【エッセイ、俳句】パステルナークに贈る詩
ロシアの詩人、パステルナークに贈る詩。
ボリス・パステルナークは若き日に詩を志し、社会が荒れるソ連で、詩を書き通した。ノーベル賞を受賞しかけたが、政府の反対で実現しなかった。
処女詩集から衝撃的な詩を見せ、以後、『我が妹、人生(シェストラー・マヤー・ジーズニ)』などの詩集を経て、最後は『晴れよう時』を世に送った。
その詩は哲学的であり、具象であり、情熱的であり、穏やかだ。力強く、繊細で、針の穴を通すような表現を彫琢しながら、大胆でもある。社会全体の苦しみを自己のものにしながら、独り手放して高みへ駆ける。
僕は、近現代の詩人ではパステルナークが一番好きだ。世界中の書き手のなかで一番好きだ。
そんなパステルナークに贈る俳句。
ひとすじのひかりに晴れる春の朝 季白
「なにかにひとすじになる」という意味での「ひとすじの人生」を送ったパステルナーク。日本語なら「ひたむき」「ひたぶる」に近い。美しい人生だと思う。
工藤正廣訳『パステルナーク全抒情詩集』のほか、各詩集も図書館などで手に入ると思います☺️
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