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小説:狐

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『狐』 ジブラルタル峻 作 2024年2月6日、30投稿にて完結。
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#個性

小説:狐028「個性」(1378文字)

「で、何だ、なんかあったのか?」  スミさんの顔色は悪いままだ。肌の色・質感がまるで粘土だ。私が球状の氷を入れずにビールを飲むのがそんなに奇異なのだろうか? そもそもこっちのほうが一般的な飲み方のはずだ。 「なにかあったと言えばあったし、なかったと言えばなかったって感じです」 「おいおい、ナリさん。変な言い方するなあ。あんた、もっとまともだったろ」 「『狐』ってこういう所ですよね」 「あ、ああ、確かにそうだ。まともなやつはあんまりいねぇな。みんなだいたいまあ何つーか、平た