勝つこと

やっぱり大切だなと思います。

勝敗にこだわって勝つこと。

負けて得るものがあった。負けて気づいたことがあった。だから今回は負けて正解だとかそんなのはただの言い訳だと思います。
なぜなら負けて得るものは勝つための素材やレシピを手に入れただけだからです。
本来の目的は、やはり勝って出来上がった料理を楽しむことなのですから。
「負け」は意味を見出せないと本当に意味の無いもので終わります。

「勝利」には格別の意味があります。
その意味は知らない人はいないはずです。勝つか負けるかを選択できるとした時に負けたくて負ける人なんていませんから。

ただ、その「勝利」に美学がなければ「勝利」をただの「出来事」に変えてしまう。

日本人的に言うなら「武士道」のような精神で挑み、勝つ。
正々堂々本気で戦う。相手をリスペクトする。応援してくれた人に感謝する。
そのような気持ちがスポーツにおいて大切だと思います。

私たちは戦争をしているのではないですから、相手をやっつけることが目的ではありません。
選手がズルしたり、欺いたり、指導者の駒になって勝ったところでそれは選手やサポーターにとって「勝利」を「出来事」に変えてしまうだけです。
「試合」にではなく「勝負」に勝って欲しいのです。
困難を乗り越え、己に克つ。そして戦いそのものを楽しみ勝利し、喜びを分かち合う。

勝利した喜びの瞬間というのは、選手自身も今までの苦労や辛いことを忘れます。その瞬間は他の色々な辛いことを忘れます。そして、応援している人にまでもそれは伝染します。

そんな瞬間を待っているサポーターがいます。
もしかしたら保護者以外かもしれません。選手も知らない誰かがその瞬間を待ってくれているかも知れません。

コーチを始めてみて思うことの一つに、このちっぽけな弱小少年サッカークラブには想像以上に多くの人が関わっていたり、知っている人がいます。
それはたくさんのOBであったり、近所の人、練習をたまたま見かけた人など様々です。
もちろん私はその全てを知っているわけではありませんが…。

私たちのサッカーで誰かを幸せにしているかもしれないと考えたらそれは本当に凄いことだと思うし力がみなぎってくる。

まだ知らない誰か。これから知る誰か。何処からか見守ってくれている誰か。一生懸命に生きた誰か。
そんな誰かに勝利を届けるサッカーをする。

これは指導者としてではなく私の決意であり宿命だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?