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PartyRockではじめて生成系AIアプリを作ってみたよ!みんなも遊んでみよう!

泥臭い仕事を効率化することを効率化したい「ぎだじゅん」です。
ライフイズテックという会社でサービス開発部 インフラ/SREグループに所属しています。

新しいことを学ぶのって結構パワーのいることで、まわりで必要だから覚えなきゃって空気になっても、学習するものに対してそもそも興味がもてないと頭に入っていかないし、なかなかやる気もおきないものです。

みんなで勉強しようってなっても頭に入っていかない・・・
(生成AIによるイラスト)

その興味をどのように持たせるのかってところが重要で、いきなり難しいことに興味を持たせようと頑張ろうとしても、自分にとっての達成感などが感じていかないとなかなか学習を前進させれない感じがします。
でも、小さくて簡単なことでも「わかった!」と思える達成感が少しでもあれば、それが継続されていくことで興味がどんどん湧いてくると思っています。

「わかった!」が大事
(生成AIによるイラスト)

仕事などで強制的に身についた「なんとなく」な知識があったとして、「ちゃんと学習しないと」という空気になったとき、すでに「なんとなく」知り得た内容があっても簡単なことろから学習して「達成感」を積み重ねていくことで、本当の興味に繋がり知識に深みが出てくるんだと思います。

その学習だと結構時間かかるけどね・・・
(生成AIによるイラスト)

・・・って、前説書いていますが、なんだかこれまでと違う真面目な前説やいつも使っている「いらすとや」と異なる画像にいちいち「(生成AIによるイラスト)」って書いてて、自分でも違和感を感じます。
なぜこんなことになっているのかをこれから説明していきます。

本題です。


AWSの生成系AI関連サービス「Amazon Bedrock」

いきなり生成系AIの話に飛びます。

生成系AI(Generative AI)といえば、テキスト生成のChatGPTOpenAI API)や、画像生成のStable Diffusion、コーディング支援のCopilotって名の付くいろんなサービスなど、ここ1年の間にいろいろな生成系AIサービスがでてきて、自分たちの生活や仕事にも少しずつ依存しはじめてきているのを感じます。

そんな中、2023年9月23日にAWSでもフルマネージドなAI基盤モデルを使って生成系AIアプリケーション構築ができるサービス「Amazon Bedrock」の一般提供が開始しました。

Amazon Bedrock ではAI21 Labs、Anthropic、Cohere、Stability AI、Amazon Titanなど、いろんな特徴を持つ基盤モデル (Foundation Models) を選択して使用したり、GUIの画面から独自のデータを使って基盤モデルをカスタマイズしたりすることができます。
このBedrockによる基盤モデルを、AWSのセキュアな環境の中で既存のAWS サービスを使用して構築することで、プライバシーとセキュリティを維持した生成系AIアプリケーションが実現できます。

で、この基盤モデル (Foundation Models) ですが・・・

って自分が説明できるほどの知識はないのですが、AWSの方が公開されているこの資料に利用できる基盤モデル (Foundation Models)のそれぞれの特徴やAmazon Bedrockの利用開始の方法がまとまっているので、こちらをぜひご覧ください。

さらに、生成系AIを使ってプロダクトの価値を高めるために必要な3つのフェーズ(Biz、Dev、ML)とそれぞれのフェーズで考えるべきことなどがまとまっている資料も公開されていて、とても参考になりそうな内容だったので紹介しておきます。

ということで、Amazon Bedrockのご紹介でした。
それでは、また!

・・・で終わったら、ブログのノルマにカウントされなさそうなので前節の意味がわからないので、このBedrockの基盤モデルを裏側で使用した生成系AIアプリケーションを簡単に作成体験できる新しいサービスも紹介します!


PartyRockで生成系AIのアプリケーションを簡単に作成

こういった生成系AIの基盤モデルって専門的で興味持てないとか、こういう技術を使うには、結局はがっつりコード書いたりAWSサービスを知っていないと利用できないからエンジニア以外には敷居が高いよね・・・って、思われた方に素敵な情報です。

このAmazon Bedrockの基盤モデルを使った生成系AIアプリケーションを簡単に作れちゃうプレイグラウンド環境のエンタメ系サービス「PartyRock」がAWSから発表されました。

あっ、違った・・・
こちらです。

PartyRock は生成系 AI の様々なユースケースをアプリケーションとして実現し、共有を可能にする AWS の新しいサービスです。
テキストによる指示画面操作のみで生成系 AI を組み込んだアプリケーションを作り、共有することができます。

Amazon Web Services ブログ より

Amazon Bedrock Playground である PartyRock は、共有可能な生成型 AI アプリ構築プレイグラウンドです。実践的かつ楽しい方法でプロンプト エンジニアリングを試してみましょう。数回クリックするだけでアプリを構築、共有、リミックスでき、生成 AI で遊びながらインスピレーションを得られます
(省略)
PartyRock アプリを構築して遊ぶことで
、基礎モデルが特定のプロンプトにどのように応答するかを理解すること、さまざまなテキストベースのプロンプトを実験すること、プロンプトを連鎖させることなど、生成 AI を始めるために必要な基本的なテクニックと機能について学びます
直感的な Web ベースの UI を通じて、誰でも PartyRock にアクセスできます
生成 AI の力を活用するために必要な基本的なスキルを学びたい人のために、PartyRock は Amazon Bedrock を使用して、強力な FM を実験するためのアクセス可能な環境を作成します。

PartyRock Guide FAQs「What is PartyRock?」より翻訳

PartyRock の裏側では先ほど紹介した Amazon Bedrock の基盤モデルが使用されており、PartyRock ではこれらの基盤モデルを用いたウィジェット(インターフェース)を組み合わせることで、生成系AIアプリケーションが自動で作成されます。

「でも、結局AWSサービスにクレジットカード登録してアカウント作成が必要なんでしょ?」って思った、あなた!

PartyRockは、AWS アカウントやクレジットカードの登録は不要です。

GoogleかAppleかAmazonのアカウントのいずれかのソーシャルログインは必要ですけど・・・

しかも今なら無料で使えます。(利用の上限制限はあります)
驚くほどと簡単に利用できるので、是非一度さわってみてください。

それでは今回、このPartyRockの使い方を紹介します。

レッツ、パ〜ティ〜タァ〜ィムっ!!
(生成AIによるイラスト)

①PartyRockへサインイン

早速 https://partyrock.aws/ へアクセスして始めましょう!!

 PartyRockへアクセスして「Sign in」をクリック。
所有のGoogleかAppleかAmazonのいずれかのアカウントでソーシャルログインを実施。
(ターンテーブル調がパーティーピーポー感を感じさせます)
ソーシャルログインでの認証後にユーザ名などの指定を行います。
「Username」には任意のユーザ名をアルファベットで入力。
下にはIP情報からご自身の所在地(国と地域)が表示されます。
問題なければ「Submit」を押す。
(もし日本国内なのに「Japan」じゃない場合は「Japan」を選択して修正したほうが良いかも)
終端をクリックすると緑のドットが配置されるので「送信」を押す。
PartyRockへのサインイン完了です!!

サインインできましたね!


②デモアプリをさわってみる

サインインした画面から「Build your own app」をクリックして、作成したいアプリケーションの要件(プロンプト)を記入するだけでアプリケーションを生成してくれるので、すぐ作りたい方は次の工程の「③アプリケーションを作成する」へ進んでもOKです。

でも、簡単にできるとはいえ初めてのツールでどのような要件(プロンプト)を書くとどのようなものができるのかを知ってから使うと、作ってみたいアプリケーションのアイデアもわいてくると思います。

ここではまずデフォルトで用意されているデモアプリケーションをさわってみて、後述の「App Builder」画面でどのような要件を入力をすると、どのような生成系AIアプリケーションができるのかを見てみましょう

デモアプリケーションへのアクセス方法

デモのアプリケーションは3つ用意されていて、以下ではそれぞれの生成系AIアプリケーションをどのような要件(プロンプト)を入力して作成されたものかをまとめました。

Haiku Creator(俳句クリエーター)
https://partyrock.aws/u/partyrock/jAJQ4WYAS/Haiku-Creator
ユーザ入力欄にトピックを入力すると、トピックに5-7-5の俳句と俳句をイメージした画像が出力。

App Builderで入力した要件(プロンプト)から作成されたアプリケーションの画面

Generate a 5-7-5 syllable haiku poem and a visual image based on user input.
(ユーザー入力に基づき、5-7-5音節の俳句とビジュアルイメージを生成します。)

App Builderに入力した要件(プロンプト)

Wired Tour Guide(ワイアードツアーガイド)
https://partyrock.aws/u/partyrock/a1cTSd2ea/Weird-Trivia-Tour-Guide-Discover-Unique-Insights-and-Stories-from-Any-Place
入力した場所(国や都市)に関する 5 つの奇妙でユニークで予期せぬ事実(?)をランダムで 200文字以内で教えてくれます。
また地元のツアーガイドとして詳細を説明するチャットボットも提供。

App Builderで入力した要件(プロンプト)から作成されたアプリケーションの画面

Generate an app that tells the user 5 weird facts about any location they enter. with a chatbot acting as a local tour guide.
(ユーザーが入った場所について5つの奇妙な事実を教えてくれるアプリを作ろう。チャットボットが地元のツアーガイドとして機能します。)

App Builderに入力した要件(プロンプト)

Podcast Generator(ポッドキャスト・ジェネレーター)
https://partyrock.aws/u/partyrock/wWo-KNwoS/Podcast-Generator
入力したトピックからポッドキャストのタイトルや説明や質問などの台本やイメージ画像、出演するキャスト(ホスト)2名のバックヒストリーと、それをふまえたキャストのチャットボットなどを提供。

App Builderで入力した要件(プロンプト)から作成されたアプリケーションの画面

Generate a podcast from a given topic. the podcast should consists of 2 hosts and allow me to chat with each of them.
(与えられたトピックからポッドキャストを作成する。ポッドキャストは2人のホストで構成され、それぞれのホストとチャットできるようにする。)

App Builderに入力した要件(プロンプト)

いずれも100文字前後の要件の文章を入力するだけで、要件に合わせたアプリケーションを作成してくれます。

そして、それぞれのアプリケーション画面では条件などを入力する項目(ウィジェット)と、AI機能(ジェネレータ)となる以下の3種類の項目(ウィジェット)が生成系AIアプリケーションの画面内にいくつか構成されていることがわかります。

  • テキスト生成(Text Generation)
    テキストをAIで生成するウィジェット

  • 画像生成(Image Generation)
    画像をAIで生成するウィジェット

  • チャットボット(Chatbot)
    AIチャットボットでの対話を行えるウィジェット

入力する項目(ウィジェット)からこれらのAI機能(ジェネレータ)の項目で生成するように指定したり、AI機能(ジェネレータ)で生成したものからさらに別のAI機能(ジェネレータ)で生成されるように連携したりすることで、要件に合わせたアプリケーションが生成されます。


③アプリケーションを作成する

では実際にアプリケーションを作成してみましょう。
「Build your own app」をクリックして作成開始します。

「Build your own app」をクリック

「Build your own app」をクリックすると「Add builder」ウィンドウが表示します。

「Add builder」ウィンドウ

ここではどのようなアプリケーションを作るのかの要件を入力します。

  • PartyRock は、現状では英語のプロンプトでのみ使用することを目的としている模様ですが、日本語で入力してもアプリケーションは作成してくれます
    ただし、内部で一度英語に訳されて生成しているようなので、文章によっては若干おかしな訳され方で生成されることもあるかもです。

私はよくnoteで「いらすとや」のイメージを使わせてもらっていますが、これを代替するような画像生成アプリケーションができないかと考えて、今回、以下のような要件で作成をしてみました。

ブログなどで使うコミカルな画像を作成するアプリケーション。
画像で表現するシチュエーションを入力することで、そのシチュエーションにあわせた表情をするキャラクター画像を表示します。

入力する要件(プロンプト)
要件(プロンプト)を入力して「Generate app」を押す

できあがったアプリケーションがこちらです。
アプリケーションのタイトルや説明文、各項目(ウィジェット)などはPartyRock側で自動で生成して作ってくれました。
(それもあってアプリケーションのタイトルに少し違和感が・・・)

画像生成系AIアプリケーションができた!(と思う・・・)

上の「Situation」の項目に作成したいキャラクターの内容を入力すると、「Character Image」の項目で Situation で入力したイメージのキャラクター画像を生成してくれます。

  • PartyRock でもっと細かい要件(プロンプト)を書いて作成されるアプリケーションの精度を上げたい場合は、以下で紹介されているプロンプトエンジニアリングなどを参考にしてください。

できあがったアプリケーションを実際に使ってみましょう。


④アプリケーションをさわってみる

実際に使ってみました。

「Situation」に「びっくりした表情をしたサラリーマン」と入力すると・・・
「Character Image」にこんなキャラクター画像が生成されました
(生成AIによるイラスト)

私が個人的に好きなジュリアン・オピーの作品を思わせるようなイメージ画像ができました(そんな要件は出していませんでしたが)。
たしかにスーツを着たサラリーマン風の男性がびっくりした表情しています。ちょっと髪型に目がいってしまいますが・・・。

細かい気になる点はありますが、要望に沿ったアプリケーションが自動で完成したことがわかりました。

念のため、ほかの画像を作ってみましょう。
今度はnoteでよく使っている「二度見する男性」で作成してみました。

「Situation」に「二度見する男性」と入力すると・・・
「Character Image」にこんなキャラクター画像が生成されました
(生成AIによるイラスト)

えっ、驚いている印象はありますが二度見るイメージとはちょっと違う。

イメージしていた感じの画像
(これはいつも使っている「いらすとや」の画像です)

海外などで「二度見する」って言葉が表現として通じるのかはわかりませんので、その影響かもしれませんね(憶測)。


⑤アプリケーションをカスタマイズしてみる

自動生成されたアプリケーションはカスタマイズも可能です。
レイアウトを変更したり、チャットなどの新しい項目(ウィジェット)を追加することができます。

レイアウトの変更、大きさの変更、文言変更など

各項目の右上にあるアイコンをクリックすると、各項目(ウィジェット)の配置や表示サイズ、タイトル(Widget Title)や他の文言(PlaceholderやContent、Default valueなど)を修正できます。

右上にあるアイコンをクリックすると編集画面に変わります
ウィジェットの編集画面
(「Widget Title」は日本語入力ができませんでした)

ウィジェットの追加

アプリケーション画面上で使用できる項目(ウィジェット)として以下の5つのウィジェットが用意されています。

  • User Input
    アプリケーション利用者が生成物の条件などをテキストで入力するウィジェット
    (今回作成された「Situation」の項目でも使用されている)

  • Static Text
    アプリケーションの説明文など定型の静的テキストを表示するウィジェット
    (今回作成された「Comical Image Creator」の項目でも使用されている)

  • Text Generation [AI Powerd]
    テキストをAIで生成するウィジェット

  • Image Generation [AI Powerd]
    画像をAIで生成するウィジェット
    (今回作成された「Character Image」の項目でも使用されている)

  • Chatbot [AI Powerd]
    AIチャットボットでの対話を行えるウィジェット

このウィジェットから今回「Text Generation」を使って、「Image Generation」で生成されたキャラクターの特徴の説明をテキスト生成するようにアプリケーション画面に追加してみます。

「Edit」ボタンを押す
「+ Add Widget」ボタンを押す
下の空いているエリアにウィジェットの追加画面が表示

ウィジェットの追加画面が表示したら、作成したいウィジェットの種類を選択します。
今回はテキストをAIで生成するウィジェットを追加したいので、「Text Generation」をクリックします。

「Text Generation」をクリック

「Text Generation」の編集画面が表示されるので、ここで必要な設定を行っていきます。

「Text Generation」の編集画面
  • Widget Titleには該当のウィジェットのタイトルを入力します。
    入力可能な文字はアルファベット、数字、スペースのみです。
    今回はキャラクターの説明を表示させるので「Character Description」とします。

  • Modelの箇所ではテキスト生成で使用するモデルを選択ができます。
    各モデルの特徴などの説明は割愛しますが(というかわかりませんでした)、モデルごとに消費するクレジット(後述で説明します)が1~3バーのスケールで表されており、高性能なモデルほど多くのクレジットを消費する模様です。( ここでいうクレジットは利用金額のことではありませんのでご安心を)
    今回は「Cohere Instant」を使用します。

  • Promptには「Text Generation」で生成するテキストの要件(プロンプト)を記入します。
    今回は「Character Image」で生成された画像の特徴などを説明する文章を生成させるため「Character Image の特徴を100字以内で箇条書きにしたリストを作成する」と記入。

    • 文章の「Character Image」の箇所は実際のウィジェットの出力結果と連携するため、「@」を入力して「Character Image」を選択して記載します。
      そうすることで、指定したウィジェットの出力結果を「Text Generation」で生成するテキストの要件(プロンプト)の入力情報として使用できます。

  • Advanced settingsではこのウィジェットでのジェネレーターの詳細設定を提供します。
    「Text Generation」ではモデルの温度(Temperature)およびトップ Pパラメーターが調整でき、この数値を調整することでLLMの応答のランダム性が増し、より創造的で想像力豊かなテキストが得られます。
    詳細はこちらを参照ください。

    • 数値を増加させると、モデルの応答のランダム性が増加し、より創造的で想像力豊かなテキストが生成されます。

    • 数値を下げると、より事実に基づいたテキストが生成されます。

今回は以下の内容で設定しました。

「Text Generation」の編集画面で設定して「Save」を押して右上の「×」マークを押すと編集完了

レイアウトの変更、大きさの変更、文言変更などもろもろ修正して、キャラクターの説明を生成するウィジェットも追加したアプリケーションがこちらになります。

「アプリケーションが完成して喜ぶエンジニア」でキャラクター画像を生成してみた

キャラクターの作風がなぜか変わったけど、結構いい感じにできあがったと思います!!


⑥アプリケーションを公開してみる

作成したアプリケーションは公開して他の人にも利用してもらうことができます。

<アプリケーションの公開>

右上の「Make public and Share」をクリックすると公開されます
「Make public and Share」をクリック後に表示された画面で
「Copy link to clipboard」を押すと公開用URLがコピーされます。
公開されているアプリケーションではヘッダーが黄緑のグラデーション表示に変わります。
(右上に「Your app is public.」と表示されます)
右上の「Share」をクリックすれば公開用URLがコピーされます。

なお、アプリケーションを公開する場合は、公開する前に、作成したアプリケーションがPartyRock コミュニティ ガイドラインに従っていることを確認したうえで問題がないようであれば公開をください。

<アプリケーションの非公開>

公開したけど、やっぱり公開したくない場合には右上の「Your app is public.」の「public.」部分をクリックすると「Make private」ボタンが表示されるので、このボタンを押せば非公開になります。

「public.」部分をクリックして表示した
「Make private」ボタンを押すと非公開になります。
非公開にすると右上に「Your app is private.」と表示されます

今回作成したアプリケーションを公開

今回作成したアプリケーションはこちらで利用できます。

  • アプリケーションを実際に利用するには、利用者側もPartyRockへソーシャルログインする必要があります。

■表情キャラクター生成アプリ

https://partyrock.aws/u/gidajun/JCpYhrATZ

「Situation Input」から作成したいキャラクターの表情や姿などを
入力し始めると画像の生成が始まります。

ちなみに今回のnoteの投稿で(生成AIによるイラスト)と書かれた画像はすべてこのアプリで生成されたものになります!!


PartyRockを利用にあたっての注意事項

こんな素敵な生成系AIアプリケーションを作成して遊べる環境を無料で体験できるのはとても素晴らしいのですが、タダほど怖いものはないので、PartyRock を利用するにあたって注意しておくべき事項を紹介しておきます。

■クレジットの消費について

PartyRockは現在は期間限定で、クレジット カードの提供や AWS アカウントへのサインアップを必要としない無料トライアルで提供しています。
これにより、課金の発生を心配することなく利用することができます。

ただし、無料トライアルの新規利用時にクレジットと呼ばれる利用可能な容量が割り当てられており、これらがすべて消費されると利用できなくなります。
つまり、無料トライアルは利用にあたって料金はかかりませんが利用できる量が設定されて制限されています

  • ここでいうクレジットは利用金額のことではありませんのでご安心ください。

  • すべて消費されると利用できなくなるとはっきりした明記は見当たりませんでしたが、おそらく利用できなくなるんだと思います

また、AWSのEC2のt系インスタンスやEBSなどでもおなじみのクレジットとは異なり、現状では消費されたクレジットを増やす手段はない模様です。

このPartyRockのクレジットは、入力、出力、生成されたイメージによって計算され消費されて行きます。

PartyRock クレジットは、入力トークン、出力トークン、生成されたイメージによって計算されます。基礎モデルでは、トークンはいくつかの文字で構成され、ユーザー入力を理解して結果の生成を促すためにモデルが学習する基本単位を指します。

PartyRock では、入力トークンは指定されたプロンプトに基づいて使用されます。プロンプトは、生成 AI に特定のタスクの実行を要求する自然言語テキストです。これには、アプリ ビルダーを使用してアプリを構築することや、結果を返すためにアプリ ウィジェットにテキストを追加することが含まれます。出力は、テキストまたは画像の入力に基づいて、PartyRock の内部で動作する基盤モデルが返す生成された結果で構成されます。

PartyRock クレジットの使用量はモデルによって異なり、ユーザーが生成 AI を使用する際にコストを考慮して直感的に判断できるようになります。各モデルの相対的な消費量は、モデル選択ドロップダウンのスケール (1 ~ 3 トークン スタック) で表されます。(3 トークン スタック) は最も多くのクレジットを消費し、(2 トークン スタック) は中程度のクレジットを消費し、(1 トークン スタック) は最も少ないクレジットを消費します。(トークン スタック アイコン) は説明のみを目的としており、消費されたクレジットを 1:1 で表したものではありません。

PartyRock Guide FAQs「How do I track my remaining free trial usage?」より翻訳
  • ⑤アプリケーションをカスタマイズしてみる」のウィジェットの追加で少し触れましたが、「Text Generation」などのウィジェットでは選択したモデルによって消費される量が変わってきます。

「Text Generation」でのModelの選択画面

利用しているアカウントでの残りのクレジット量については、左上にある「My Apps」をクリックして表示する「Backstage」画面上で「My PartyRock Credits: XX% Used」としてクレジットの消費量をパーセンテージでリアルタイムで確認できます。

現在1.0%のクレジットが消費されていることを確認できました

■公開アプリケーション利用側のクレジット消費について

なお、このクレジットですが公開したアプリケーションを利用されているときはアプリケーション作成者側のクレジットは消費されませんが、アプリケーションを利用した側(利用者側)のクレジットが消費されます。

私のアプリをプレイしている他のユーザーは私のクレジット消費に貢献しますか?
いいえ。各ユーザーの消費量は、アプリの作成者に関係なく、入出力トークンと生成されたイメージの使用に基づいています。アプリ作成者は、アプリ ビルダーを使用してアプリを作成するとき、またはアプリを操作して結果を生成するときにのみ PartyRock クレジットを消費します。

PartyRock Guide FAQs「Will other users playing with my app contribute to my credit consumption?」より翻訳

公開したアプリケーションを利用する場合は、利用者側もソーシャルログインをしないと利用できないようになっており、ソーシャルログインした初回に割り当てられたクレジットは、アプリケーションの作成時だけでなく公開されている他者のアプリケーション利用時にクレジットが消費されていきます。

利用者側も同様に所有のGoogleかAppleかAmazonの
いずれかのアカウントでソーシャルログインが必要

■入力データの利用ポリシーについて確認する

PartyRock での入力したデータなどは以下のように利用されます。

PartyRock サービスにアクセスして使用するためにお客様が提供した情報は AWS によって収集され、 AWS プライバシー通知に従って使用されます。この情報には、PartyRock の使用時に提供する入力および生成する出力 (「PartyRock データ」) が含まれており、プライバシー通知に基づく「コンテンツ」を構成しません。
当社は、AWS および関連会社の機械学習および人工知能テクノロジーを開発および改善するために PartyRock データを使用します (オプトアウト方法については以下を参照してください)

PartyRock Guide FAQs「How does AWS use my PartyRock account information and information I enter into PartyRock, such as input and app descriptions?」より翻訳

なお、サービス向上のためにPartyRock データが使用されることをオプトアウトしたい場合は、左上にある「My App」をクリックして表示する「Backstage」画面にて、PartyRock クレジット トラッカーの下にスクロールして、「Share PartyRock Data with AWS」のチェックボックスを外すことでオプトアプトできます。

「Share PartyRock Data with AWS」のチェックボックスを外すことでオプトアプトする

その他、PartyRockを利用するにあたっての注意事項などは以下のFAQsでも確認できますので、こちらも一度確認ください。

■コミュニティガイドラインを守る

PartyRockを利用する前に公開されているコミュニティ ガイドラインをよく理解しておく必要があります。

ちなみに今回、Text Generationでテキスト生成するウィジェットを使った際に、自分をイメージする画像を生成する際に「太っている男性」のような入力をしたところ、Text Generationのウィジェットでは「申し訳ありませんが、その要求は差別的または有害な内容を含んでいる可能性があるため作成できません。」のような文章が出力されました。
このあたりは基盤モデル側でコントロールや制限されているかもしれません。(モデルによって異なるかもしれませんが)

次のようなコンテンツを作成または共有しないでください。 有害、攻撃的、または不適切とみなされる可能性のあるコンテンツ (嫌悪感のあるコンテンツやその他の軽蔑的なコンテンツなど)。暴力、テロリズム、または違法薬物の使用を含む違法行為を脅迫、促進、または奨励するもの。悲劇的な出来事や災害を軽視したり否定したりする。児童の性的虐待または搾取を促進するもの。または、同意のない親密な画像や合成または操作されたメディアを含む、その他の露骨な性的素材が含まれます。

コミュニティガイドラインの「Be respectful.」より翻訳

■18歳未満はPartyRockを利用できない

生成系AIのアプリケーションがどのように作られるかなどがよくわかる素晴らしい学習ツールでもありますが、コミュニティガイドライン にて「* You may not use PartyRock if you are under the age of 18.(※18歳未満の方はPartyRockをご利用いただけません。)」と記載されていました。
中高生の生成系AIに関する学習ツールとしてもとてもよさそうなのですが、アプリケーションを無条件で公開できる部分がいろいろ引っかかるのかもしれませんね。


【重要】PartyRockはあくまで遊んで学習する環境

PartyRockは専門的な知識がなくとも生成系AIアプリケーションを作成することができる、とても面白いサービスです。

ただ、このPartyRockの立ち位置はあくまで遊んで学習するプレイグラウンド環境です。
ここでアプリを作成しながら遊ぶことで、Amazon Bedrockなどの基礎モデルが特定のプロンプトでどのような応答をするのかを理解したり、さまざまなテキストベースのモデルやプロンプトの実験、プロンプトの連鎖など、生成 AI を始めるために必要とされる基本的なテクニックや機能について触れて学ぶために提供された環境です。

なので、本格的なアプリケーションをPartyRockで作成して商用利用するようなものではないことを理解したうえで利用するようにしましょう。

Have fun.
PartyRock は、生成 AI について楽しく学べるスペースを提供します。
Be safe.
PartyRock は教育とエンターテイメントを目的としています。
医療、健康、財務、法律上のアドバイスを提供する、またはそれらとみなされる可能性のあるコンテンツを作成しないでください。
自分の個人情報や他人のプライバシーを侵害するコンテンツは含めないでください。
たとえば、電話番号、電子メール アドレス、住所、その他の個人情報は含めないでください。

コミュニティガイドラインの 「Have fun.」と「Be safe.」を翻訳

最後に

実際にPartyRockを使ってみて、テキスト生成と画像生成とチャットボットの機能を連携させた生成系AIアプリケーションの作り方などを体験し、それらの機能がどのような連携をして実現しているのかを実際に見て知ることができました。

また、PartyRockを使ってみて改めて感じましたが、生成系AIサービスが増えていく中でこれらのサービスやツールを上手につかっていくには、どのようなプロンプトで上手に指示や要望、命令をするかによって精度が変わってくることを実感できました。

仕事でのリアルなコミュニケーションなどで上手にメンバーや部下に指示や要望が出せないと、思ったような成果物が出来上がらないのと同じ感じですので、自分も気を付けます。

アプリケーションで生成した、仕事ができそうな人のイメージ
(生成AIによるイラスト)

あと、自分の本来の業務の分野(?)であるセキュリティ関連でもMicrosoft がSecurity Copilotの早期アクセスプログラムを開始したりして、自分の泥臭い仕事もAIによって効率化できるようになっていくサービスがでてきているので、生成系AIの分野は引き続きウォッチしていきたいと思います。

最後までご購読いただきありがとうございました!!

著者をイメージしたキャラクターがお礼
(生成AIによるイラスト)

こんな新しい体験もチャレンジできる今の会社はとてもいい会社なので、興味のある方はこちらも是非見てみてください。

あと、2023年12月31日に弊社で「LLMと歩んだ2023忘年会 - 最前線」と題して、この先「生成AI」元年を振り返り、LLM(Large Language Models)の活用法を探る特別イベントを開催します。
LLMを活用して実際にプロダクトを創出した先進的プレイヤーたちが集い、知見と経験を共有し、LLMがもたらす無限の可能性について深く掘り下げていく面白いイベントになると思いますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。



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