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【人形】秋の人形展へ 古書Dorisと最後のパラボリカ・ビス

先日、滞在時間実に6時間という超短期決戦型上京をして参りました。
多少勿体無い気もしましたが、感染広がる中ではありますので、目的以外は完全カット、飯も食わない、携帯手指消毒でぷしゅぷしゅやりながら、お人形展二つと刀剣メインの展示を一つを回ってきた次第です。

羽田空港に降り立ち、まずは鶯谷に向かいました。
電車を乗り継ぎ数十分。初めて降りる鶯谷駅。
駅から少し歩いたところに「古書Doris」さんはありました、思ってたより近かった^^
以前より訪れたいと思っていた古書Dorisさんは、入った瞬間からびっしりと並ぶ本の森。古本の独特の香り、並ぶタイトルがお耽美で、これはじっくり腰を据えて見て回りたい所ですが、何せ時間の少ない短期決戦の旅。。
お人形の写真集を一冊購入させていただくに留まったのですが、もっと色々探したかったなぁ。。

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そんな本の森の中に、ひっそりと身を寄せていたのが、土谷寛枇さんのお人形たちでした。
複数人の企画展で土谷さんのお人形を見せていただくことは度々ありましたが、個展という形では初めてでしたので、まとめて複数のお人形を見ることが出来て良かったです^^
なんと写真もOKということだったので、少しだけ撮影させて頂きました!
今回は一眼レフは持ってきていないので、超古いスマホでの写真になります。
最近の性能の良いスマホカメラではないので、じゃみっとしてますが。。

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やはりスマホで上手に撮るのは難しいですね。。
特に1、2枚目の「ふたつのじかん」という作品のお顔がとっても好みでじっくり拝見させて頂きました〜v 旧作とのことですが、かわいい〜!
モノトーンで統一されたお人形たちは、古書Dorisさんのお店の雰囲気ととっても合っていて、お人形の下に飾られた古い写真は落ち葉のよう……。
最後の写真のメインの子はブックカバーの意味を持つ子で、並んだ3人はそれぞれ本のページタイトルなんだそう。
彼らもまた一冊の本として、古書Dorisさんの本の森にそっと並んでいたわけなのですね^^
本とお人形の親和性の高さたるや……凄く素敵な展示でした!

次の予約の時間が迫っていたので、今度は急いで浅草橋へ……!
鶯谷駅から15分程度だったかな?
とはいえ結局ぴったりには到着できなくて、少しオーバーしてしまったのですが。。滞在可能時間が減る〜〜。。

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浅草橋駅を降りて数分歩いたところに「パラボリカ・ビス」さんはあります。
何年も前から、何度も通ってきてしっかり覚えた道。東京での最寄りの場所。
私が初めて創作人形の世界に入ったのは、紛れもなくパラボリカ・ビスさんであり、夜想さんの雑誌がきっかけでした。
前回の展示でパラボリカ・ビスさんが終了する……となった時、どうしても展示に行けなくて、足を運ぶ事なく終わってしまうんだな……と思っていましたが、今回の展示で最後の最後という事で、なんとか都合つけて参りました!

そんなビスさんでの最後の展示が中川多理さんのお人形展。
小説家・山尾悠子先生の一番最初の作品である「夢の棲む街」に登場する〈薔薇色の脚〉のお人形の展示でした。
「夢の棲む街」は事前に読了しておりましたが、とにかく幻想度合いが高い作品で、私の残念な脳味噌は一章進むごとに処理落ちしながら(途中で噛み砕く時間が無いと飲み込みきれない)読み進める感じだったため、短編とはいえ数日かかりました。

いろんな登場人物が出て来るこの短編小説の序盤に登場するのが〈薔薇色の脚〉
お読みになった方は解ると思いますが「どうやってお人形化するのか?????
と、はてなマークが一杯だったのですが、見事に、お人形化されておりました……!

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建物の階段を上がる手前に、前回の展示で主役を務めていた「高丘親王」がいらっしゃいました。実物を拝見出来ていなかったお人形なので、拝見できてとても嬉しかったです!
しかも展示が超カッコいい……!
かなり奥まった位置に展示されており、近寄って顔を見たりなどはできませんでしたが、刀剣展示を見るのに使う単眼鏡で細部もじっくり拝見してきました。持ってて良かった単眼鏡……。

階段を上がって右に受付と展示室、左ではガレージセールを行っていました。
受付の際に、次の時間の人数が少ないのもあって、密にさえならなければ時間は気しなくても大丈夫と言われ、ちょっと安心^^

受付付近の店舗ブースを抜けると、すぐに〈薔薇色の脚〉は居ました。
彼女を取り囲むようにテーブルと椅子が間隔を空けて配置されており、お茶を頂きながら鑑賞したり、近寄ってじっくり鑑賞したり……。
壁には山尾悠子先生の新作掌編「薔薇色の脚のオード」が掛けられており、これを読むのにかなりの時間を使いました……(やはり処理落ちしながら読んでた)
ラストあたりで「う、おおおおお!」となるので、「夢の棲む街」及び山尾先生の作品解説を事前に読んでいて正解だったなと^^

アンティークローズピンクとでも言おうか、燻んだ薔薇色が基調で、中村美梢さんによる添花も美しく……だけど甘すぎない、どことなくビターさが混じってる。
〈薔薇色の脚〉はまだ"最終形態"までの途中経過の状態ながらも、肥大した骨盤、視線の移動を強要する美しく立派な脚の流線、成長とともに破れてしまったタイツ、踊れば花のように開くと思われるチュチュ、絡みついたコトバ。

対照的に、痩けた頬、華奢すぎる肩、細すぎる二の腕に、色の抜けたような髪。
小説の描写と同じく、かなりアンバランスな造形をしているのですが、全くもってアンバランスに見えないのが流石と申しますか……。
まるで玉座のように高い位置に座っていた彼女をしげしげと見上げる恍惚。
360度見て回れるというのも良かった!
そしてちょっと自分の背が高くて得をした(笑)
側にちょこちょこと座っていた、小さな脚ちゃんもとっても可愛かったです^^
(なんでも旧作の一部分だそう)

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ビスさんのある二葉倉庫さんは、取り壊しが決定しているんだそう。。
とっても趣のある建物で、すごく勿体無い……と事情を知らない私は無責任に思っちゃうのですが。。
ともかく、ガレージセールでは展示で使われた家具や什器などが、かなり格安に販売されておりました。1000円の棚とか、持って帰れるなら持って帰りたかった(笑)

そんな中で、一番欲しかった「匣」を無事に購入^^
元はタワー状になっており、お人形を展示していたものの一部。
お人形のオーナーさんが購入されてSNSで写真をアップしているのを拝見し、もしもまだ在庫があったら欲しいな〜と思っていたので嬉しかったです^^
とはいえ、縦幅60cmくらいはあるであろう箱を持ち運ぶわけにもいかず。。
厳重に梱包してもらって、近くのクロネコヤマトで速攻自宅まで送りました。。
少しだけ、箱を抱えて浅草橋を歩きました……なかなか面白い経験だった(笑)

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パラボリカ・ビスさんを出て、クロネコヤマトで箱を発送した後に、刀剣メインの展示に三井記念美術館に向かったのですが、その話はここでは割愛。
16:00のフライトで北陸への帰路につきました。
結構ギリギリの行程で間に合うかヒヤヒヤだったのですが、羽田空港の保安検査がスッカスカだったのもあって、スムーズに飛行機に乗れたのが良かった。。
10時に東京に到着してから6時間……本当にあっという間でした……。
でも来れて良かったなぁと思います。

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次の日にはもう自宅に到着した、例の「匣」(笑)
そして、我が家の中川多理さんのお人形、彼女もまた山尾悠子先生の小説「小鳥たち」を元に制作された水色の小鳥のお人形です。
我が家での名前は碧瑠(へきる)ちゃん。
彼女は京都の春秋山荘さんでご縁がありました。
この春秋山荘さんも、今では幼保園的な施設?になってしまっているようです。
以下、「匣」で遊んだ碧瑠ちゃんの写真が並びます。

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匣は碧瑠ちゃんだとちょっとだけはみ出るくらいのサイズ(笑)
庭の山法師やハナミズキの紅葉の葉っぱを添えました。
家族には「銀杏の方が合う」と言われたのですが……銀杏は残念ながら無いんだよな〜。。

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この表情大人っぽくてお気に入り。

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パラボリカ・ビスさんは無くなってしまうけど、夜想さんの活動はこれからも続いていくと思いますし、何やら特集の雑誌の気配もしておりますので、今後も楽しみにしていきたいな〜と思っております^^
こんな身動きのしづらい世の中だけど、息の詰まるような瞬間もあるけれど、まだまだ私の知らない美しいものがこの先にもあると思えば、世知辛い明日も頑張れるのです!

以上、落とし所のわからないまま(白目)終わります。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました〜^^

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