トップの国語力が無さすぎて

就活系口コミサイトの「経営者へのひとこと」に「何を言っているのか分からない」と書いてあって一人爆笑した。
そう、まさにここの理事長、「何を言ってるのか分かんない」んである。

「何が言いたいのか分からない」だったら、まだ分かる(何か哲学的)。言いたい事が良く分からないのは相手がケムに巻いてる可能性もあるし、言いたいことが何なのか、そもそも言いたいことがあるかどうかすら怪しい、というニュアンスなので、それだったら上司や経営トップ層にあり得る?話なのかもしれない。

そうではなくて「何を言ってるのか分からない」のである。それは私が入社した直後から感じていた事。理事長が事あるごとにみんなの前に出てきて色々語るのであるが、

・主語と述語が対にならない
・骨子が全く見えない
・論点も主張の核もどこにもない

そんな感じである。
うまく言い表せないのがもどかしいので実際の言葉を書き起こすと

「みなさんこれからの時代は高校生にちゃんと楽しさやワクワク感与えてますか、AIに取って変わられる時代ですよ、学校もマーケティングで何とかなります私のマーケティング哲学を学んだ田中さんや鈴木さんならこれから学校は大きく成長する、この間のコンテストであれ良いですねコスプレでやったのあんなのがこれからの時代コンセプトとしてのマーケティングって言うんですね、皆さんその辺大丈夫ですか?」

いやお前が大丈夫か?

私は割とトップの考え方を重視する人間なので、この人の挨拶の時には毎回しっかり耳を傾けてその真意をはかろうとするのだが、毎回ものすごく疲れて5分と聞いていられない。

恐らく致命的に無いのは経営力以前に国語力だ。

またものすごく笑える話もありまして。土日返上で行うオープンキャンパスのようなイベントでは、対応した生徒一人ひとりの様子を記録し、それを元にランク付けして戦略を練るテイになっている(実際練れているところは見たことがない)のだが、その記録を「全て話し言葉で書け」というのである。

登録する項目は「志望動機」なのに「えっとー友達から聞いたんですけどーてゆうか卒業できれば何でも良いかなって」みたいに書いていく必要があるのである。

それは理事長命令なので、ここの組織では絶対服従するしかない。建設的な提言はもとより、異論を唱えることも外様部隊の有益な話を共有することも叶わない。

この文章で何の戦略を練るというのか。いや練ってないからこそのこの指示なんでしょうけどね。たぶん国語が苦手だから論理的な説明文が読めないのだろう。話し言葉なら小説のように読んでいけるからね。
だいたい理事長がちょっとかじった程度のマーケティング論披露したところでバカを晒すだけなのに、聞いてる方も基本バカの集団だから誰からも非難されずに済んでいる。
口コミ情報によると「優秀な人間が一人辞めたくらいでうちはびくともしない」と言い放った事があるらしい。それはきっと本人の素直な感想なのだろう。本人が自身を優秀でないと認めているのであればまだ救いようはあるが、ただ本当にびくともしないくらいの相続資産があるので、きっとこのおぼっちゃまは死ぬまで勉強する事も学ぶことも知ることも成長する事もないだろう。

そもそも専門学校目指してくるやつのうち3分の1はコミュニケーションに難ありなのである。だからほとんど喋らない。喋らない中からこちらが手を替え品を替えでいろんな質問を投げかけ、頷きや呻き?のような少ないリアクションから本人の真意を測り出すしかない。

それなのに「高校生の生の声が知りたい」だとさ。だったらてめえがオープンキャンパスに足運んで高校生と喋ってみりゃいいだけだろ。現場に全く顔出さない理事長ならではの無意味戦略だよ。

で、オープンキャンパス当日の広報戦略は「今日は時期的に大学との比較者が多いです、その場合は専門学校の優位性を語っていただければ」程度なのである。

そんなの小学生でも分かるだろ。ていうか当日本人と話してみて「大学と比較してます」というのなら専門の優位性を語りゃ良いだろう。アンケートに書いてるくらいだからそれはすぐ教えてくれる。

そうじゃなくて、戦略ってのは。

50人の来校者のうち約半数から大学との比較層である事が分かっている。そのうち10人が◯◯大学との比較で今日のボリュームゾーン、この◯◯大学の場合は校舎が新しく設備が充実しているので、建物が古い我が校が見劣りするは可能性がある、我が校であれば広い敷地と最近のリニューアルで生まれ変わったスタジオの話をしておくべき。それ以外の大学では基本的には資格取得の優位性をアピールして欲しい

みたいな話だよ。

私がかつて勤めていた会社の広報戦略は非常に明快だった、そこで私が履歴書に堂々と書けるような営業成績を残したのは、まさに戦略がしっかりしていたからだとここのバカな広報戦略のお陰で気づくことができた。

こんな曖昧な広報戦略なのに、今期は最も広報部が評価が高く、その根拠が「パンフレットの絵柄が良かったからゲーム科の入学者が激増した」なのである。それ以外の要因には一切触れていない。

ちなみに過去の経験から軽く市場分析してみると、そもそもゲーム・アニメ・マンガは日本の成長分野なのだから国家プロジェクトレベルで推進されており、真の顧客である親の理解もかつてよりは得られやすくなっている。その上入学者本人が「やったあゲームで学校行けるんだ」と安易に入ってくる。だから人気急上昇なのは当たり前なんである。

しかも重要なのはここから。この激増したゲーム科の裏で学校の核となる一般的な情報技術科の入学者数がそれを上回る数で激減した事だ。

ただのパイの奪い合いである。しかも自分ところで奪い合いした結果,総数では減っているのである。何が褒められた事だろうか。ゲームだろうが何だろうが最初から我が校に入る気だったヤツが校内で横滑りしただけである。だから入学者数は減ってますって。

就活用の口コミサイトを見ていると、本当にその辺をしっかり指摘している人がたくさん居るのに、未だそこに目を瞑って知らないふりを決め込んでいる。とにかく専門学校つーのは、もう衰退の一途なんである。完全な赤字が続いていくことが見越されているのに、その戦略をどこにも梶切らず、入学者数減を現場の先生の勧誘力という事にして(ていうかむしろ広報の実態だろ)
しかも具体的な施策は出さずにただ「先生たちのやる気が足りない」とか言っている。
一応大枚叩いて雇ったコンサルに社会人向け講座を拡充しろと言われているのに、それらの具体的な施策が無いので関連部署は皆さん左遷組みたいになって毎年解体再編している。

だから全国どこの専門学校も潰れていっている通り、何の戦略もない我が校は本来それ以上のスピードで生徒減で成り立たなくなるのである。それをお坊ちゃんは先代の資産を食い潰し、減ることのないポケットマネーを生徒減の業界にじゃぶじゃぶ注ぎ込んで、「俺を馬鹿にした先生を見下してやる!」と楽しく新しい校舎を建ててご満悦なんである。

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