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【教育書】授業で学級をつくる #12

こんにちは。GIANT KILLINGです。

今回は、
新学期が始まる4月におすすめしたい
土居先生の『授業で学級をつくる』を紹介します。

授業で学級をつくる

めちゃめちゃ勉強になる一冊です。
授業だけ、本気でやっていても学級は回らず、
隙間隙間に楽しいレクをしているだけでも、
学級づくりはそうそう上手くいきません。

土居先生が本書で述べている
授業を通して、
学級づくりをする考え方には感銘を受けました。

大切にしたい考えですので、簡単にまとめます。


本の概要


授業を通して、学級づくりを行うとは、
授業の中で学習内容を教えつつも、
こんな子どもに育てたいという裏のねらいを
意図的に指導していくことです。

ただ授業をするのではなく、
「こんな子たちになってほしい。」
「ここを頑張ってほしい。」


このような教師の大切にしたい考えを
授業を通して、子どもたちと共有していきます。

特に4月の1ヶ月・学級開き期間では、
教科のねらいよりも、
裏のねらいを意図的に重視することが大切です。

「今年の先生はこれを大切にしているんだ。」
「ここにこだわる先生なんだ。」

早い段階で子どもたちが教師の考えに
気付くことで頑張ることが明確になり、
学級づくりがより上手くいくようになります。


土居先生は学級づくりの裏のねらいとして、
次の4点を挙げています。

①積極性 ②スピード ③丁寧さ ④他者尊重

この4点を学級指導の基礎的資質としています。

①積極性を引き出す。

子どもたちの充実した学校生活に
積極性(やる気)は必要不可欠です。

子どもたちの積極性を引き出すためには、
まずは、挙手のハードルを下げ、
無理のないことを求めるようにします。

だれでもやればできるようなことを、
黙ってやり過ごすようでは賢くなりません。

ここはみんなの積極性を引き出そうといった場面を
授業の中で意図的に用意します。(裏のねらい)

このような場面を複数用意し、
挑戦を歓迎するような教師の言葉がけ、
クラスの雰囲気が出来上がると、
子ども達が何事にも進んで取り組むようになります


②スピードを上げる。

何事も子どもたちの取り組むスピードが上がると、
時間的に余裕ができます。

そうすることで、
時間をかけてじっくり取り組みたい活動の時に
丁寧に指導したり、
余裕をもって活動に取り組む事ができたりします。

子どもは放っておくと、遅くなります。

ある程度スピードを求めるときは、
活動の前に時間の目安を伝えておきます。

見通しをもって活動に取り組めるようにし、
自分で考えて素早く行動できる子に育てます。


③丁寧さを求める。

字を丁寧に書く。提出物を丁寧に出す。

丁寧さは、いたるところで必要です。

上手にできなくてもよいから、
丁寧に(ゆっくりと)やる場面を用意します。

スピードを求める活動と
丁寧さを求める活動を使い分けられるように
子どもたちを鍛えることが大切です。


④他者を尊重する。

他者を尊重するとは、
全員で仲良くしようということではなく、
お互いを尊重し、認め合えるようにすることです。

人によって、
考え方もやり方も違うということを
随所で子どもたちが実感できるようにします。

練習問題の数など、
早い段階で平等と公平の違いについて、
理解を深め、他者尊重の雰囲気を作ります。

平等…偏りがなく、全てのものが一律。
公平…個々の違いをならし、同じ機会を確保する。


おわりに(こんな人におすすめ)

学級指導の基礎的資質について、
授業の中で意図的に指導することが大切です。

教師が指導しないということは、
逆を言えば、
それを認めているということになります。

・分かるのに手を挙げない。
・ゆっくりとダラダラ活動する。
・ノートに雑に書く。

これらを認めずに、
しっかりと指導することが大切です。

バタバタと忙しい学級開きの時期には、
ここまで進めなくては…
隣のクラスより遅れているかも…と
教科のねらいばかり意識してしまうことがあります
私も経験があります…、、

学級をまとめていく上では、
日々の授業で裏のねらいを重視しながら
指導していく時期も重要だと、
本書を読んで痛感しました。


・学級づくりに自信がない先生

・よりよい学級集団を育てていきたい先生

GIANT KILLING一押しの本ですので、
お忙しい時期ではありますが、
手に取ってもらえると嬉しいです。

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