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絶対詩:「居眠りしていることば」(現代詩)

▼フォルテ
ジャンガリアンハムスターは時々僕にアップルパイをくれる。豆腐の角を曲がり切った都営浅草線が、ラージヒル団体への参加を名乗り出て、生コンクリートのような強くて儚い声援が届けられる。文明と未来は殴り合いつつも水面下では握手をしていた。

▼現象59
ライオンがカステラに相談している。バス停には長蛇の列が出来ているというのに。陽炎を老舗豆腐店のような裏声で颯爽と着こなし、古い旅館の女将さんと交渉する。
四千年の歴史を持つ希少部位のホルモンと桃源郷を微分したときの残響は、民意を反映することなく、3丁目から6丁目までを練り歩くのだ。インダストリアルポリマーが見る夢の切れ端から線分ACに向けて垂線を引く。

▼ピアニッシモ
雌のカブトムシが先か、雄のカブトムシが先かについて、市立の小学校で物議を醸し、車川くるまがわさんの一声でパルメニデス的な結論に至った。
それは「噛むは噛む、飲むは飲む。噛むなら飲むことはなく、飲むなら噛むことはない」だった。
あまりにも前方後円墳だったため、緑色以外は目を閉じて、デンマークカクタスをするのだった。ツキノワグマがPTA会長になるのは必定で、非有は無ではなく、別の有だと主張する。マリアナ海溝が【深さ】の意味を隠蔽する。

エンタングルメントもつれ
クビワペッカリーは仲間になった。嬉しさのあまりに脱皮。
ジャンガリアンハムスターも仲間になるのだが、それは昼寝をしているマレーバクの夢のBメロに書き込まれる、幻影から漏れたおみおつけとしての【存在に対するよそよそしさ】だった。

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