシーズン中の10月上旬のため、上記2人はメンバー入りの可能性は低いですが、マイナーリーガーや日本のアマチュア球界でプレーする選手が融合したチームになりそうです。

アルゼンチンはWBC予選初出場ですが、南米の大会では上記のブラジルを倒すこともあり侮れないチーム。代表選手には欧州でプレーしてる選手が多くいます。サッカーやバスケにラグビー等も強い球技大国のWBCにおける第一歩が始まります。

ニュージーランドは2018年に初めて国内プロチームができ、また近年はMLB球団と契約する若い選手が急増中。以前には元ロッテの清水直行さんがニュージーランド代表GMを務めており、清水さんは自身のYouTubeチャンネルでもニュージーランド野球について語っているので必見。

パキスタンはイスラム圏から唯一のWBC出場。この国の野球選手はクリケットから転向した選手が多いようです。前回のWBC予選は2試合ともコールド負けで敗退、今回は一矢報いられるでしょうか。

◼️最後に

WBC予選はWBC公式サイト(https://www.youtube.com/c/worldbaseballclassic)でライブ配信される予定ですが、普段は見れないような国の野球が見れる機会。野球好きの方々はぜひ楽しみしてほしいです。
そして侍ジャパンは本大会1次ラウンドで予選突破国と当たります。どこが来るのかも注目したい。

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