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機動戦士ガンダム ゴーストクロニクル series 000

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UC0079 GUNDAM styling work 【GHOST CHRONICLE】機動戦士ガンダム一年戦争異伝 series 000
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2023年5月の記事一覧

scene 012 ネバーギブアップ

scene 012 ネバーギブアップ

 「…………オペレーター。旗艦より発進の4機と、狙撃2機が、突入する様だ。見えているか?」

 ウルザンブルン艦隊2番艦のブリッジ。キャプテンシートに座するオルドー・ゼスト大尉が、上方スクリーンを見つめながら尋ねた。
 その目は不審者を見るように細められ、その声は訝しげだ。

 艦の目であるオペレーターに向かって、見えているか? などと、問うたのには理由がある。
 スクリーンに映る6つの光点は明滅

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scene 011 阿修羅の戦士

scene 011 阿修羅の戦士

「敵機撃墜!! ザクです! 先制しました! スコアはG1!」

 最大戦速の強烈なG、敵艦隊の嵐の様な砲撃を受けての激しい衝撃と、眩しいスパーク。平衡感覚がどうにかなってしまいそうな程に狂おしいP004のブリッジで、インフォメーションが轟いた。
 オペレート・オフィサー=カイン・インだ。
 音など聞こえるはずがないと錯覚しそうなこの状況で、その声はとてもよく聴こえてくる。声量に溢れていて、しかし、

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scene 010 White shoot Red shot

scene 010 White shoot Red shot

「sniper mode」

 機械的な擬似音声がした。機体の多数のギミックが、細かく切り替わる複雑な振動が、小さく伝わってくる。

 激しいメガ粒子砲撃を受けて雷光迸るP004を盾にする後方に位置取って、ビームライフルを構えるG型がいた。G4=クラウザー機だ。

 ────君をP004のMSPとして迎えたい────

 今、クラウザーはP004のMSPとしてG型を駆っている。ただし、チームとは連

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scene 009 激闘の予感

scene 009 激闘の予感

「……! 高熱源体多数発生! 敵MS! 艦隊進路上! 先刻の二頭立て再捕捉地点!!」

 追撃艦隊1番艦『ベルセルク』でオペレーターが叫んだ。

「なにいいいいい!!? 本当に!! 居たのか!!?」

 ブリッジの空気が震える大音声が轟いた。呆気に取られた大口を開けている、ベルセルク艦長=ワーデン大尉だ。
 続いて、怒号とも響めきともつかない、ざわめきが起こる。

「コミュニケーター! 全艦隊に通

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scene 008 テイクザリード

scene 008 テイクザリード

 P004のブリッジは、推力80%の高加速で振動していた。
 舵を取るエレンは、立座の姿勢で操舵手席に身を預けている。
 普段は背を合わせるカインとアダムの座席も、90度回転して今は進行方向を向いている。
 そして、カインが見つめるディスプレイには4つの光点が瞬いていた。と、突然に、光点が増えだした。

「敵艦隊より高熱源体分離! 熱源、レベルC! ザクです!」

 カインの声が響いた。

「ええ

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scene 007 ノルンの三銃士

scene 007 ノルンの三銃士

「……! 艦隊進路前方に高熱源体発生!」

 追撃機動艦隊1番艦『ベルセルク』のブリッジで、オペレーターの声が轟いた。

「なに! 二頭立てか?」

 振り向いて、ワーデン大尉は叫んだ。

「ヤー、艦長! 間違いありません、二頭立てです! 先程の戦闘宙域です! やりました、再補足!」

 ブリッジに歓声があがった。ワーデンはギュオスを振り仰いだ。

「お見事です、少佐殿! しかし、良く当たりました

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scene 006 スクランブルエッジ

scene 006 スクランブルエッジ

 パパパパ……

 コマンド・コンソールのモニターに、クラウザーのシミュレーションデータ結果が表示された。

(ノービス…じゃないの! なによ、使えないじゃない! 何処が天才よ! ばかみたい!)

「パワーレベル100になりました。機関起動終了、です……」

 ブリッジクルーのとりどりの報告に混じって、エレンが言った。
 戸惑う様に振り返り、艦長を、そしてシュアルを見た。

「コマンダー 、MS発

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